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メルマガバックナンバー

LeafMagazine vol.3
2015.7.1

(この内容は2015年6月17日配信メールマガジン「Leafマガジン」のバックナンバーになります。)

インクルーシブ教育に関する最新の事例・情報をお伝えします

5月、鮮やかな新緑と明るい太陽がきらきらと、気持ちの良い日が続いておりますね。
授業参観や運動会など、学校での行事運営でご多忙になる季節かと存じます。
そのなかでインクルーシブ教育視点の運営のために、お役立ていただける情報をお届けします。

【連載】インクルーシブ教育を考える第3回目「日本におけるインクルーシブ教育の動向と課題①」

本連載では、インクルーシブ教育の定義を3つ特徴をあげています。

1.全ての学習者には多様なニーズがあることを前提とする
2.多様なニーズに対応することができる質の高い教育システム
3.そのシステムを構築するプロセス

つまり、インクルーシブ教育の実現とは、通常の教育そのものが多様性を前提とするものに変えていくことであると考えます。

前回はインクルーシブ教育の概念が生まれた背景について排除から特殊教育、インテグレーション、インクルーシブ教育と教育が進化してきた背景を書きました。
第3回目である今回は、日本におけるインクルーシブ教育の動向についてお伝えします。

【権利条約への批准】
日本は2014年1月に「障害のある人の権利を保障する条約」に批准しました。
その権利条約第24条「教育」の項目には、

・人間の多様性の尊重を強化すること
・障害のある人が、他の者との平等を基礎として、その生活する地域社会において、インクルーシブで質の高い無償の初等教育及び中等教育にアクセスすることができること
・各個人の必要に応じて合理的配慮が行われること

などが書かれています。

そもそも人間とは多様であり、その多様性の尊重が土台の価値観となっているところが一つのポイントです。「障害があるから」多様、なのではなく、私たちはそもそも誰もが異なる存在であり、多様です。
そういった価値観を前提とした上で障害のある人も含め生活する地域において教育にアクセスすることができること、そのためにニーズに合わせた合理的配慮がおこなわれることが必要とされています。

参考:
川島修・長瀬修仮訳(2008)

外務省の訳

【日本におけるインクルーシブ教育システムの構築】
この条約を受け、日本では現在「インクルーシブ教育システムの構築」を目指しています。
そのための日本の基本的な方針は、「特別支援教育を推進することによる、インクルーシブ教育システムの構築」です。
具体的には、文部科学省のインクルーシブ教育システムモデル事業として、早期から支援が必要な子どもに対して支援体制を構築する事業が推進されています。

また、各学校の設置者及び学校が、障害のある児童生徒に対して、その状況に応じて提供する「合理的配慮」の実践事例を蓄積するとともに、適切な「合理的配慮」のための校内体制の整備がなされています。
この「合理的配慮」の実践事例は、国立特別支援教育総合研究所が作成した「インクルーシブ教育システム構築支援データベース(インクルDB)として情報が開示されています(http://inclusive.nise.go.jp/

このように日本においてもインクルーシブ教育は徐々に整備されてきています。一方で、課題もたくさんあります。みなさんは一番大きな課題は何だとお考えですか。次回は筆者が考える日本におけるインクルーシブ教育の課題についてお伝えします。

参考:
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1321668.htm

【連載】今日からできるインクルーシブ教育推進プログラム第3回目「自分に合っている学び方を探そう」

 

個々が異なることを前提とした学級づくりのために、「自分を知る」をテーマに、2回連載を書いてきました。
今回は「自分を知る」の中でも、「自分に合っている学び方を知る」活動を紹介します。

【自分の学びのスイッチを知る】
みなさんはどんな時に一番学びますか。
言い方を変えると、どんな時に学びの「スイッチ」が入りますか。
興味関心を探求している時でしょうか。
悔しい想いをした時でしょうか。だれかにほめられたい時、認めてもらいたい時でしょうか。

私たちもそれぞれスイッチが入るポイントが異なるように、子どもたちもそれぞれ学びのスイッチが入るポイントが異なります。
みなさんの学級の子どもたちはどんな時に学びのスイッチが入りますか?
先生方が子どもたちの学びのスイッチを知っておくことはもちろん大切ですが、子どもたちが自分自身の一番学ぶスイッチを知っておくこともとても大切です。
学びスイッチの入るタイミングは一人ひとり異なることが前提になるからです。

