「 ASD(自閉スペクトラム症)の特徴が現れるのはいつ?症状やクレーン現象についても解説 」
ASD(自閉スペクトラム症)は、社会的なコミュニケーションと、反復的な行動パターンによって診断されます。しかし、お子さまによって、見られる行動パターンはさまざまです。具体的な特徴が見られる時期と症状を見ていきましょう。
ASD(自閉スペクトラム症)の症状は生後2年目の間に気づかれる
ASD(自閉スペクトラム症)の症状は、典型的には幼児期に気づかれますが、症状のあらわれ方には個人差があるため就学期以降や成人期になってから社会生活において困難さを感じ、診断を受ける場合もあります。ASD(自閉スペクトラム症)は生まれつきの脳機能の障害であるため、教育やしつけが悪いわけではありません。具体的には「対人関係や社会的コミュニケーションの困難」と「特定のものや行動における反復性やこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻さ」などの特性がみられます。
「対人人関係や社会的コミュニケーションの困難」についてよく見られる行動
・人見知りが激しい
・ごっこ遊びなど想像上の遊びを他者とおこなうことができない
・視線を合わせることや身振りでコミュニケーションすることが難しい
「特定のものや行動における反復性やこだわり」についてよく見られる行動
・おもちゃを一列に並べたりものを繰り返し同じ動作をして遊ぶ
・小さな変化に対する苦痛がある
・感覚刺激に対する過敏さや鈍感さがある
「感覚の過敏さまたは鈍麻さ」についてよく見られる行動
・まぶしい光を嫌がる
・ざわざわしている場所を嫌がる
・けがをしてもあまり痛がらない
ASD(自閉スペクトラム症)の子どもに見られがちな「クレーン現象」とは
クレーン現象とは、保護者さまなど他人の手を取って物を指したり、取らせたりしようとする行為のことです。ASD(自閉スペクトラム症)のお子さまは言語的に要求をしたり指さしをすることが苦手なことから、クレーン現象が見られることがあります。
ただし、注意したいのは「クレーン現象があるからといってASD(自閉スペクトラム症)とは言い切れない」ということです。同じ現象は定型発達のお子さまにも見られます。例えば、りんごを取って欲しい場合でも「りんご」という単語をおぼえていなければ意思伝達をすることはできません。幼い子どもの場合は言葉や指さしで伝える前に、保護者さまの手を介して取ろうとする傾向が見られます。
気づきのタイミングはいつ?
ASD(自閉スペクトラム症)の気づきは、多くの場合乳幼児健康診査の機会か、保育所や幼稚園で先生から指摘されるタイミングです。その気づきのタイミングで、地域の専門家とつながり、必要なサポートを一緒に考えていくことが重要です。サポートは、お子さまの成長や保護者さまの状態に併せて様々なサポートを相談してみましょう。
【参考資料】
*書籍
『イラスト図解 発達障害の子どもの心と行動がわかる本』田中康雄/監修、西東社/刊
文責:榎本大貴
監修者:博士(障害科学) 野口晃菜
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