パニック時には30分間泣き続けることも
2023年05月13日公開 | LITALICOジュニア編集部
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急な予定の変更や思い通りにならない場面でパニックになってしまうことがあったというAくん。今は、落ち着いて自分の気持ちを言葉で伝えることができる場面が増えたそう。保護者さまに、LITALICOジュニアを利用されてからこれまでの変化について伺いました。
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目次
プロフィール
Mさま・Aくん
年齢:9歳
ジュニア歴:1年6ヶ月
困りごと
- 言葉の遅れがある
- 感情のコントロールが難しい
- 突発的な行動をとる
通ってからの変化
- 言葉で気持ちを伝えることができるようになった
- 感情をコントロールできる場面が増えた
- 教室に入って活動できるようになった
言葉は、おうむ返し。最初は教室に入ることも難しかった
どのような経緯でLITALICOジュニアを利用されることになったのでしょうか。
幼少期から母親を求めるような言動はあまりなくて、話す言葉はおうむ返しが多かったです。あまり落ち着きもありませんでした。
小学校に入学してからは、授業中に椅子に座っていられなかったり、教室を飛び出してしまうこともあったんです。小学校2年生のとき、担任の先生から療育を受けることをすすめられたことがきっかけで、通えるところを探し始めました。
いくつかの療育教室に問い合わせたのですが、どこも定員いっぱいですぐに入会できる状況ではありませんでした。そんな中、たまたまLITALICOジュニアに空きがあったので、見学に行くことにしたんです。
息子が楽しんでいる様子もあり、入塾することを決めました。最初は大人しくしていたのですが、段々と自分の素を出している感じでしたね。
LITALICOジュニアに通い始めてからのAくんは、どのような様子でしたか?
通い始めの頃は教室に入ることが難しかったり、思い通りにならないと物を投げたりすることもありました。一度パニックになったら、30分くらい泣き続けることもあったんです。
でも、遊びを取り入れながら学べる場面をたくさん用意してくれたので、毎回LITALICOジュニアに行くことを楽しみにしていました。
2〜3回通ったくらいの頃には、座っていられる時間が少しずつ長くなったり、「やりたい」と言って自分の気持ちを言葉で伝えたりできることが増えたなと感じていました。
指導の中では、思い通りにならないときに相手にどう伝えたらいいのかを教えてくれて、それを実践する場面をつくってくれました。トレーニングを繰り返すことで、落ち着いて「やめて」と言えるようになったんです。
特に印象に残っていることはありますか?
授業が終わった後は、先生から指導の様子をお話ししてくれる時間があるのですが、その間息子が待っていることが難しいので、いつも翌日に電話をかけてくれました。
電話では、先生から指導の様子を聞くだけではなくて、学校の出来事や困りごとを相談させてもらっていました。すると、その困りごとにアプローチできるような内容を次の授業に取り入れてくれるんです。こちらの悩みを聞いて対応してもらえるのはありがたかったなと思います。
困った状況に直面しても、親としてはどうしたらいいのかわからない場面が多くあります。LITALICOジュニアの先生たちは、アプローチの方法を何個も準備してくれて、そのおかげで落ち着いて過ごせる場面が増えていったなと思います。
「ブランコ乗りたい」気持ちを言葉で伝えることができるように
日常生活の中で、Aくんの成長を感じる場面はありましたか?
LITALICOジュニアに通い始めてから1ヶ月もたたないとき、息子と一緒に公園に行きました。すると「ブランコ、乗りたい」と言うんです。その言葉を聞いたとき、驚きのあまり一瞬体が止まりました。それまでは言葉を発することはあっても、一単語かおうむ返しがほとんどだったんです。
他にも、自分の気持ちを言葉で伝えることができる場面が増えたと感じます。感情のコントロールはまだ難しいところがありますが、頑張って少しでも抑えようとしてますね。
学校でのAくんはどのような様子なのでしょうか。
元々は特別支援学級に在籍していたのですが、担任の先生との面談を繰り返す中で特別支援学校の方が息子にとっては良いのではないかと思い、小学校4年生の4月に転学しました。
今の環境の方が合っていることも影響してか、学校の先生からは「切り替えが上手くなった」「パニックになることがすごく減っている」と言われますね。
子どもの成長をともに支えてくれる場所
LITALICOジュニアを利用し始めてからの1年半を振り返って、Aくんの変化をどのように感じますか?
一番成長したと感じるのは、人とのコミュニケーションの取り方ですね。小さい頃は、褒めても「何を言っているんだろう?」という感じで、無表情でした。
それが、LITALICOジュニアに通い始めてからは、褒められていることを理解できるようになりました。同時に、怒られていることも理解しています。相手の言葉や表情から、今その人がどんな状況なのかがわかるようになってきたんだと思います。
ご家族にとって、LITALICOジュニアはどんな場所でしょうか。
息子にとっては、「遊びながらちょっと学べる場所」みたいな感じではないかなと思います。ゲームをして楽しみながら、気持ちを落ち着ける方法を学ぶことができるので。
私たちは、「成長を支えてくれる場所」だと思っています。息子と一緒に過ごす中で、言葉で自分の気持ちや希望を伝えてくれる場面は増えたなと感じます。学校から帰ってきてから、「今日は何をしたの?」と聞くと、ちゃんと答えてくれるようにもなりました。
協力者を増やして、いろんな人の視点で子どもを育てていく
Aくんには、これからどんな風に成長していってほしいですか?
