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発達障害とは

見えにくい困難さ、上手にやりくりするには?
2014.9.29
  • 作業療法

突然ですが質問です。あなたは道に迷ったときどのように対処しますか?「道順を聞く」「地図を見る」、 地図アプリを使って「音声案内を聞きながら動く地図を見る」という方もいるかもしれません。
人はそれぞれ異なる理解の仕方をしています。算数が得意な方と体育が得意な方がいるように、耳で聞くことが得意な方と目で見ることが得意な方がいます。多くの人は得意・不得意がありながら、無意識のうちにやりくりする方法を身に着けています。しかし、バランスを取りづらいほどに苦手な度合いが強かったり、上手にやりくりする方法が見つかっていなかったりしたとするとどうなるでしょうか……?

「見えにくさ」ゆえに得られにくい理解

先日、西日本新聞に「【見解】見えにくさゆえに 得られにくい理解」という記事が掲載されました。「聞いて覚えることは得意だが黒板の字を写すことができない」など、外見上は問題なく見えますが日常生活に大きな困り感をもつ方について紹介されていました。困難の見えにくさゆえに、気づくのが遅れたり、周囲の理解が得られなかったり……。ご本人やそのご家族は、仕事をして自立した生活を送ることに不安や困難さを抱えています。
記事はこう締めくくられています。「生活保護費が膨らむ中、発達障害者が能力を生かして働くことは、財政的な面でもプラスになるはずだ。丸抱えでなく、1人で歩いていけるための支援を考えていきたい」。一人ひとりが能力をいかしながら活躍できる方法はないのでしょうか?

今この記事を書いている私自身も「見ること」に少し困難を抱えています。「白い紙に黒い文字」というごくごく普通の印刷物を、長い時間をかけて読むと目がチカチカして疲れてしまいます。体調の悪いときなどはより影響が強く文字が踊るように見えることもありました。このチカチカの原因は白と黒のコントラストの強さにあるのではと思い、「本は明るすぎない場所で読む」または「携帯やPCで読むときは、画面の輝度を下げる」という作戦を実行したところ大成功でした! チカチカが軽減されてだいぶ読みやすくなったのです。私は困難に対して、自分に合う「バランスのとり方」と「上手にやりくりする方法」を見つけることができました。

自分に合った「バランスのとり方」を見つけること

読字障害(ディスレクシア)のある南雲明彦氏(注1)は、ご自身のブログでアーレンシンドローム(注2)の検査を行い、薄い灰色のレンズを通して物を見ると見えやすい、という今までになかった発見をしたと書かれています。彼も「薄い灰色のレンズを使う」という「上手にやりくりする方法」を見つけられたのかも知れません。

最近ではIT機器の発達も「うまくやりくりする方法」を見つける一助となっています。東京大学先端科学技術研究センターでは、読み書きに困難のある小中学生を集めてIT機器を使った「配慮ありテスト」(問題文の読み上げや回答のキーボード入力)を実施したところ、紙と鉛筆の「配慮なしテスト」と比べて得点が2倍だったお子さまもいたとのことです。自分に合う「ツール」を得たことで「上手にやりくりする方法」を見つけたお子さまたちがいます。

見えにくい困難さを抱えていたとしても、自分に合うツールを得ることで上手にやりくりする工夫や、もっと活躍できるヒントが見つかるといいですね。そしてそのツールを、一人ひとりが選んで当たり前に使える社会になるといいですね。

 

(注1) 南雲明彦氏(アットマーク明蓬館高等学校 共育コーディネーター)
1984年新潟県生まれ。ディスレクシア当事者。「理解力はある程度あるが、読み書きがうまくできない」という困難に苦しみ、引きこもりや自傷行為、強迫性障害による入退院を繰り返す。21歳の時に初めてLD(学習障害)の中のディスレクシア(読字障害)であることを知る。「LDは自分の中の宝物」と断言し、3年以内に日本全土でディスレクシアが認知されることを目指し年間100回の講演や執筆等、啓発活動に尽力中。

(注2)アーレンシンドロームとは「光に関する感覚過敏を持っており、光がまぶしく見える、本を読むと文字がよく追えない、目を使うと疲れるなどの症状があります。発達障害の読むことの難しさ、体の動きのぎこちなさ、自閉症傾向の子どもの感覚過敏の問題とも関連しています。有色透明フィルムを通して、本のページを見たり、有色レンズをかけたりすることで、改善することがあります。(筑波大学HP心理・発達教育相談室のページより)

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