小学2年生の課題と指導事例
自分から取り組む姿勢をサポート。
自信を培いながら、つまづきポイントを丁寧に学びます。
2年生になると、意欲・興味を持ち、自発的な行動を促されることが増えます。新しいコミュニティや経験への興味関心が芽生えはじめ、自分や家族、近しい友だちから、さらに外側へと広がっていきます。
友だちとの関係性で、気持ちに変化が出やすくなったり、意欲の低下により学習態度や生活態度に異変が出やすくなるなど、学力の低下を心配される学年でもあります。お子さまの「できた!」を積み上げ自信を培いながら、つまづきポイントを丁寧に学んでいきます。
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LITALICOジュニアでの課題別指導例
お子さまは一人ひとりつまづくポイントや得意な学び方がことなります。
お子さまに合わせた方法で指導プランをご提案しています。
課題1
友だちとの関わりが苦手
他人の感情を読み取るのが苦手で、相手が嫌がっていることがわからず、不快な思いにさせてしまうことがある。友だちともケンカになってしまうことが多いようです。
指導事例
パーソナルコースの指導事例
まずは自分と相手はそれぞれ違った感情を抱くものということを知ることから始めます。その後、ロールプレイなどで実際のやりとりの仕方を練習し、学校や家でも実践できるようにしていきます。
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- マンツーマン指導/毎週
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具体的には、表情カードのイラストや写真を使って、どんな気持ちなのかを当てるゲームをおこなったり、出来事カードを見て、自分だったらどんな気持ちになるか、相手はどんな気持ちになるかを、考えていく練習をおこないます。日常場面でよくある場面を取り扱うことで、実際の生活でも、気持ちを読み取ることをしやすくします。
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- 家庭での学習
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ご家庭では、まず、「お母さんの表情見て」「今、お母さん、悲しい気持ちだよ」というように、実物の表情を見せながら、お子さまに気持ちを伝える関わりを増やしていただきます。 また、お子さまに鏡を見せて、「今、嬉しい顔してるね」と、お子さまご自身の表情や気持ちを覚えていく関わりをおこなっていただきます。「どんな気持ちか?」を考える難易度ではなく、まずは、家族や自分の表情や気持ちをセットで覚えていく練習をしていきます。
ポイント
表情の読み取りが苦手なお子さまは、臨機応変に相手を捉えていくことが難しいので、たくさんのバリエーションの表情と気持ちをセットで覚えていく練習をして、捉え方のバリエーションを増やしていきます。
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課題2
授業についていけない
算数の授業についていけないようです。
また友だちとのトラブルも増えてきていて心配です。
指導事例
パーソナルコースの指導事例
つまづきポイントを探り、場面に応じたふるまいを学びます。
単元をさかのぼり、つまづいているポイントから順を追って学びます。
友だちとのトラブルは何気ない一言が相手を怒らせてしまうことがわかったので、相手の立場を考え、場面に応じたコミュニケーションをとれるようにしていきます。
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- マンツーマン指導/毎週
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まずは、お子さまのつまづきポイントを、発見することからはじめます。同時に、お子さまの得意な学び方も分析をしていきます。出題されている問題を、時系列で一つひとつ順序だてて学んでいくことが得意なお子さまがいます。その場合、計算手順の一部が省略されて説明を受けていたりすると、途端に答えが導けなくなります。教える側は、「説明しなくてもニュアンスでわかるものだ」と自然に判断して省略してしまう場合もあるため、時系列で順序だてて学ぶお子さまは一気に分からなくなってしまいます。よって、式と回答の全体像を見せるでのはなく、時系列で、「まずはこれ、次はこれ、そしたらこれ」というように、細かい手順でお子さまに説明することで、理解度がかなり上がることも多いです。
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- 家庭での学習
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マンツーマン指導に記載した学び方の特徴のあるお子さまの場合は、日常場面でも、「部屋の片づけしなさい!」という声かけではなく、
①本を本棚に入れる
②ごみを拾ってゴミ箱に入れる
③掃除機をかける
というように、一つずつ説明して動きやすくする工夫をしていただきます。全体的な生活のしやすさに繋がります。
学習面においては、お子さまへの説明の仕方は、お子さまの学びやすさに合わせて、おこなっていただきます。途中途中で、「ノートに計算問題に記入できたね!すごいじゃん!」とこまめに褒めていただく関わりも重要になります。
ポイント
学び方には大きく2種類あります。
時系列で一つひとつ順序だててスモールステップで解いていく方法が学びやすいお子さまと、「文章題+計算式+答え」をまずはひっくるめて全体で捉えて理解してから、計算問題にチャレンジしやすいお子さまもいます。
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課題3
文章問題がなかなか解けない
足し算引き算の計算はできるのに、文章問題がなかなか解けないようで・・・
指導事例
パーソナルコースの指導事例
苦手意識が芽生えているため、算数への嫌悪感をなくせるように、まずはお子さまのできることからスタートします。「できた」を積み重ねてから次のステップとして「合わせる」「なくなる」などの文章で表現された事象と、+・-の記号の相関関係を、イラストを使った視覚的なサポートとしてカードを用いて学びます。
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- マンツーマン指導/毎週
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最初は、お子さまが解ける難易度の数式のプリント問題を解き「できる」という成功体験からスタートします。
次に文章問題の「合わせて」「みんなで」「のこりは」などの表現と+・-の記号の相関関係を「+-カード」を使って学びます。記号への置き換えに慣れてきたら、「+-カード」を横に置きながら文章問題にチャレンジします。
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- 家庭での学習
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「このあめ玉の袋に8個あめが入っていて、そこからお母さんにあめを2こ上げると、○○ちゃんの分、あめだま何個になる?」など、気軽にできる練習を取り入れていただきます。その際、できているところまでを具体的に褒め、最後まで完了できるように手伝っていただき、成功体験で終われるようにサポートしていただきます。
ポイント
文章題で使用する言葉の概念は捉えにくく、頭の中だけでは理解できないお子さまも多いです。
日常場面の中で、「合わせて」「残りは」「一人なんこずつ」「全部で何こ」などを、食事場面等で積極的に活用して、体感的に学ぶ機会を多くすると、習得も早いです。
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まとめ
勉強や友だちとの関わり方など、環境が大きく変わる小学校生活。特に1・2年生のうちはうまく馴染めないなどの心配もありますが、不安要素を明確にしていくことで解決できることがたくさんあります。
発達障害のあるお子さまの場合は状況から判断することが難しいことも多く、わからない・理解できないといった理由から席を立って教室をうろうろするなどの行動に移ることがあります。また、先生から注意されることを注目されていると誤解して、行動がエスカレートすることもあります。
大人はつい起こしてしまった結果にばかり目がいってしまい、すぐに注意してしまいがちですが、原因から改善していかなければ解決にはつながりにくいものです。
根本的な原因を見極め、その行動に移りそうな手前でお子さまが適切な判断をしやすいような環境設定をしていきましょう。そのためには、禁止よりもお子さまに自信がつく言葉がけを心がけ、できることの幅を広げてあげることが大切となります。そして、できるようになったこと、今できていることに十分目を向けて、褒めてあげてください。
また、学校の先生と情報を共有することも快適な学校生活を送る手助けとなるので、少しでも気になることがあれば相談し、お子さまの特性や効果的な手法なども伝えていきましょう。
小学2年生の発達の目安
・時計を見て時刻がわかる
・かけ算九九の文章題ができる
・出来事や感想などを書くことができる
・自分の役割や仕事を認識し、役割を果たす
・ことばの省略があっても意図を理解する