放課後等デイサービスの利用料金(利用者負担)はいくらになる?

放課後等デイサービスの利用を検討している方の中には、「利用料金っていくらかかる?」と疑問に思っている方もいると思います。

 

放課後等デイサービスにかかる利用料金は、国や自治体が9割負担し、家庭では1割を負担することが原則となっています。

 

しかし、所得によって上限が決まっていたり、利用料金以外にも費用がかかる場合があるなど状況によって実際に支払う金額は変わってきます。

 

この記事では、放課後等デイサービスの概要や利用料金の考え方、所得ごとに利用料金の例などを紹介します。

放課後等デイサービスの利用料金とは?

放課後等デイサービスの利用料金とは?

障害のある子どもへの福祉サービスとして、放課後等デイサービスがあります。

放課後等デイサービスでは、子どもが学校の授業が終わった後や休日などに事業所へ通って、日常生活で必要な訓練や、学校や家庭と連携した支援を提供しています。

 

放課後等デイサービスの利用料金は、原則国と自治体が9割負担し、家庭では1割を負担することになっています。

また、世帯の所得によっても実際に支払う金額が変わってきますので、このあと順番に説明していきます。

放課後等デイサービスとは?

まず、放課後等デイサービスとは、児童福祉法に基づく障害や障害の可能性のある子どもへの福祉サービスの一つです。

 

対象となるのは小学生から高校生(6歳から18歳)までの就学児で、自治体により「通所受給者証」が発行された場合に利用することができます。

 

通所受給者は、お住いの障害福祉窓口へ申請をおこなって、支援が必要と判断されると発行されます。基本的には障害の診断や障害者手帳の所持は必須ではなく、自治体の判断によって利用の可否が決定されます。

 

対象年齢は6歳から18歳ですが、こちらも自治体の判断によって必要性が認められた場合は20歳まで利用できる場合があります。

 

放課後児童クラブ(学童クラブ)と似ている部分もありますが別の制度となっており、両方のサービスを併用して利用することも可能です。

 

放課後等デイサービスについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

放課後等デイサービスの利用料金の仕組みとは?

放課後等デイサービスの利用料金は、9割を国や自治体が負担し、残りの1割を家庭が負担する形となっています。

この家庭での負担を「利用者負担」と呼んでいて、月ごとにサービスを利用した回数などによって計算されます。

 

ただし、利用者負担には所得に応じて以下の表のようにひと月ごとの上限額が定められています。

 

放課後等デイサービスの利用料金の仕組みとは?

※2023年5月8日時点

 

前年度の年間所得890万までの世帯の場合は、例えば1回1,000円(1割負担分)の放課後等デイサービスを月に5回利用した場合、1,000円×5回で利用者負担は5,000円となります。

 

しかし、負担上限月額の4,600円を上回った分は支払う必要がなく、結果的に利用者負担は「4,600円」です。

 

同様に、生活保護受給世帯や市町村民税非課税世帯の場合は、負担上限月額が0円のため、何度サービスを利用しても利用者負担も「0円」です。

 

ただし、子どもの昼食代や、施設見学などの特別なプログラムの際にかかる交通費などの費用は別途実費で支払う場合があります。

 

また、自治体ごとに負担軽減措置を受けることができる場合がありますので、詳しいことはお住いの自治体の障害福祉窓口などへお問い合わせください。

放課後等デイサービスの利用料金の例

放課後等デイサービスの利用料金の例

放課後等デイサービスの利用料金は、国や自治体が9割を負担するほか、世帯の所得によって負担上限月額が設定されています。

 

そのため、生活保護受給世帯や市町村民税非課税世帯では、利用者負担なく放課後等デイサービスを利用することができます。

 

市町村民税課税世帯では、前年度の所得によって負担上限月額が異なりますので、ここではそれぞれ利用者負担の例を紹介します。

 

ここで紹介する金額はあくまで例なので、詳細を知りたい方はお住いの自治体の障害福祉窓口などでご確認ください。

市町村民税課税世帯(890万まで)

最初に前年度の年間所得が890万円までの市町村民税課税世帯の例を紹介します。

 

この世帯の負担上限月額は4,600円です。そのため、例えば1回1,000円の放課後等デイサービスを月に10回利用したとして、1,000円×10回で10,000円となりますが、実際に支払うのは「4,600円」までになります。

 

もう一つ例えを紹介すると、サービスの利用が月3回だった場合は、1,000円×3回で3000円となり、負担上限月額に達しないため、そのまま「3,000円」が利用者負担となります。

市町村民税課税世帯(890万以上)

次に前年度の年間所得が890万円以上の市町村民税課税世帯の例を紹介します。

 

この世帯の負担上限月額は37,200円です。そのため、先ほどの例と同様に1回1,000円の放課後等デイサービスを月に10回利用すると、1,000円×10回で10,000円となり、負担上限月額に達しないため、「10,000円」が利用者負担になります。

放課後等デイサービスの利用料金のまとめ

放課後等デイサービスの利用料金のまとめ

放課後等デイサービスの利用料金は、原則的に国や自治体が9割負担し、家庭では1割の利用者負担が生じます。

 

ただし、前年度の世帯所得によって、ひと月に支払う金額に上限が設定されており、その金額を超えて支払うことはありません。

 

また、自治体によっては独自に負担軽減措置を受けることができる場合もありますので、詳しく知りたい方は障害福祉窓口などでご確認ください。