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メルマガバックナンバー

インクルーシブ教育マガジン vol.22
2017.02.01

(この内容は2017年1月31日配信「インクルーシブ教育マガジン」のバックナンバーになります。)

あけましておめでとうございます!
冬休みが終わり1月末。年度末まで2カ月となりました。
今年もインクルーシブ教育に関する情報をお届けします!

【連載】今日からできるインクルーシブ教育実践

この連載の中では、多様な子どもたちに対する接し方などをお伝えしてきました。一人ひとりの「違い」を前提とした学級づくりや授業づくりのためには、子ども自身が自分のことを知る、「自己認識」を育てていくことが大切と何度もお伝えしてきましたが、子どもたちが自己認識を深めていくためには、まず子どもたちが自分についてポジティブな感情を持てていないとなかなか難しい。自己肯定感が低い状態で自分の「苦手」「できない」を見つめ、他者に助けを求めることは難しいのです。
自分を知るためにまずは先生との関わりが安全安心、学級の中が安全安心な環境である必要があります。
その安全安心をつくるための関わり方の一つである、「ポジティブな関わり」についてお伝えします。

ポジティブな関わりとは
ポジティブな関わりとは、「できる」に着目した関わり、できないことに関してはできるように工夫をする関わりのことです。逆にネガティブな関わりとは、「できない」に着目した関わり、具体的にはやる前から「できる」を信じていない関わりや「できなかった」後の関わり。「なぜできないの」「ちゃんとやればできるのに」「だからいったのに」など、できなかった後にこのような声かけをしがちです。ポジティブな関わりについていくつか具体例を用いてお伝えします。

①「できて当たり前」のハードルをその子に合わせる
何ができるか、何ができないか、は本当に子どもによって異なります。また、子どもがどんなハードルがあったら「頑張ろう!」と思えるかも、人によって異なります。大人もそうです。職場でもA先生が簡単にできることをB先生がやることは難しかったりします。人によっては高い目標を設定された方が燃える人もいれば、高い目標設定をされたら「あー自分には無理だ」と感じてやる気をなくす人もいます。みなさんはどちらですか?
子どもも同じです。多くの学校現場では、全員が同じ高さのハードルを越えることが求められがちです。最終的に越えなければならないハードルは同じ高さのハードルかもしれませんが、そのプロセスは人によって異なって良いのではないでしょうか。

一気に高いハードルを駆け上がる子もいるし、少しずつ高くしていく子もいる。
ある子にとってはまずは学校に来ること自体が高いハードルかもしれないのです。ある子にとっては、黒板の字を写すことがものすごく高いハードルかもしれません。
「できて当たり前」と自分の物差しだけできめつけるのではなく、その子の物差しだとどうかな?とぜひ考えてみてください。

②できるための事前の工夫を考える
LITALICOジュニアで大切にしている言葉の中に「学び手は常に正しい」という言葉があります。何かができない時にその子のせいにしがちですが、教え手の仕事は、その子の「できた!」をつくるための工夫ができることです。①でお伝えしたように目標自体をその子に合わせたものにすることも一つの工夫ですが、目標を確実に達成するための工夫を事前にすることが大切です。例えば、計算問題であれば、初めから一人ですべてやるのではなく、ヒントシートを近くに置いておいたり、事前に一緒に問題を解いておく。かかり活動であれば、事前に係を一緒に確認し、やるべきことの手順書を渡しておく。
そのような事前の工夫により、「できた!」体験を作り、「自分はできる!」と自信がついたら事前の工夫を減らしていったり、少し難しい目標にチャレンジしたりできるように、関わりを変えていきます。

ぜひハードル(目標)をその子にあわせる、そしてできるための事前の工夫を考える、やってみてください!

※より詳しく知りたい方は研修にお越しください!

【連載】インクルーシブ教育を考える

様々な学校に行くと、「これってインクルーシブ教育として成り立っているのですか?」という質問を受ける。正直、いつも答えにつまずいてしまう。
ある角度から見たらそれは「インクルーシブ」であり、ある角度からみたらそれは「エクスクルーシブ」であることがほとんどである。

私が実践を見学する際に見るポイントを少し以下に紹介すると、
①先生方が働きやすい仕組みがあるか
②先生の自己肯定感やストレス度が考慮されたマネジメントがされているか
③大人(先生、職員、保護者)が同じ方向を見ているかどうか。
④先生が一人ではなく、チームで複数の目で子どもたちを見ているか。
⑤先生はどんな学級を作りたいと思っているか(なかなか直接聞けないので行動から推測する)
⑥学校・学級の中で「違い」が当たり前になっているか
⑦全ての子どもがその学級の中で実質的に「学んで」いるかどうか(だいたい違う世界に行っている人が何人かいる)
⑧すべての子どもが実質的に学べるようにどんな工夫がなされているか
⑨「学んでいない」子に先生は気付いているか、何かしらの手立てが講じられているか

ご覧いただき分かっていただけるよう、これらのポイントをすべてクリアしていたらもう神様!ぐらい難しい。
そのため、これまで「完璧!」と思った学校、学級はどの国を見てもない。私がそういう学校をつくれ!といわれても完璧にはできるわけがない。

大切なのは、この9つの観点を持ちながら、工夫をし続けることなのです。
そのプロセスをたどっていれば、それは「インクルーシブ教育」と言えるでしょう。

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