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メルマガバックナンバー

インクルーシブ教育マガジン vol.19
2016.11.02

(この内容は2016年10月28日配信「インクルーシブ教育マガジン」のバックナンバーになります。)
※LeafMagazineは本月から「インクルーシブ教育マガジン」へと名称が変更となります。

暑くなったり寒くなったり…気温の変化が激しい日々が続いておりますが、みなさまいかがお過ごしですか。年末までもう2ヶ月です。
今月もインクルーシブ教育に関する情報をお届けします!

【連載】今日からできるインクルーシブ教育実践

「分からない」「教えて」が言えない

前回はインクルーシブ教育実践において、学びにアクセスできていない時に「分からない」「教えて」と伝えられることが大切であること、そのために実践できる具体的な事例として、分からない時にコップで意思表示をするという実践をご紹介しました。

「分からない時はそう言って」と子どもに伝えても、なかなかそれができるようにならないケースもあります。

その要因はおそらく以下の3つに当てはまるでしょう。以下の3つが要因で分からないと伝えられない子どもはみなさんの近くにいませんか?

①「分からない」ことが「分からない」
特に低学年の子どもに多いのが、自分が今分かっているか分かっていないかの自己認識がないことです。そのような時には「今分かっていないから、そういう時は『分からない』と言うんだよ」、と今のその子の状態を認識していただく必要があります。「今、分かっているね」「今ちょっと難しいみたい」などと、自己認識しやすい言葉かけをすることが良いでしょう。

②伝えたくても伝え方が分からない
今自分にとって難しい状況、と自己認識ができていても、その伝え方が分からないケースもあります。その場合は伝え方のレパートリーを事前に学習しておき、マニュアルのように手元にもっておくと良いでしょう。例えば、「分からない時の伝え方 ①手を挙げて先生を呼ぶ ②ここが分からないです、と分からない場所を指さして言う」など。こういう方は、分からない時の伝え方だけではなく、他にも困った時の伝え方のレパートリーが少ない場合もあります。LITALICOジュニアではそのような方には、「困った時マニュアル」のようなマニュアルを作り、「こういう時にはこうする」などと行動の選択肢を学習しておく場合もあります。そうすることで、困った時にどうしたら良いか?の見通しをたてることができます。

③伝え方は分かっても伝えることが怖い・恥ずかしい・不安
伝え方は知っていても、それを伝えることが怖かったり不安だったりする場合もあります。こういう方の場合は、失敗体験が要因になっていることが多いです。
例えば、「分からない」「教えて」と言っても、「自分で考えなさい」と言われたり、そもそも学級全体が助けを求めづらい雰囲気だったりします。
こういう方の場合は、助けを求めやすい環境づくりと、助けを求めたことによる成功体験を作っていくことが大切です。まずは信頼関係ができている他者に対して助けを求めることができると良いでしょう。

今回は「分からない」「教えて」など助けを求めることが難しい方の要因と支援の手立てについてお伝え致しました。

みなさんは「子ども」を想定されたと思いますが、大人でも全く同じです。
助けを求めることが苦手で我慢をしすぎてしまい、自分を追い込んで心を壊してしまう大人がとても多いです。周りでそういう方がおられたら、ぜひ上記の手立てを活用してみてください。

※より詳しく知りたい方は研修にお越しください!

【連載】インクルーシブ教育を考える

障害のある子どもたちへの支援を充実させるために、先生を増やす活動!

先日文部科学省から財務省に概算要求が提出されました。
その中には、通級による指導を担当する教員をこの10年で8900名増やす方針が打ち出され、1年目である今年は890名増やす要求が出されました。
http://www.mext.go.jp/a_menu/yosan/h29/1376627.htm
一方で、少子化の中、先生を増やすことはなかなかハードルが高いことが事実です。

そんな中、発達障害のある子どもの個性に合った支援を実現するために有志の方々が立ちあがりました!
この文科省の概算要求を通すための署名キャンペーンが実施されています。

LITALICOもこの活動を支援しております。
「発達障害」はまだまだ一般的には認知度がとても低いため、まだまだ予算の優先順位が低くなりがちです。
ぜひ賛同される方は、こちらから署名をお願い致します!

署名はこちらから

以下署名キャンペーンから。

発達障害の子どもの個性に合った教育を!学校現場で専門の知識を持った先生を増やしてください!

発達障害の小学校6年生の男の子を持つ親です。
小学校入学時からずっと、発達障害児向けの通級指導のクラスに入れず、4年間「待機児童」となっていました。他に優先すべきお子さんが沢山いて空きがないと言われ続け、この2年間は申し込みすら諦めました。仕方なく通常学級のみに通わせていますが、周りのお子さんに興味はあるけどコミュニケーションの取り方が分からない我が子は、これまで沢山苦労してきました。1年生の時から待ち続けて、気付けば今年で小学校卒業です。

別の発達障害児(小学校1年生)の親御さんは、小学校に入ってすぐに通級指導に申込みをしましたが、同じように「待機児童」になりました。そのご家庭は夏休みの間に他の地域に引っ越し、今は待機人数の少なかった別の学校で特別支援学級に通う申し込みをしています。

特別支援学級や通級指導に通っているお友達の親御さんからは、先生の数だけではなく、指導の質自体も高くないと聞いています。子どもの通う学校の特別支援学級および地域の通級指導は、普通級から来る専門の知識がない先生が対応していて、先生自身もどう接していいのか困っています。しっかりとした専門的な知識がもてるよう十分研修を受ける時間を確保してあげてください。そのための先生も増やしてあげてください。国が動いてくれない限り現場の先生だけではどうしようもないのです。

みなさん発達障害の子が全国に何人いるか知っていますか。

文科省の2012年のデータだと、日本には発達障害の小中学生が70万人近くいると言われています。高校生や未就学児も入れると、100万人を超える規模になります。でも学校現場では我が子の学校のように、専門の知識を持った先生が全然足りません。発達障害の子どもが通う「特別支援学級」では先生と子どもの比率が8対1、通常学級に通いながら個別の指導を受ける「通級指導」では、13対1です。例えば、一人手のかかる子がいればその子に先生が付きっきりになることを考えると、この数字では足りません。たとえ数は足りていても、専門知識のない地域のボランティアや非常勤の先生が子ども達を見ている学校も多いのです。ボランティアや非常勤の先生はお立場が不安定なので私たちも不安なのです。

文科省は来年度に向けた予算要求で、専門の知識を持った先生を10年かけて8,900人増やすと言っています。日本には、小学校と中学校合わせて3万校ほどあり、1校に1人専門の先生を増やしたとしても、8,900人の増加はあまりにも少なすぎます。それを10年かけて取り組んでいくとのことですが、子どもの成長は待ってくれません。10年の間に、100万人近くの子ども達は大学生や社会人になってしまいます。1日も早く専門的な知識をもった先生を、もっと多く、増やしてください。

私たちは、発達障害の子ども一人一人が必要な個別支援を受けられるよう、専門の先生を増やすように国に求めます。この問題は、何も発達障害の子どもだけの問題ではありません。コミュニケーションが得意・苦手、足が早い・遅い、手先が器用・不器用など、子どもはみんな違います。一人ひとりの子どもたちが学校で自分の個性に合った教育を受けられる、そんな社会を私たちは望みます。子ども達はこの国の未来です。どうかこの問題が国に届くように、みなさんの力を貸してください。

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