「何かが飛び抜けてできていなくてもいい。普通でいいんだよ」ということは、ずっと息子に言ってきました。それは今も変わりません。
もう一つは、自分の身の安全を守って生活できるようになってほしいと思っています。思い立ったらすぐに行動に移してしまったり、突発的に教室を飛び出してしまったりすることは、今も時々あります。頭では危険性をわかっていても、つい体が動いてしまうんですよね。安全性を確かめて行動できるようになってほしいというのが、一番の望みです。
同じように、お子さまについてお悩みの保護者の方もおられると思います。そのような方へ、メッセージをいただけますか。
どうしても親だけでは子育てに力が入りすぎてしまうので、まずは協力者を見つけることが大切だと思っています。教室に通うことは、親以外の人の目を増やすための選択肢の一つです。
LITALICOジュニアは子どものことを客観的に見て、落ち着いて的確なアプローチを考えてくれる場所だと感じます。そんな場所があると、親としても「余裕を持って、一歩一歩進んでいこう」と思えるのではないかなと思います。
Tさん、ありがとうございました!
Aくんの目標の変化
LITALICOジュニアのパーソナルコースでは、お子さま一人ひとりに合わせた個別支援計画(IEP)をたてています。
通常は9ヶ月ごとにIEPを作成しますが、Aくんは予定よりはやく目標を達成していくことができたので、都度目標を見直しIEPを更新しました。
LITALICOジュニアに毎週通ううちにできることが増え、目標もどんどんレベルアップしていることがわかります。
通所開始時の目標
- 先生に聞かれて、嫌なときに「やりたくない」と言葉で拒否を伝えられる
- 決められた活動に参加する
通所をはじめたばかりの頃は、嫌なときは怒って人を叩くことで拒否を表現していましたが、先生に聞かれたら「やりたくない」と言葉で伝えられるように練習しました。
また、見通しがない状態で活動に参加することが難しく教室に入れない状態でした。そこで、まずはLITALICOで決められた活動に参加することを目標にしました。活動に参加するために、前日に「明日はLITALICOで○○をやる」という見通しを、LITALICOで使っているものを同じ絵カードで事前に伝えておき、LITALICOで○○するんだなという理解をしてもらった上で教室にきてもらいました。
通所から3ヶ月後の目標
- 嫌なときに「やめて」と言葉で拒否を伝えられる
- タイマーがなるまで椅子に座る
先生に聞かれたら言葉で「やりたくない」と伝えるという目標が達成できたので、今度は先生に聞かれなくても自分から言葉で嫌なことを伝えられるように練習しました。
事前に見通しを伝えることでLITALICOでの活動に参加できるようになってきました。そこでより長い時間活動に参加できるように、「タイマーが鳴るまで○○するよ」と伝えて椅子に座って活動することを目指しました。
通所から6ヶ月後の目標
- 「ちがう」「まだやりたい」という
- 手持ち無沙汰になったときに、事前に決めた課題に取り組んで待つことができる
言葉で拒否を伝えられるようになってきたので、おわりの時間になったけど、もっとやりたいときには「やりたい」など、言葉で意思を伝えるレパートリーを増やしていきました。
決められた活動にも参加できるようになってきましたが、手持ち無沙汰になると席をたつ様子がみられました。そこで、課題が終わったら事前に取り組むことを決めておき、席に座ってまつ練習をしました。
通所から9ヶ月後の目標
- 手を挙げて先生を呼び、意思を伝える
- 歩いて教室間を移動する
通所9ヶ月がたった頃には、そばに先生がいるときには、言葉で拒否や要求を伝えることができるようになってきました。
ただ、先生が遠くにいるときは、言葉で意思を伝えることが難しい状態でした。そこで、手を挙げて先生を呼ぶことを練習しました。
教室の中では座って活動に取り組むことができるようになったAくんの次の課題は、教室間の移動でした。走りたくなってしまう様子があったので、手をつないで「歩くだね」と声をかけながら移動したり、歩いている絵カードを見せながら、歩いて移動する練習をしました。
通所から12ヶ月後の目標
- 何が嫌?と聞かれて「~が嫌だった」と具体的に嫌だったことを伝える
- 思い通りにいかないときに選択肢から他の方法を選ぶ
拒否を言葉で表現することができるようになったので、具体的に何が嫌だったかもあわせて伝える練習をしました。
言葉で意思を表現することができるようになり癇癪なる様子はほとんど見られなくなりました。次のステップとして、見通し通りにいかないと、活動に参加できなくなってしまうことがあったので、たとえば「緑色が使いたいけど、ないから赤色にする」というように見通し通りにいかなくても他の方法を選べるように練習をしました。
現在は、自分の気持ちを言葉で伝えることができるようになり、特別支援学校で落ち着いて授業に参加しています!
先生からのコメント
週に1回のFBの時間では、お母さまと一緒にたくさんの作戦会議をさせていただきました。
授業や日々のご様子に良い変化があった際には、「できましたね!」と一緒に喜んでいただけることをとても楽しみにしていました。
LITALICOジュニアに通い続けてくださる中で、教室に入って決められた場所で活動ができるようになりました。そして、はさみを使うときに少し線からずれてしまっても、落ち着いて対処できるようになりました。例えば、「もう一枚ください」と言ったり、「テープください」と言って、間違えて切ってしまったところに貼ってもう一度切り直したり。
ここまで本当に様々なことができるようになったAくんですが、ご本人の頑張りだけでなく、LITALICOで練習したことを学校やお家にもすぐに取り入れてくださり、いつでもAくんを応援してくれているご両親の存在がとても大きいと感じています。
実はAくん、たくさんの強みを持っている子なんですよね。目で見たものを理解することが得意だったり、パターンで覚えるのが得意だったり。記憶力がすごくいいんです。数字も大好きなので、好きなことをたくさんやりながら得意を伸ばして、これからも楽しく過ごしていってほしいなと思います。