学習障害(LD)とは
発達障害のひとつである学習障害(LD)は主に、読字障害(読みの困難)、書字表出障害(書きの困難)算数障害(算数、推論の困難)の3つに分類されます。「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」という5つの能力の全てに必ず困難があるというわけではなく、一部の能力だけに困難がある場合が多いです。読む能力はあっても書くのが苦手、他の教科は問題ないのに数学だけは理解ができないなど、ある特定分野に偏りが見られます。知的発達に大きな遅れはありません。
学習障害(LD)の特徴
人は誰でも得意不得意があるものですが、LDは得意不得意の差(できるできないの差)が大きく偏りがあります。視覚的情報を処理することが苦手なことも多く、難解な図形問題を回答することは困難な場合があります。読む能力に困難がある読字障害は、学習障害と診断された人の中で1番多く見られる症状であり、別名でディスレクシアと呼びます。欧米では約10~20%の人がこの症状があると言われています。
学習障害は、本格的な学習に入る小学生頃まで判断が難しい障害です。特定分野でできなないことを除けば発達の遅れは見られないため、「頑張ればできる」「努力が足りない」「勉強不足」とやり過ごされることが多いです。また軽度の知的障害や高機能の自閉症と間違われるケースもあります。
学習障害(LD)の子どもによく見られる行動リスト
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文字や文章の意味を理解しながら読むことができない(読字障害)
文章を読ませると非常にたどたどしく、文章の内容(あらすじ)をつかんだりまとめたりすることができない。
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文章を理解できるが、書き写すことが困難(書字表出障害)
鏡文字(反転した文字)になる。自分で書いた文字が読めない。
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数の概念が身につかず、数系列の規則性などが困難
数字の大小や10以下の概念が分からない。繰り上りの計算(短期記憶の欠如)や文章題が解けない。
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位置や日時の認知ができない
「右向け右」という指示が分からない。昨日・明日・明後日を間違えることがある。
※リストはLD(学習障害)の子どもに一般的にみられる行動の一例です。
学習障害(LD)の子どもとの接し方
LDの子どもは特定分野での困難を伴う障害のため、その不得意な部分を見つけ、子どもに合った方法を探り、ゆっくりとサポートする必要があります。LDの子どもの苦手に対するアプローチ例を以下でご紹介します。
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1文章を読むのが苦手
文章を1行ずつゆっくりと指でなぞりながら読む癖をつけていくよう促しましょう。
いきなり長文からはじめると、子どものやる気を損ねてしまう可能性があるので、まずは短い文章からはじめましょう -
2書くことが苦手
なぞり書きから練習し、決まった範囲内で収まるように書くようにしましょう。
慣れてきたら、書き順や漢字のへんやつくりまで意識するよう促してきましょう。 -
3話す(自分の考えを言葉にする)ことが苦手
子どもの興味のある話題を持ち出します。子どもが話しはじめたら、話を遮ることなく耳を傾けるようにし、フォローを入れていくようにしましょう。
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4計算(数字)が苦手
たくさんの問題を解かせるよりも、少ない問題をゆっくりと丁寧に解くようにしましょう。分からない問題は答えを教えるだけでなく、道筋までフォローするようにしましょう。
※リストはLD(学習障害)の子どもに一般的にみられる行動の一例です。
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