【どんな覚え方が得意?目から?耳から?動作で?】
物事の覚え方も一人ひとり異なります。
例えばみなさんは電話番号をどのようにして覚えますか?
私は数字を音に置き換えて覚えます(344はミシシのように)。
写真のように覚える方もいらっしゃるでしょう。
子どもたちも同じく、何かを覚えるときにはそれぞれ異なる覚え方をします。
算数の公式や漢字、歴史の年号など覚えるものについては、ぜひどんな覚え方が一番自分にとって覚えやすいか、子どもたちと考えてみてください。
歌を作ったり、動作と結び付けたり、子どもたちならではのクリエイティブな工夫がたくさん生まれると思います。

学ぶ内容はある程度決められていますが、学び方、覚え方はいくらでも子どもに合わせることができます。
私たち大人が「こういう学び方をしなさい」と言わずに、「自分に合っている学び方で学んでみよう」と伝えることによって、誰もが異なる学び方をすることが前提である学級づくりができるのではないでしょうか。

【連載】一人ひとりに合わせた学びを―Leafの実践共有―第3回目「ニーズを把握する」

このコーナーではLeafの実践を紹介しています。
Leafには多様なニーズのある子どもたちが来ます。
今日はその子どもたちのニーズの把握の仕方を紹介します。

子どもたちや、子どもたちを取り巻く人たちの困り感は、その子とその子の環境との相互作用の中で起きている、と私たちLeafはとらえています。
そのため、子どものニーズを的確に把握するためには、その子自身のことをよく知ることと、その環境をよく知ることが大切です。
より詳しくその子のニーズを把握するために、Leafでは5W1Hの枠組みを使っています。

WHO:誰が困っている?(その子自身は困っている?それとも保護者や先生や周りの子どもが困っている?それとも両方困っている?)
WHAT:それぞれの人たちは何に困っている?
WHEN:どんな状況の時に困っている?
WGERE:どこで困っている?(家?学校?両方?特定の場所?)
HOW:今までその困っていることに対してどのように対応をしてきた?その対応はうまくいった?うまくいかなかった?

これらを把握し、最後にWHY:なぜ困っている?を導き出します。
WHY「なぜ困っている」「なぜそこにニーズがあるのか」を明らかにしないと、具体的な解決策は出てきません。
Leafではこの「WHYの視点」をとても大切にしています。

前回、子どもの行動のなぜを読み解くことについて書きましたが、ぜひ次はこの5W1Hを使って読み解いてみてください。

第1回インクルーシブ教育リーダー養成研修レポート!

2015年5月10日(日)にLITALICO東京本社にて、インクルーシブ教育の実践と推進を担うリーダーを目指す先生・支援者の方向けに、年間を通して行う研修の第1回を開催しました。
初回は、インクルーシブ教育の体系的な知識や、体制の移り変わり、海外(アメリカ)との比較、最後にTeachForJapanフェロー木村先生から、ご自身のインクルーシブ教育に関わる教育観とその教育観に基づく小学校での実践紹介をいただきました。
当日は、小学校教員、大学教育、会社員、文部科学省職員など、さまざまな経歴の皆様10名にご参加いただき、「本当の「インクルーシブ教育」のことを知れてよかったです。また参加される方もすばらしい(いろんな立場の方)で交流できたのがよかったです」「教育の原点(原理)に触れるような内容も多く自身の考えを改めて振り返ることができました。今度はそれらを話しできるように発信できるように活用していきます。現場レベルで使える様々なアイデアがありました。すぐにでも実践したいと思います」など、さまざまなご感想もお寄せいただきました。

第2回インクルーシブ教育リーダー養成研修の日程とテーマ

2015年 6月21日(日)
10:00~17:00(受付 9:30~)
テーマは、「インクルーシブ教育の理論と自分の実践を結びつける」
インクルーシブ教育の理解を深めるために、自分の実践のリフレクションをおこなう。
歴史や制度といった「マクロ視点」でのインクルーシブ教育・日々の授業や学級づくりといった「ミクロ視点」で実践に向き合い、それぞれの実践の成功例・課題例をもとに要因分析と対応検討、それを他者へどのように伝えてくか、その方法や場づくりについて研修を行います。

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