「赤ちゃんは泣くもの」とわかってはいても、赤ちゃんの夜泣きが続いている場合は保護者の方も心身共に疲労してしまいます。
泣いている原因がわからなかったり、「泣き声が近所に迷惑なのでは」と心配になったりと、夜泣きについて悩んでいる保護者の方も多いかもしれません。
そこでこの記事では、赤ちゃんの夜泣きはいつからいつまで続くのか、また夜泣きの原因や対策について説明します。夜泣きなどの子育てについて悩んだときの相談先も紹介していますので、参考にしてください。
夜泣きとは?
「夜泣き」は明確な定義がある言葉ではありませんが、一般には、乳幼児期の赤ちゃんが夜に起きて泣くことを指して使われることが多いようです。
まだ言葉を話さない時期の赤ちゃんにとって、泣くことはコミュニケーション手段の一つです。
泣くことで空腹やおむつが汚れたことの不快感などを伝えており、泣くこと自体は悪いことではありません。
夜泣きは赤ちゃんの成長過程で起こる現象であり、多くの赤ちゃんにみられるとされています。
しかし、赤ちゃんが夜中に何度も目を覚まして泣くことが長期間続くと、心身の疲れが溜まってつらくなることもあるでしょう。
そこでこの章では、一般に赤ちゃんは夜泣きをいつからいつまでするとされているのか、その目安について説明します。
夜泣きはいつからいつまでする?
赤ちゃんの発達の過程は個人差が大きいとされており、夜泣きをする時期についても個人差があります。
ここでは、一般的に目安とされている夜泣きの時期について説明します。
夜泣きはいつからする?
夜泣きは、一般に生後5~6ヶ月ごろからはじまるとされています。
しかし早い場合は、生後3~4ヶ月ごろからはじまる赤ちゃんもいるようです。
また赤ちゃんによっては、生後28日までの新生児期の頃から夜にぐずることがあります。しかしこの場合は、夜泣きではないとされています。
新生児が寝ない場合については、以下の記事で詳しく説明していますので参考にしてください。
夜泣きはいつまでする?
個人差はありますが、一般に夜泣きは生後8~10ヶ月ごろにピークを迎えるとされており、1歳半から2歳ごろに終わることが多いとされています。
夜泣きには原因がある場合もありますが、原因のない夜泣きは赤ちゃんの成長にともなう一時的な現象であり、成長と共に自然に終わります。
しかし、目安とされている時期を大幅に過ぎても夜泣きがおさまらない場合は、赤ちゃんの睡眠の質などに影響が出る可能性も考えられます。
保護者の方が心配であれば、この記事ののちの章で紹介する専門機関に相談してみてもよいかもしれません。
夜泣きをする原因
夜泣きの原因についてはさまざまな説がありますが、決定的な説はなく、はっきりとした原因がない場合もあります。
夜泣きは成長の一過程であると考えられているため、親の愛情不足や、育て方に問題があるわけではありません。
ここでは、現在までのところ「夜泣きの原因である」と考えられている要素を紹介します。
睡眠リズムの発達の影響
赤ちゃんは、睡眠のリズムがまだ発達途上であると考えられています。
ヒトの睡眠の状態は眠りの浅い「ノンレム睡眠」と眠りの深い「レム睡眠」に大きく分けられます。
赤ちゃんの睡眠では大人よりレム睡眠の比率が多く、またレム睡眠とノンレム睡眠のサイクルも短いとされます。
つまり、赤ちゃんは浅い睡眠の時間が長いために、少しの刺激で目を覚ましやすいと考えられます。
本当は眠っていたいのに目が覚めてしまった場合、赤ちゃんは眠くて泣いているのかもしれません。
日中の出来事の刺激
脳は、睡眠中に日中に体験したことの記憶の整理や定着をおこなっていると考えられています。
しかし赤ちゃんの脳は発達の途中であるため、日中に体験したことの刺激が多い場合は整理が追いつかないことがあります。
この場合は脳が活発になるために興奮してしまい、目が覚めて夜泣きにつながると考えられます。
この現象は赤ちゃんの脳がしっかりと発達していることの証であり、成長と共におさまっていくとされています。
何か不快感がある
赤ちゃんは、不快感を訴えるために夜泣きをしている場合もあります。
以下のような理由で、赤ちゃんは不快感をおぼえているのかもしれません。
