「 ADHD(注意欠如多動症)の症状が出はじめるのはいつ? 」
ADHD(注意欠如多動症)とは、不注意(集中力がない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(思いつくと行動してしまう)といった症状が見られる発達障害の一つです。性格によるものと思っていたが、実はADHD(注意欠如多動症)だったということも少なくありません。場合によっては大人になってからはじめて気づく人もいるようです。ADHD(注意欠如多動症)はいつぐらいから症状が出るのでしょうか。
※以前は「注意欠陥・多動性障害」という診断名でしたが、2022年発刊の『DSM-5-TR』では「注意欠如多動症」という診断名になりました。この記事では以下、ADHD(注意欠如多動症)と記載しています。
ADHD(注意欠如多動症)の発症は小児期
ADHD(注意欠如多動症)は「不注意」と「多動性および衝動性」、またはそのいずれかが見られる症状です。脳の先天性機能障害が原因と考えられていますが、具体的にはまだよく分かっていません。
「不注意」とは、下記のような様子が見受けられる状態です。
・勉強や仕事などの活動中に、集中して取り組むことが難しい
・指示に従うことが難しく、活動を最後までやり遂げることが難しい
・見聞きした刺激によって、気が散りやすい
・忘れ物が多かったり、必要なものをなくしてしまったりする
※こうした症状は、多動性および衝動性が影響している場合もあります
また、「多動性および衝動性」は、下記のような様子が見受けられる状態です。
・手足をそわそわ動かしたり叩いたりする
・授業などの席についていることが求められる場面で、席を離れてフラフラ歩き回る
・静かに遊んだり過ごしたりすることが難しい
・同じ場所でじっとしていることが難しい
・しばしばしゃべりすぎる
・他人が話している最中に話し始めてしまう
・何らかの活動において自分の順番を待つことが難しい
・他者を妨害したり邪魔したりする
症状が12歳までの小児期に発症することや、これらの症状によって集団生活や個人の活動が妨げられていることによって診断されます。
最後に
ADHD(注意欠如多動症)のお子さまのサポートに重要なことは困難さに気づいた時点でサポートをすることです。周りの人がその子の特性を知らずに叱ることばかりしてしまうと、関係性が悪化し、さらなる困難な状態を生み出してしまう可能性があります。親子関係を良好に保つためにも、疑問を持たれた場合は一度専門の医療機関で診察を受けてみましょう。
【参考資料】
*書籍
『イラスト図解 発達障害の子どもの心と行動がわかる本』田中康雄/監修、西東社/刊
責:榎本大貴
監修者:博士(障害科学) 野口晃菜
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