おしゃぶりはいつから使う?新生児も使っていい?メリット・デメリットも解説

さまざまな素材や形状のおしゃぶりが市販されている中で、おしゃぶりをいつから使っていいのか、またいつまで使うべきかなど、使い方について迷う保護者の方もいるかもしれません。

この記事では、おしゃぶりをいつから使うといいとされているのか、おしゃぶりを使うことのメリットとデメリット、おしゃぶりをいつまで使っていいのかについて説明するほか、育児で悩んだ場合の相談先もご紹介します。

赤ちゃんのおしゃぶりの使用を検討している、またはおしゃぶりからの卒業を考えている保護者の方はぜひ参考にしてください。

おしゃぶりはいつから?新生児も使っていい?

おしゃぶりはいつから?新生児も使っていい?

おしゃぶりとは、乳首が形どられており、赤ちゃんにくわえさせて使う育児用品のことです。

赤ちゃんは眠くなると、授乳時と似た状況で安らぎを感じると考えられています。

そのため、例えば赤ちゃんがぐずっている時などにおしゃぶりをくわえさせると、赤ちゃんが落ち着くことがあります。

 

おしゃぶりは、さまざまな種類の物が市販されています。

そのため、赤ちゃんが何か月になったらおしゃぶりを使い始めていいのか、迷う保護者の方もいるかもしれません。

 

しかし、おしゃぶりの使い方については専門家の間でも意見が分かれているため、「いつから使っていい」という統一された見解は現在までのところ示されていないのが現状です。

おしゃぶりを使うメリットとデメリット

おしゃぶりを使うメリットとデメリット

おしゃぶりは、使うことのメリットとデメリットを検討のうえ、赤ちゃん一人ひとりに合った使い方をするといいでしょう。

 

検討する時に参考のひとつとなるのは、小児歯科と小児科の専門家が集まってつくられた「小児科と小児歯科の保健検討委員会」が2005年に提示しているおしゃぶりについての見解です。

 

この見解では「明確な根拠はない」としながら、一般的に以下のようなメリットとデメリットがあるとしています。

おしゃぶりを使うメリット

赤ちゃんが精神的に安定する傾向があることを挙げています。

赤ちゃんが泣き止みやすくなる、静かになりやすくなる、スムーズに寝つきやすくなることのほか、これらの結果として保護者の方の育児に関するストレスが軽減されることも挙げています。

 

なお、おしゃぶりの使用が鼻呼吸や舌、あごの発達を促すといわれることについては、2005年の時点では「検証した研究はない」としています。

おしゃぶりを使うデメリット

おしゃぶりは、一回の使用が長時間にわたる傾向があることを挙げています。

 

月齢が5〜6か月以降の赤ちゃんは、いろいろな物をしゃぶることで、目と手の協調運動や物の形、味などを学んでいると考えられています。

長時間のおしゃぶりの使用では、これらの学習の機会を減らす可能性があることをデメリットとして挙げています。

 

さらに、おしゃぶりの使用は習慣になりやすい傾向があり、乳臼歯(奥歯)が生え揃った後も継続して長期間使用していると、歯の噛み合わせに影響を及ぼす場合があることを挙げています。

 

長期間の使用を続けていると、赤ちゃんが泣いている時に、その原因を改善することなくおしゃぶりを与えて泣き止ませてしまう可能性があります。また、大人があやしたり声かけをしている時に赤ちゃんがおしゃぶりをしている時間が長いと、赤ちゃんが声出しで反応を返す機会が減り、発声による関わりがしにくくなる可能性も指摘しています。

また「小児科と小児歯科の保健検討委員会」の見解以外でも、おしゃぶりの使用で中耳炎を引き起こしやすくなる可能性が指摘されています。

 

中耳炎とは、鼻の奥にいる細菌が耳管を通って中耳に感染した時に起こる病気です。

おしゃぶりの使用では耳管の圧の変化が起こりやすいため、耳管への感染が起こりやすくなると考えられています。

おしゃぶりはいつまで使っていいのか

おしゃぶりはいつまで使っていいのか

前述のように、おしゃぶりの使い方については専門家の間でも意見が分かれており、いつまで使っていいのかについても統一された見解はありません。

 

例えば一つの意見としては、前出の「小児科と小児歯科の保健検討委員会」の2005年の見解があります。おしゃぶりの使いはじめの時期についての目安は示していませんが、おしゃぶりの使用をやめるべき時期の目安を以下のように示しています。

  • 赤ちゃんが1歳を過ぎたらおしゃぶりのフォルダーを外し、常時は使用しないようにする
  • 遅くとも2歳半までには使うことをやめる

理由として、おしゃぶりの使用により歯の噛み合わせに影響が出た場合でも、2歳頃までにおしゃぶりの使用をやめれば、発育とともに噛み合わせが改善されると考えられていることを挙げています。

また、4歳を過ぎてもおしゃぶりの使用がやめられない場合は、医療機関に相談することも勧めています。

その理由として、時に心理的な背景などが関係している場合もあるからです。

おしゃぶりや指しゃぶり、爪噛みなど、口からのどにかけての部分に無意識に繰り返し行う癖を「口腔習癖(こうくうしゅうへき)」と呼ばれています。

おしゃぶりからの卒業を促す工夫

おしゃぶりの使用をやめた方がいい時期に入ってもなかなかやめられない様子がみられる場合、無理にやめさせようとすることは逆効果だと考えられています。

 

子どもが自然におしゃぶりの使用を卒業していけるよう、以下のような工夫を実践してみてください。

  • 体をよく動かすなどして、おしゃぶりへの興味をほかのことへそらす
  • 寝る時におしゃぶりがやめられない場合は、子どもの⼿を握ったり、本を読み聞かせる
  • 寝⼊ってからもおしゃぶりをくわえていたら、そっと外す
  • 子どもが言葉の意味を分かるようになってきたら、「おしゃぶりの使用をやめた方がいい理由」を言葉で説明する など

育児で悩んだときの相談先

育児で悩んだときの相談先

いろいろな工夫をしてみてもおしゃぶりの使用がやめられない場合や、おしゃぶり以外でも育児について不安なことがある場合などには、以下の機関に相談することができます。

  • 小児科/小児歯科医
  • 自治体の子育て相談窓口
  • 保健センター

発達が気になる子どもの学習塾

LITALICOジュニアは、発達が気になる0歳からのお子さまを対象に、児童発達支援や放課後等デイサービス、幼児教室や学習塾を運営しています。

 

また、無料オンライン相談も実施しています。

おしゃぶりをやめた方がいい時期になってもなかなかやめられないことに加え、子どもの発達についても気になることがあるような場合には、無料オンライン相談をお気軽にご利用ください。

おしゃぶりについてまとめ

おしゃぶりについてまとめ

おしゃぶりの使い方については専門家の間でも意見が分かれていますが、歯の噛み合わせなどへの影響を考慮すると、遅くとも2歳半までには使用をやめることが推奨されています。

 

おしゃぶりの使用をやめた方がいい時期になってもなかなかやめられず、発達についても気になることがある場合などには、相談機関を利用して専門家のアドバイスを受けるといいでしょう。

 

また、LITALICOジュニアでも無料オンライン相談を行っています。

ぜひお気軽にご相談ください。