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メルマガバックナンバー

インクルーシブ教育マガジン vol.18
2016.10.03

(この内容は2016年9月30日配信「インクルーシブ教育マガジン」のバックナンバーになります。)
※LeafMagazineは本月から「インクルーシブ教育マガジン」へと名称が変更となります。

2学期がはじまりあっという間に1か月が経ちました。
夏休み後の子どもたちの様子はいかがですか。秋に運動会を開催する学校は練習の真っただ中でしょうか。
今月もインクルーシブ教育に関する情報をお届けします!

【連載】今日からできるインクルーシブ教育実践

分からない時に「教えて」と言える学級づくりを

インクルーシブ教育において大切なポイントは、その集団にいる子どもたち全てが「学びにアクセス」できている状態を作ることです。
「学びにアクセス」するとはどういうことでしょうか?
これまでこのメルマガでお伝えしてきた通り、インクルーシブ教育は、一人ひとり異なる学びのニーズがあることを前提としています。
その学びのニーズは個と環境(授業スタイルや学習環境)の相互作用によって変わります。

例えば、つくえに向って計算ドリルで計算の仕方を学ぶという学び方が得意な子にとっては、「計算ドリルを使った授業」という授業スタイルは合っているでしょう。
一方で、実際に経験しながら学ぶ方が得意な子にとっては、「計算ドリルを使った授業」という授業スタイルでは、そこに困難さ(ニーズ)が生まれます。

その集団のより多くの子どもが学びやすい授業スタイルが前回・前々回の「ユニバーサルデザインの視点を取り入れた授業」でお伝えしたことです。

一方で、なるべくその集団の子どもたちが学びやすい授業をデザインしたとしても、中には学びにアクセスすることが難しい子どもがいるかもしれません。

「学びにアクセスできていない」ということは、こちらが「教えている」ことを「学んでいない」状態です。

その子が「学びにアクセス」しているかどうかは、その子が座っているかどうか、ではなく、教え手が伝えていることが伝わっているか、その子にとって「学び」になっているかどうかで判断します。
(座っていても聞いていない、なんてことはよくあります。「座っていれば良い」としてしまうのは危険ですね。座っていても学んでいなかったら意味がないのです。)

しかし、こちらが伝えていることが伝わっているかはなかなか分かりづらい。
そんな時にオススメなのが、「分からないサイン」です。

分からない時に分からないと言えることはとても大切なことです。学びにアクセスできていないにも関わらず、「分かっているふり」なんてする必要はありません。

ただ、手を挙げて「分からない」と言うことは少しハードルが高いかもしれません。また、全ての子どもが一度に「分からない」と手を挙げてもなかなか巡回指導をすることは難しい。

そこで、アメリカのある学校で取り入れられていた方法を紹介します。
クラスの子どもたちに白い紙コップと青い紙コップを渡しておきます。
「分からない時は白い紙コップ、自分で分かる時は青い紙コップを上に重ねましょう」と伝えます。

すると、先生の目からすぐどのくらいの子どもが自分で分かるのか、どのくらいの子どもが分からないのかが見えます。もし白い紙コップが多い時は説明の仕方が子どもたちに合っていなかったかもしれません。
もちろんこのベースには子どもたち同士、そして先生と子どもたちの信頼関係がないと難しいでしょう。

「分からない」と伝えやすいクラス全体への支援、ぜひ実践してみてください。
より詳しく知りたい方は研修にお越しください!

【連載】インクルーシブ教育を考える

特別支援教育に関する新学習指導要領のポイント!

平成30年に学習指導要領が改訂されます。
特別支援教育に関する変更点について、解説をします。

参考資料:次期学習指導要領に向けたこれまでの審議のまとめ(素案)のポイント
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/053/siryo/__icsFiles/afieldfile/2016/08/02/1375316_1_1.pdf

その① 通級による指導及び特別支援学級における個別の指導計画の作成

「通級による指導を受ける児童生徒及び特別支援学級に在籍する児童生徒に対する指導や支援が組織的・継続的に行われるよう、「個別の教育支援計画」や「個別の指導計画」を全員作成。」
平成19年度から義務付けられていたのでは?との声がありますが、現行の学習指導要領の中には「例えば」という形でしか個別の指導計画の作成について表現がなされていません。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syo/sou.htm
そのため、平成24年の調査においては、通常学級に在籍する困難さのある子ども6.5%のうち、個別の指導計画の作成率は9.9%のみでした。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/1328729.htm

その② 高校における通級による指導の制度化

これまで小中学校のみでおこなわれていた通級による指導を高校に導入。高校における特別支援教育の体制が整っていないことから、特別支援学校の高等部に在籍する子どもの数は年々増えていますが、通級の制度化により、少し状況は変わってくるでしょう。

その③ 学習指導要領の教科等の項目に障害のある子どものニーズに関して記載

「通常の学級においても、障害のある子供が在籍している可能性があること を前提に、全ての教科等の学習過程において想定される困難さに対応した指導の工夫の意図や手立てを具体的に例示。」

通常学校にも障害のある子どもは多数在籍しているにも関わらず、これまで障害のある子どもの指導方法については、特別支援学校の学習指導要領のみに記載されていました。次期学習指導要領においては、通常の学習指導要領の教科等の項目に各種ニーズへの支援方法が記載されます。結果、通常学級の先生方も学習指導要領において、具体的な手立てを参照することができるようになります。

特に③の通常学校の学習指導要領に多様なニーズへの支援方法が記載されることは、大きな一歩です。これまでは「同じ方法で全員が学ぶ」ことが前提とされていたことから、多様なニーズがあることが前提となるからです。
今から楽しみですね!

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