「 ADHD(注意欠如多動症)と遺伝との関係性 」
ADHD (注意欠如多動症)とは、不注意、多動性、衝動性などの特性がみられる発達障害の一つです。特性のあらわれ方によって多動・衝動性の傾向が強いタイプ、不注意の傾向が強いタイプ、多動・衝動性と不注意が混在しているタイプなど主に3つに分けられ、これらの症状が12歳になる前に出現します。特性の多くは幼い子どもにみられる特徴と区別することが難しいため、幼児期にADHD(注意欠如多動症)の診断することは難しく、就学期以降に診断されることが多いといわれています。また、個人差はありますが、年齢と共に多動性が弱まるなど、特性のあらわれ方が変化することもあります。発症の原因は遺伝的な要因といわれていますが、いくつかの特定の遺伝子が関連しているとされています。
ADHD(注意欠如多動症)は遺伝する?
ADHD(注意欠如多動症)は「不注意」と「多動性および衝動性」、またはそのいずれかが見られる症状です。脳の先天性機能障害が原因と考えられていますが、具体的にはまだよく分かっていません。
一般人口においては女性より男性に多く、小児期では男児:女児の割合が2:1程度、成人期では6:1程度です。また、女性は男性よりも、主に不注意の特徴を示す傾向があります。
お子さまの困りごとの解決のために
これから出産を考えている方や、現在妊娠中の方、発達障害のお子さまがいらっしゃるご家族は「発達障害は遺伝するのではないか?」と心配になるのかもしれません。しかし、現時点では遺伝との関連性が見られるというだけで、まだ原因は不明です。しかし、現時点でわかっていることは、発達障害の発現は様々な要因が影響し合うため、「家族の遺伝のせいで発達障害が発現した」とは言えません。
発達障害のお子さまとそのご家族にとって大切なことは、どうしたら本人や家族の困りごとが減らせるか、特性を生かしていけるかを考えていくことです。一人ひとりのお子さまの特性は様々な種類があります。お子さまやそのご家族にとってよりよい環境を作るためにも、ご家族が一人で悩みを抱えるのではなく、地域の相談機関や専門家と繋がっていくことが大切です。
LITALICOジュニアでは発達障害のお子さまやそのご家族を支えるためのサービスを行っています。不安を抱えていらっしゃる方はお気軽にお問合せください。
【参考資料】
*書籍
『イラスト図解 発達障害の子どもの心と行動がわかる本』田中康雄/監修、西東社/刊
文責:榎本大貴
監修者:博士(障害科学) 野口晃菜
お子さまの発達にお悩みの方に
LITALICOジュニアはお子さま一人ひとりの得意や苦手を見つけ、それぞれの特性に応じた指導をおこなう教室です。発達障害児支援の専門家が監修する教育プログラムや1万点以上のオリジナル教材でお子さまに最適な指導を提供しています。お子さまの発達や学習について、まずはお気軽にご相談ください。