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発達障害と早期療育

今の社会は障害のない多数派(マジョリティ)の人たち用に作られており、障害のない子どもはその中で自然に必要なスキルを学ぶことができますが、発達障害のある子どもは、マジョリティ仕様の社会の中では、その障害特性により、自然にスキルを学ぶことが難しい傾向があります。こうした子ども達に対して、早い段階から支援を行う「早期療育」が大切だと言われています。

早期療育とは

療育は、もともとは治療的アプローチと教育的アプローチを合わせた概念でしたが、近年は児童発達支援や放課後等デイサービスなど福祉事業所などにおける子どもの自立を促すための支援を総称して「療育」と呼ばれるようになっています。

発達障害は脳の機能障害と考えられていますが、その原因は詳しくは分かっていません。
障害特性自体を治療することは難しいものの、発達障害がある子どもに対して早期からその子に必要な支援を開始することで、いじめ、不登校、抑うつなど二次的な問題を予防することができると言われています。
また、その子にあった方法で必要なスキルを早期に獲得することで、社会生活における困難さが起こりにくくなります。

早期療育の試みには、
「行動的介入」(ABA(応用行動分析)を用いた介入) 自然な文脈の中でコミュニケーションスキルを発展させる「関係発達的介入」(DSP等) 家族や地域なども含めて共に支援をしていく「包括的介入」(TEACCH等) などをはじめとした複数のアプローチがあります。

早期療育のポイント

さまざまな手法がありますが、早期療育を行う上で共通のポイントの例を以下に示します。

  • スモールステップでスキルを学習すること スモールステップでスキルを学習すること
  • 見通しを持つなど、安心して過ごせる生活環境をつくること 見通しを持つなど、安心して過ごせる生活環境をつくること
  • 日常生活の中で学んだスキルを使用する機会をつくること 日常生活の中で学んだスキルを使用する機会をつくること

例えば、絵カードを使いスケジュールを見える化し見通しを持ちやすくすることで、子どもが次に何をしたら良いのかがわかり、安心して自発的に行動できるように支援します。

また、スムーズな対人関係を築くために必要なソーシャルスキルについても、ロールプレイなどの練習を通して獲得を目指していきます。小集団において、ルールを明確化した遊びを通してスモールステップで支援します。

こうした早期療育においては、保護者もチームの一員として支援に主体的に加わることで、生活のあらゆる場面で療育的な支援・関りが可能になり、その効果を最大化できると言われています。

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文責:牟田暁子 / 監修:野口晃菜

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