加配とは?支援内容や条件などを解説します

「加配」という言葉をご存じでしょうか?

 

保護者の中には、子どもを保育園・幼稚園に通わせるために情報収集をする中で「加配」という言葉を初めて知った、という方もいるかと思います。

 

この記事では、「加配」の意味や制度、支援内容、加配保育士(加配の先生)をつけてもらうための条件などについてわかりやすく解説します。

加配とは?

加配とは?

加配とは、保育園や幼稚園において、障害のある子どもや集団生活を送るにあたって困りごとを抱えている子どもに対し、サポートや援助ができるよう、通常の職員数に加えて先生を配置することを指します。

 

これらの制度のことを「加配制度」と呼びます。

 

みずほ情報総研の研究によると、加配制度は保育所が独自に実施しているケースが全体の2割、保護者の申請により実施されるケースが全体の4割見られます。

 

保護者からの申し出により加配制度を実施する保育園は、申し出があった時点で加配保育士(加配の先生)を配置したり、環境の整備、補助金申請などをおこない準備を整えたりします。

国がおこなう加配制度への支援

国では、加配制度を実施している施設に向けて、さまざまな支援をおこなっています。

 

加配制度を支援する補助金制度「療育支援加算」や、障害のある子どもを受け入れる特定地域型保育事業所への補助金制度「障害児保育加算」、保育士のキャリアアップを支援する「保育士等キャリアアップ研修」など、充実した支援制度が整っています。

加配制度のニーズは高まっている

厚生労働省の調査によると、2020年の時点で保育所に通う障害のある子どもの数は79,260人存在し、その数は年々増加しています。

 

それに伴い、障害のある子どもを受け入れる保育園の数も増えており、2020年の時点で19,965か所存在します。

 

このような背景からも、今後さらに加配制度のニーズが高まることが予想できるでしょう。

加配保育士(加配の先生)とは?

加配保育士(加配の先生)とは?

ここでは、加配保育士(加配の先生)がおこなう支援内容や配置基準について解説します。

支援内容

加配保育士(加配の先生)は、個別計画を作成し、子ども一人ひとりに合わせた支援を実施しています。

 

また、自治体にもよりますが、発達支援に詳しい専門家が巡回していたり、専門家の助言やアドバイスを基に支援をおこなったりすることが多いです。

 

例えば、以下のような支援内容があります。

 

身辺自立の支援

食事をする時に正しくスプーンやフォークを扱えなかったり、衣服の着脱が思うようにできなかったりしたときに、スムーズに動けるようサポートをおこないます。その他トイレや手洗いなど、生活に関わる基本的な動作を自分でできるよう支援していきます。

 

集団生活における支援

保育園では、複数の園児と共に集団生活を送ることになるため、他の子どもとのコミュニケーションが発生します。中には、友達とうまく遊ぶことができずトラブルになってしまったり、大人数で過ごすことに苦手意識を持ったりする子どもがいます。

 

そこで、加配保育士(加配の先生)が介入し支援をおこなうことで、友達とのコミュニケーションの取り方を覚えたり、少しずつ集団参加に慣れたりすることがあります。

 

保護者のサポート

加配保育士(加配の先生)は子どもへの支援だけでなく、保護者の子育てに関する相談を受けたり、悩みに対してアドバイスをしたりします。担任の先生や他の加配保育士(加配の先生)とも連携を取りながら、保育園全体で子どもと保護者のサポートをおこないます。

 

何か子どもについて気になることがあれば、まずは担任の先生に相談をしてみましょう。

加配保育士(加配の先生)の配置基準

加配保育士(加配の先生)の配置基準について、具体的な基準は設けられていません。

 

配置基準は自治体によって異なっており、みずほ情報総研の研究によると「障害の程度を問わず一律の配置基準を設けている」が全体の3割弱、「障害の程度により基準が異なる」が2割強、「具体的な基準はない」が最も多い4割強という結果となっています。

 

障害の程度を問わずに一律の配置基準を設けている自治体では、「障害のある子ども3人に当たり保育士1人」「障害のある子ども1人に当たり保育士1人」「障害のある子ども2人に当たり保育士1人」という基準を設けている割合が多いようです。

加配保育士(加配の先生)をつけてもらうには?

加配保育士(加配の先生)をつけてもらうには?

加配保育士(加配の先生)をつけてもらうには、公立・私立問わず保護者による申請が必要です。

 

保育園側は、申請を受けてから加配保育士(加配の先生)の手続きや整備をする必要があるため、入園前の段階で保育園に相談するようにしましょう。

 

また、入園し園生活を過ごす中で子どもの発達の遅れに気がついたり、担任の先生から子どもの発達について指摘があったりすることもあると思います。その場合は、入園後に加配保育士(加配の先生)をつけてもらうよう申請することも可能です。

申請方法は自治体によって異なるため、お住まいの自治体に問い合わせて確認してみてください。

 

また、「グレーゾーンの子どもにも加配保育士(加配の先生)はつくのか?」と、気になる保護者もいるかと思います。グレーゾーンの子どもへの対応についても自治体によって異なるため、詳しく知りたい方は、直接お住まいの自治体に問い合わせてみてください。

発達が気になるお子様と保護者の方へ

LITALICOジュニアでは、子ども一人ひとりのニーズや特性に合わせて「全てのお子さまに、必ず最適な学習方法がある」という考えを基にサポートをおこないます。

 

発達障害児支援の専門家や、大学教授監修による専門性の高いプログラムが用意されている上、利用者8000名以上と多くの利用実績を通して培ったノウハウが備わっています。

 

保護者の方へのサポート環境も充実しているので、子どもの発達や成長が気になる方は、ぜひ一度気軽にお問い合わせください。

加配についてまとめ

加配についてまとめ

加配とは、保育園や幼稚園において、障害のある子どもや集団生活を送るにあたって困りごとを抱えている子どもに対し、サポートや援助ができるよう、通常の職員数に加えて配置することを指します。

 

加配保育士(加配の先生)をつけることで、食事やトイレなどの身辺自立の支援をしてもらったり、他の園児とスムーズにコミュニケーションができるよう介入してもらったりと、子どもが抱える困りごとなどについてサポートを受けられます。

 

加配保育士(加配の先生)をつけるには、保護者による申請が必要です。

 

詳しい申請方法や基準は自治体によって異なるので、お住まいの自治体に問い合わせるようにしてください。