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メルマガバックナンバー

インクルーシブ教育マガジン vol.36【最終回】

(この内容は2018年3月29日配信「インクルーシブ教育マガジン」のバックナンバーになります。)

暖かい日が増え、そろそろ桜が満開。新年度も目前ですね!
たくさんの皆さんにご愛読いただいて参りましたインクルーシブ教育マガジンですが、今回が最後の配信となります!

【連載】今日からできるインクルーシブ教育実践

3年にわたって、多様な子どもたち8,000名が通うLITALICOジュニアにおける実践についてご紹介してきたこのメルマガは、今回が最終回となります。

特にこの1年間は、LITALICOジュニアが子どもと関わる上で大切にしている6つの考え方のうちの5つ、①信頼関係をつくること ②最適なプランニングを考えること ③子どもの心に火をつけること ④活動を自信につなげること ⑤安心できるコミュニティを構築すること、についてお話してきました。

最後となる今回は、6つの考え方の最後の一つ、「環境へのアプローチができる力の育成」についてお伝えしたいと思います。

教育関係者や保護者の方から「LITALICOジュニアのゴールはどこにあるのですか」と聞かれることがあります。結論から言うと、「自分らしく生きる力を育む」ことにあるのですが、社会の中で子どもたちが「自分らしく」生きるために必要なスキルこそ、「環境へのアプローチができる力」です。

なぜ、子どもたちに「環境へのアプローチができる力」を培うことを目指すのかというと、LITALICOジュニアの先生が、いつもその子の側にいられるわけではないからです。

例えば、聴覚過敏で騒がしい場所が苦手なA君や、集中力が続かずにすぐ立ち歩いてしまうB君。たまたま理解のある先生に出会うことができれば、個々に適した配慮をしてもらえ、静かな教室で勉強ができたり、立ち歩くのもOKな教室で勉強ができたりするかもしれません。

LITALICOジュニアでも、そんな自分に合った学び方が見つかって自信に繋がり、「LITALICOなら頑張れる!」「自分にもできるんだ!」と、目の色が変わった子どもたちも沢山見てきました。

しかし、先生にそんな環境をつくってもらうだけでは、自分に合った学び方を認めてもらえない環境に移った際に、その子たちはまた苦しむことになります。例えば学年が変わった際などに…。

だからこそ、子どもたちが自分から「環境へのアプローチができる力の育成」を大切にしています。自分に必要な配慮について、自分で環境側に伝えられるスキルの育成です。

「先生、ぼくは音がうるさいと耳がざわざわして集中できないから、イヤーマフをつけて勉強していいですか?」「先生、ぼくは集中力が長く続かないから、20分経ったら水を飲んできていいですか?」と、先生に伝えられるといった具合です。

そんな「環境へのアプローチ」ができるようになるためには、前提として子どもが「自分の特性・強み・苦手を知っている」ことが必要になります。また実際に、ある環境において「自分にとって学びやすく過ごしやすく工夫することができる」ことが重要です。

例をあげると、

・自分で席についての配慮依頼ができる
・情報表示の仕方への配慮依頼ができる

などがあります。それができるスキルを獲得するには、まずは「言っていいんだ」という安心安全な環境が必要かもしれませんし、「言ってみよう」と思える勇気や、「言ったら分かってくれた」という成功体験が必要かもしれません。
このメルマガで何度も出てきた言葉かもしれませんが、それができるようになるための前提条件は「子どもによって異なる」ということです。だからこそ「環境へのアプローチができる力の育成」に対して絶対的なアプローチはなく、先生は子どもの様子を見ながら関わり、時に対話も通して一緒に考え、伴走していく姿勢も必要になります。

書いていて、自分でも「実現していくのが難しい…」と気が遠くなります。笑

ただ、忘れてはいけないことは、インクル―シブ教育とは、「子どもたち一人ひとりが多様であることを前提に、障害の有無にかかわりなく、誰もが望めば自分に合った配慮を受けながら、地域の通常学級で学べることを目指す教育理念と実践プロセス」のことだということです。

「プロセス」なので明確なゴールはありません。そして、何がいいかは子どもによって違うため、正解は子どもの数だけあるのかと思います。是非、メルマガで紹介した実践やLITALICOジュニアが大切にしている考え方も元にしながら、読者の方お一人おひとりが、探求的な実践者となって、子どもたちのために、インクル―シブな実践を追及していただけますと幸いです。

これまでご愛読いただきまして、本当にありがとうございました。

【連載】インクルーシブ教育を考える

「同じ思いを持った人たちとできることやってみる」

3年にわたって継続したメルマガですが、今回で最後となります。
これまでご愛読いただきありがとうございました。

この3年、そしてそれより前から、インクルーシブ教育を実現するためにはどうしたらよいのか、実際の実践と研究を繰り返しながら、考え続けてきました。

どこかを変えたら、ドラスティックに変わるのではないか?そういう希望と期待をもって、本当に考え得るありとあらゆる手段を試してみました。
わかったことは、「魔法」みたいな手段はないということ。
だからこそ、同じ思いを持つ人と一緒に、一つずつ実践を作っていくしかないということ。
小さな実践からで良いと思うのです。
その実践の積み重ねが制度を変えていけるということ。

一人で実践するのは少し怖いかもしれない。けれど、複数であれば、できるかもしれない。

このメルマガで発信したことが、
すべての子どもたちが、学びから排除されないような実践につながりますように。

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