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LITALICOジュニアとは

「 ペアレントトレーニングとは?やり方は?具体例もご紹介 」

ペアレントトレーニングとは

ペアレントトレーニングとは

ペアレントトレーニングとは、知的障害(知的発達症)やASD(自閉スペクトラム症)などの子どもをもつご家族を対象に、1960年代にアメリカで開発されたプログラムです。

当初は、「親は子どもの最良の治療者である」という考え方をもとに、支援機関で取り組んでいる子どもへの療育を家庭でもおこなうことで、療育の効果をアップさせたり、維持させたりすることが目的とされていました。

発声や模倣といった課題を、療育機関と並行し家庭でも同じ課題をおこなうことで、子どもが療育に従事する時間を増やすことができます。現在では知的障害(知的発達症)やASD(自閉スペクトラム症)の他にも、ADHD(注意欠如多動症)など子どもの障害種別に応じたプログラムが開発され、展開されています。

日本では、そもそも子どもの療育が十分に行き渡っていなかった背景から、ご家族の日常生活の困り感を軽減するためのプログラムとして取り入れられ、独自に発展してきたものが多くあります。また、現在では、発達障害だけでなく、不登校や非行を繰り返す子ども、虐待を受けた子ども、里子や養子などに対応したプログラムが開発されるなど広がりを見せています。

ペアレントトレーニングの形式・内容

ここでは、日本で最も実施の多い、グループ形式でのペアレントトレーニングについてご紹介します。実施する機関により形式は異なりますが、1回の講座は1.5 ~2.5時間、5~10回程度の連続講座になっています。

毎回、講義とワークがおこなわれ、講義では障害理解や事例を学び、ワークでは講義内容をご自身のお子さまのケースに当てはめて考えます。そして、学んだことをご自宅でホームワークとして実践し、次回の講義でその感想や難しかった点をグループで共有するというサイクルでプログラムが進みます。

実践して難しかった点は、次回講座でファシリテーターに相談することで、振り返りと改善を加えることができます。また、グループで受講することで、同じ悩みをもつ方との出会いと共感があります。他の家庭でなされている工夫が参考になったりするという声も多いようです。

ペアレントトレーニングの具体例をご紹介

ペアレントトレーニングの受講例をご紹介します。(形式や具体的なポイントはLITALICOジュニアのペアレントトレーニングのものであり、他機関のペアレントトレーニングとは表現の仕方などが異なる場合がありますのでご了承ください。)

Aくんご家族のペアレントトレーニング事例

Aくんご家族のペアレントトレーニング事例

お母さまは、Aくんが靴をはく、手を洗うなどの身辺自立をひとりで最後までおこなうことができないことに焦り、何度いっても同じことの繰り返しになることを悩んでいらっしゃいました。

<Aくんのプロフィール/困りごと>

・5歳

・ASD(自閉スペクトラム症)

・気が散りやすく途中で着替えを中断してしまい、お手伝いが必要

<ペアレントトレーニングで学んだこと>

・ハードルを下げて褒める回数を増やす

・環境を整える

・Aくんが分かりやすいように指示を出す

<ペアレントトレーニングの実践内容>

ハードルを下げて褒める回数を増やす

これまでは最後まで着替えができたら褒めていたところを、「靴に手を伸ばしたら褒める」「自分で靴下を持ってきたら褒める」など、細かくできたことを見つけて褒める関わりを実践しました。

環境を整える
これまで着替え中に気をとられがちだったテレビを、着替えのときは消すようにして集中しやすい環境にしました。

分かりやすい指示の出し方
これまではお母さまが口頭で「着替えるよ!」と声をかけていたのを、残り時間が目で見てわかるタイマーアプリを使うようにしました。

<ペアレントトレーニングを実施した結果>

こうした関わり方の工夫をすることで、Aくんは途中で投げ出すことなく自分で取り組む時間がぐんと増え、最後まで自分で着替えができるようになりました。

お母さまは、Aくんが自分でできることが増えたことを何よりうれしく思い、その後怒ったりイライラしたりすることが減ったそうです。

Bくんご家族のペアレントトレーニング事例

Bくんご家族のペアレントトレーニング事例

Bくんは、弟とゲームをしている最中、思い通りにいかないことがあると、怒ったり泣いたりしてゲームを途中でやめてしまいます。毎日兄弟げんかになることに疲れてしまったというお母さま。

<Bくんのプロフィール/困りごと>

・小学3年生

・思い通りにいかないと怒ったり泣いたりしてゲームを中断してしまう

<ペアレントトレーニングで学んだこと>

・困った行動をしていないときを褒める

・困った行動の代わりの行動を設定し、サポートする

<ペアレントトレーニングの実践内容>

困った行動をしていないときを褒める
兄弟同士でけんかせず仲良く遊んでいるときは「二人で仲良く遊べていてえらいね」とけんかしていないときに積極的に褒めるようにしました。

困った行動の代わりの行動を設定し、サポートする
最初は代わりの行動として「我慢する」という行動を設定していましたが、我慢することがお子さまには難しい様子があり、なかなかうまくいきませんでした。

そこで、今のお子さまに無理なくできることにしましょう、というファシリテーターのアドバイスのもと、「イライラしたときは、ゲームを1回やめて休憩して戻ってくる」というルールを決め、ゲームをする前にそのルールを紙に書いて一緒に確認することにしました。

<ペアレントトレーニングを実践した結果>
「けんかをしていないことを褒める」という関わりが功を奏し、そもそもけんかが起こらなくなったため、休憩を促す必要もありませんでした、と笑顔でご報告いただきました。

現在はたまにルールを確認し、楽しく遊べているときに褒める関わりは続けられているそうです。

【満足度97.7点】LITALICOジュニアのペアレントトレーニング

「何度叱っても同じことを繰り返す」「子供が言うことを聞いてくれない」など子育てをしているとさまざまな悩みがあると思います。ペアレントトレーニングでは、このようなお悩みを解決する子育てのコツや工夫を学び、家庭で実践できるよう保護者さまをサポートしていくプログラムです。

LITALICOジュニアのペアレントトレーニングは、ご家族ごとに受講できる、オーダーメイドの講座スタイルです。一組ごとにご家族だけで受講できるため、個別性の高い情報も、安心してお話いただき、ご家庭での関わり方も、そのご家庭に合わせてご提案させていただきます。

LITALICOジュニアのペアレントトレーニングについてもっと詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。

今までよりもご家族が笑顔でいる時間を増やす手助けができればと思いますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

監修者:博士(障害科学) 野口晃菜

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