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メルマガバックナンバー

インクルーシブ教育マガジン vol.33

(この内容は2017年12月28日配信「インクルーシブ教育マガジン」のバックナンバーになります。)

あっという間に2017年最後の配信となりました。
今年も様々なインクルーシブ教育に関する情報をお伝えしてきましたが、お役にたてましたでしょうか?
来年も引き続きよろしくお願いいたします!

【連載】今日からできるインクルーシブ教育実践

このコーナーでは多様な子どもたち8,000名が通うLITALICOジュニアにおける実践についてご紹介します。

前々回から、子どもたちの「学びを自信につなげる」ために、どのように目標設定や学習方法、評価方法を工夫するかについてお伝えしています。

前回は、学びを自信につなげるための、「個々の特性に合った学習環境や、学習への多様な取り組み方」についてお話しました。

今回は、学習に取り組んだ本人や、親御さんの「できた」という自信につなげるために、「成長実感にこだわる」についてお伝えします。

さて、みなさんは、どんな時に「成長した」と感じることができますか?

例えば前までできなかったことができるようになった時、例えば前回よりもたくさんできたとき、例えば前回よりも短い時間でできた時、例えば誰かに自分ができるようになったことを言葉で伝えてもらった時・・・。

これは、大人でも子どもでも、大きな差異はないかと思います。では、子どもたちが、授業を通して「成長した」と感じるためには、どんな工夫が必要でしょうか。

大きくまとめると次の三つかと思います。

① 課題自体のレベルをちょうどいいものに工夫する
② 達成できたことを可視化できる仕組みを作る
③ 達成できた後の関わりを工夫する

LITALICOジュニアでは、子どもたちや親御さんたちが成長実感を得られるように、上記三点の工夫を授業の中に取り入れながら、授業を行っています。

① 課題自体のレベルをちょうどいいものに工夫する

そもそも「できた」と感じられるためには、少し頑張ってクリアできる課題の設定が必要です。

「少し頑張ればクリアできる」という課題は、もちろん一人ひとり異なるため、個別の授業にかぎらず、集団の授業でも、一人ひとりの「個々のねらい」に合わせたプログラムを設計しています。

② できたことを可視化できる仕組みを作る

例えば時間を測って前回とのタイムで比較する、例えばできた問題に丸や本人の好きなマークをつけて前回との数で比較する、例えば振り返りシートを作成して前回との自己評価を比較する、などなど。

このように、子どもたちが「前回よりもできたんだ」と実感できるしくみを、学習などの活動の中に入れるようにしています。

もちろん、数字、丸の数、キャラクターの数、など本人が喜ぶ可視化も様々なので、一人ひとりの性格や特性などを把握した上で仕組みを作ります。

具体的に目で見えるもの成果物があると、親御さんの「前よりできるようになったんだ」という成長実感にも繋がります。

③ 達成できた後の関わりを工夫する

子どもたちが「前回よりもできたんだ」「少し成長したな」と感じられるためには、課題達成後の、周囲の大人の関わりも重要です。

大前提として、どんな声かけや関わりが一番嬉しいかは、子どもたち一人ひとり異なります。

「すごい」「やったね」「がんばったね」等の称賛の声かけが嬉しい子どもたちももちろんいますし、ハイタッチや、一緒にガッツポーズを取るのが嬉しい子どももいるでしょう。

「昨日よりも○個多くできたね」「昨日よりも○秒縮まったね」「はじめて挑戦した時と比べてたくさんできるようになったね」等、具体的な比較を出した方が、より成長実感を得れるような場合もあります。

重要なのは、「こうすれば喜ぶだろう」と大人が決めつけないことです。子どものことをよく見て、一人ひとりに合った関わりを考えます。

いかがでしょうか。みなさんの「授業」や「指導」は、子どもたちにとって「できた」という成長実感に繋がる学びの機会になっているでしょうか。

もしご自身の授業に取り入れられそうなものがあれば、是非、子ども一人ひとりの特性や興味関心に合わせて、「成長実感にこだわるアプローチ」を考えてみてください。

今回まで、子どもたちの「学びを自信につなげる」ために、どのように目標設定や学習方法、評価方法を工夫するかについてお伝えしてきました。

次回からは、違いを認め合い学び合える「安心できるコミュニティ」を構築するために、LITALICOジュニアが大切にしているアプローチについてお話します。

【連載】インクルーシブ教育を考える

「差異のジレンマ」

「障害」というラベル、もしくは「障害名」をつける理由は、「障害」と言わないと、必要な支援を受けることができないからであろう。
一方で、「障害」のラベルをつけることにより、「ちがい」が顕在化され、逆に格差の拡大につながる場合も多い。ちがいを見える化することにより、困難の解消を目指すが、逆にそれが困難を生む要因にもなったりする。

これは「差異のジレンマ」と呼ばれている。

インクルーシブ教育を語る時にこの「差異のジレンマ」にぶち当たらざるを得ない。

例えば、『発達障害は』『ADHDは』『自閉症は』などと障害名ファーストで説明することによって、逆に個がみえにくくなる。
『関係者』が障害名ファーストで語ってしまうことによって、それを聞いた人がカテゴライズをして『自分たちとは異なる』という見方をしてしまう危険性がある。

だが一方で、障害名がないと支援が届かない。

「障害名」はあくまでも、その人の困難さを解消したり、その人がよりその人らしく生きるためのもの。
支援をする人、教育の担い手や教え手が「楽」になるためのものでもないし、「できない理由」でもない。
私たちは「障害名」を使うときはそのことを自覚して使う必要がある。

「障害名」がなくても、一人ひとりの困難さが解消される教育。
それこそが真のインクルーシブ教育なのだろう。

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