- お腹がすいている
- のどが渇いている
- 暑い
- 寒い
- おむつが汚れてい
- 湿疹が出ている
また赤ちゃんは鼻呼吸が多いとされるため、鼻が詰まっていると呼吸が苦しくて泣いてしまうこともあると考えられます。
夜泣きの対策
夜泣きの原因ははっきりとはわかっていないため、夜泣きを防ぐための決定的な対策があるわけではありません。
夜泣きは一時的な現象であり、成長と共に自然におさまるとされています。
しかし、赤ちゃんが毎晩同じ時間に起きて夜泣きをするような睡眠リズムができてしまうと、保護者の方の心身の負担も増してしまいます。
そこでここでは、夜泣きを減らすために試してみることのできる対策を紹介します。
生活リズムを整える
生活リズムを整えることは、赤ちゃんの睡眠のリズムの発達に役立つと考えられています。
夜泣きをして赤ちゃんが寝不足である日でも、朝は同じ時間に起こしましょう。
カーテンを開けて日光を浴びることで、体も目覚めやすくなります。
また、授乳や食事の時間も一定に保つとよいでしょう。
昼間に活発に活動することでも、夜に眠りやすくなります。
できれば午前中に外に散歩などに連れていき、昼寝は1~2時間にとどめます。
不快感を取り除く
赤ちゃんが不快感から夜泣きをしている場合は、不快感を取り除きます。
授乳したり、白湯を飲ませたりすると空腹やのどの渇きがおさまり、赤ちゃんはまた眠ることもあります。
ほかにもおむつや衣服の状態、湿疹が出ていないかなど、赤ちゃんが不快感を感じる原因がないか確認してみてください。
お腹の中の状況を思い出させる
赤ちゃんがお腹の中にいたときの状況に近づけると、赤ちゃんは安心することがあるとされています。
赤ちゃんごとに「安心する体勢」は異なると考えられるため、「赤ちゃんを胸にぎゅっとくっつけて抱く」「おくるみで包む」など、いろいろな方法を試してみるとよいでしょう。
赤ちゃんが夜泣きをしているとき、抱っこしてゆらゆらとやさしく揺らすと眠ることもあります。
しかし、赤ちゃんを激しく揺らすことは避けてください。
赤ちゃんの脳は柔らかいためにダメージを受けやすく、揺さぶると重大な後遺症が残る場合があるためです。
一度その場を離れる
いろいろな方法を試しても夜泣きがやまない場合は、保護者の方も気持ちに余裕がなくなってしまうかもしれません。
このような場合は、赤ちゃんが安全な状況にあることを確認したうえで、気持ちを落ち着けるためにいったんその場を離れるのも一つの方法です。
音楽を聴いたりなどして気持ちがリラックスしたら、また戻って赤ちゃんの様子を確認してみてください。
近所の人に伝えておく
保護者の方が「赤ちゃんの泣き声が近所迷惑なのでは…」と心配になる場合は、日頃から近所の人たちに夜泣きの時期であることを伝えておいたり、こちらから挨拶をしておくと、気持ちも楽になるかもしれません。
夜泣きなど子育てで悩んだときの相談先
赤ちゃんの夜泣きで保護者の方の心身の負担が大きくなってきた場合は、以下のような機関に相談することができます。
- 小児科
- 児童家庭支援センター
- 子育て支援センター
- 保健センター
- 自治体の子育て相談窓口
発達が気になる子どもへの支援
LITALICOジュニアでは、発達が気になる子どもを対象に、児童発達支援や放課後等デイサービス、幼児教室や学習塾を運営しています。
対象年齢は0歳からで、子ども一人ひとりの課題にあわせた学習方法を提供しています。
また、無料オンライン相談もおこなっています。
赤ちゃんに夜泣き以外にも発達に関して気になる様子がある場合は、お気軽にご相談ください。
夜泣きのまとめ
夜泣きは多くの赤ちゃんにみられる現象で、成長の一過程であると考えられています。
夜泣きの原因ははっきりとはわかっていませんが、成長と共に自然におさまるとされています。
とはいえ、夜泣きが続いて保護者の方の心身の負担が大きい場合は、この記事に挙げた相談機関に相談してみるのも一つの方法です。
また夜泣き以外にも赤ちゃんの発達について気になることがある場合は、LITALICOジュニアの無料オンライン相談もぜひご利用ください。