「 発達障害のあるお子さまの学校・学級選びをする際に確認すべき4つのポイント 」
「うちの子は通常学級がいいでしょうか? それとも特別支援学級がいいでしょうか?」
このようなご質問をいただくことがよくあります。ここでは、お子さまの教育の場を選ぶ際のポイントをお伝えします。
はじめに、教育の場の種類とそれぞれの場所で受けられる支援についてご説明します。
通常学級(普通級)
「通常学級」とは、地域の学校にある大多数の子どもたちが通う学級のことです。1学級に在籍している子どもの数は標準で40名(小1は35名)、全国の平均では28名です。特別支援教育の対象である子どもについては、個別の指導計画が策定され、個々のニーズに応じた支援を受けることができます。例えば支援員の加配や、障害特性に応じた配慮(合理的配慮)として、拡大教科書などの教材を使用したり、補助ツールを使用したりすることができます。
※受けられる支援については学校との合意形成が必要になります。
※「合理的配慮」とは、障害のある人に対し、障害のない人と平等の権利と基本的自由を有するために必要な変更や調整です。例えば読み書き障害のある子どもに対し支援機器を使ったり、読みあげをおこなったりすることは合理的配慮にあたります。
通級指導教室
通級指導教室の対象になると、通常学級に在籍をしながら、週に何時間か別の教室において通常学級で学ぶことが難しい学習内容を学ぶことができます。子どもの状態によって学習内容や通級の時間は異なります。
特別支援学級
通常学校にある特別な学級です。1学級あたりの標準学級人数は8名で、全国の平均では3名です。特別支援学級では、特別支援学校の学習指導要領が適用され、より個々のニーズに応じたカリキュラムを学びます。自治体によって、特別支援学級の種類や数は異なるので、各自治体の教育委員会のホームページをご覧ください。
特別支援学校
特別支援学校は、通常学校とは別の学校です。1学級あたりの標準学級人数は6名で、全国の平均は3名です。特別支援学校では、特別支援学級と同様に、特別支援学校の学習指導要領が基本的には適用され、個々に異なるカリキュラムを学びます。都道府県立と市区町村立の両方があるため、こちらも自治体のホームページをご覧ください。この他にも私立学校やフリースクールが教育の場の選択肢としてあります。
学校・学級を選ぶときのポイント
大切なのは、お子さまが一番学びやすい・過ごしやすい環境を選ぶことです。
下記にそのためにポイントとなることをまとめました。
1.お子さまの得意なことや苦手なこと、そして必要な支援や配慮を整理しましょう。
まず大切なことは、お子さまの実態を把握し、どのような支援や配慮があれば過ごしやすいのか、学びやすいのかを整理しましょう。ご家庭で話し合い、そして通っている幼稚園・保育園や療育施設の職員、医療機関などに聞いてみることにより、お子さまにはどのような支援や配慮が必要か、書き出してみましょう。
2.情報収集をしましょう。
自治体によって通級指導教室、特別支援学級や特別支援学校の種類や数は異なります。また、1学級あたりの人数も異なります。まずは自治体のホームページを見て近くにどのような学級があるのか調べてみましょう。その上で分からないときは、教育委員会に問い合わせてみましょう。同じ自治体に在住している先輩の保護者さまに聞いてみることも、とても有効です。
3.実際に見学に行ってみましょう。
情報収集をした後は、実際にいろいろな学級に見学に行ってみましょう。学校や学級の方針や雰囲気は場所によって異なります。例えば同じ特別支援学級でも場所によってまったく異なる可能性があります。実際に見学をしてみることによって、お子さんに合っているかどうかを見極めましょう。
4.お子さまが学びやすい・過ごしやすい場を選びましょう。
1で書きだした内容を振り返り、お子さまが必要な支援が受けられる場所を選びましょう。お子さまの成長にあたり、在籍学級を変えることもできます。通常学級から特別支援学級、特別支援学級から通常学級、特別支援学級から特別支援学校などに転学することも可能ですので、将来を見据えながら就学場所を選びましょう。
文責:博士(障害科学) 野口晃菜
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