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「 心理検査の種類と目的とは? 発達障害の診断にも? 」

  • 心理検査

心理検査とは、広く知能水準や発達水準、パーソナリティを評価するための検査をさします。
病院などで、その後の支援計画・治療計画を立てるために集める情報の1つとして実施されます。
検査の種類は、知能検査(ビネー式、WAIS,WISC),発達検査(新版K式など)、人格検査(質問紙法=MMPI、Y-G、CMIなどや作業検査法、投影法=ロールシャッハテスト、SCT、TATなど)があります。

心理検査の種類と特徴とは?

知能検査・発達検査によく使われるものとして以下の3種類があります。

・WISC-Ⅳ 知能検査
適用年齢:5歳0ヶ月~16歳11ヶ月
WISC-Ⅳは1998年にアメリカで発売以来使用されていたWISC-IIIの改訂版です。全15の下位検査(基本検査:10、補助検査:5)で構成されており、10の基本検査を実施することで、5つの合成得点(全検査IQ、4つの指標得点:言語理解指標、知覚推理指標、ワーキングメモリー指標、処理速度指標)が算出されます。このように、全般的なIQだけでなく、それらの合成得点から個人内での能力のばらつきがわかりやすいということがWISCの特徴です。これにより、お子さまの支援が必要な領域を明らかにしたり、強みを把握することができます。これは、支援計画を立てるときや、日々の生活をサポートする方法を考える際に活用することができます。

・田中ビネー知能検査V
適用年齢:2歳~成人
心理学者の田中寛一によって、1947年に出版された日本のビネー式知能検査の一種で、2005年に改訂版田中ビネー知能検査Vとして出版されました。2歳~14歳は知能指数(IQ)と精神年齢(MA)が算出されます。14歳以上は偏差知能指数(DIQ)で算出し、「結晶性領域」「流動性領域」「記憶領域」「論理推理領域」の4領域で表わせられます。また、1歳以下の発達を捉える指標が作成されていることが特徴です。
特徴として、問題が年齢尺度によって構成されているため、通常の発達水準と比較することが容易になっている点があげられます。また、各問題は、「思考」「言語」「記憶」「数量」「知覚」などの問題で構成され、子どもが本来の力を発揮しやすいよう、日常場面に即した問題で構成されています。また、問題の通過・不通過以外にも、検査時の行動観察の記録を記入するアセスメントシートがあり、点数からよみとりにくい子どもの様子も把握できるようになっています。

・新版K式発達検査
適用年齢:0歳~成人
1951年に京都市児童院で考案され、2002年に現在のものに改定されました。発達の遅れや偏りを多面的に評価するもので、検査の結果は発達障害の診断や療育などの場で活用されています。新版K式発達検査では、発達水準を年齢で示した発達年齢(Developmental Age:DA)と実際の年齢の比である発達指数(Developmental Quotient:DQ)によって表され、「姿勢・運動」(P-M)、「認知・適応」(C-A)、「言語・社会」(L-S)の3領域から評価します。子どもにとって遊びと感じられるような課題で構成されており、子どもの自然な行動が観察できることが特徴で、机に向かって集中することが難しい子どもにも実施することが可能です。検査者は検査結果だけでなく、言語反応、感情、動作、情緒などの反応も記録し、総合的に判断します。

人格検査とは

心理検査には知能検査・発達検査以外に人格検査というものもあり、こちらも大きくわけて3つの種類があります。

・質問紙法
あらかじめ設定された様々な質問項目に「はい」「いいえ」「どちらともいえない」など段階を分けて答えていく方法です。
Y-G性格検査、CMI健康調査表、顕在性不安検査、自己評価式よくうつ尺度、MMPI=ミネソタ多面人格目録などがあります。

・作業検査法
一定の作業をおこなうことで、その作業内容を分析することを通じて人格の特性を理解する方法です。クレペリン精神作業検査法、ベンダー・ゲシュタルトテストなどがあります。

・投影法
様々な捉え方ができるような模様や絵、文章などに自由に答えてもらうことによって、その人の心理パーソナリティを探る方法です。書き出しの言葉に続けて文章を書くSCT、絵を見ながら物語を作るTAT、インクのシミが何に見えるかを答えるロールシャッハテストなどがあります。

心理検査の実施施設

知能検査は、公的病院や民間病院などで受けることができます。児童発達支援センターなどの機関で受けることもでき、LITALICOジュニアでも一般的な知能検査・発達検査をおこなっています。

知能検査の受け方、費用は、検査内容や病院によって異なりますので、受診する病院に問い合わせる必要があります。
例えばWAIS・WISCの場合、総合病院など公的病院で検査を受ける場合は、保険内診療となります。診断書もしくは報告書を書いてもらう場合には、別途料金がかかります。こちらの料金は病院ごとに異なります。
一方、個人のクリニックなど民間病院で検査を受ける場合には、自費での診療となります。こちらの料金設定は各病院ごとに設定されていますが、検査費用および報告書費用を含めて全額自己負担となります。

LTIALICOジュニアではWISC-Ⅳをはじめとする知能検査・発達検査をおこなっています。
心理検査の結果を1つの手がかりとして、得意なスキルや課題となることなどを導き出し、お子さまに適した関わり方や、より伸ばすことができるといいポイントなどを具体的にご提案します。

文責:井田美沙子
監修者:博士(障害科学) 野口晃菜

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