新生児の体温は何℃?体温の平均や測り方、発熱時に受診する目安を解説

新生児は生まれたばかりで、大人と違うことが多くあります。体温もその一つで、新生児は平均37.1度と成人よりも平熱が高い傾向にあります。

 

そのため、熱を測ってみた時に、「このくらいであれば大丈夫?」「受診したほうがいいのでは」と悩む方もいると思います。

 

今回は新生児の体温の数値や測り方、発熱時などに病院に行く目安や相談窓口を紹介します。

新生児の体温は何℃?

新生児の体温は何℃?

新生児とは生後28日未満の赤ちゃんのことをいいます。生まれたばかりの新生児は大人とはさまざまな面で異なっており、その一つに体温の違いがあります。

 

新生児の体温は、測定器具や測定部位などにより差異があり、36.7度〜37.5度程度の間が正常値となります。平均すると37.1度と、成人よりも平熱が高い傾向があります。

 

新生児だけでなく子どもは成人よりも体温が高いことが多く、次の表のようになっています。

新生児の体温は何℃?

 

参照:J-Stage「新生児・小児の体温計測」

 

また、体温は一定ではなく一日のうちで変動があり、午後にかけて最も高くなる傾向があります。

新生児は体温調節が苦手

生まれてすぐの新生児は胎内からの環境変化に慣れていく時期です。まだ自分で体温を調節することが難しく、周りが環境を整えることが必要です。

 

まず保護者ができることとしては、赤ちゃんの過ごす部屋が20度を下回らないように気を付けることが挙げられます。

 

ほかにも、赤ちゃんに着せる服は大人と同じ枚数か、一枚多く着せることも心がけるといいでしょう。しかし、冬の時期だと赤ちゃんが寒いのではないかと心配して、服を着せすぎてしまい、体温が上がってしまうこともあります。そのため、とくに冬は着せすぎに注意したり、汗のかき具合をチェックして服装の調整をする必要があります。

新生児の体温の測り方

新生児の体温の測り方

新生児は大人と比べて体温が高いと聞いていても、正確に測れているのか心配な方もいると思います。ここでは、わきの下を使って体温を測る方法を紹介します。

 

具体的な方法として、

 1.わきのくぼみの中央に体温計をあてる

 2.上半身に対し体温計が約30度になるようにしてわきをしめる

という様子で測るといいでしょう。

 

体温を正確に測るには一定時間待つ必要があり、水銀体温計や実測式の体温計なら10分以上そのままで待ち、予測式の体温計なら終了音が鳴るまで待ちましょう。

 

体温測定には耳の穴や肛門で測る方法もあります。詳しいことは、小児科などで聞いてみるといいでしょう。

また、体温は測るタイミングによっても変わってきます。子どもの様子が気になる場合は、熱だけでなく全体的に見て病院に行くか判断するといいでしょう。詳しくは次の章で解説します。

新生児が発熱したときの対応方法

新生児が発熱したときの対応方法

赤ちゃんが熱を出しているときなど、病院に行ったほうがいいのか迷うことがあると思います。そういったときは「子ども医療でんわ相談」に子どもの様子を伝えて判断を仰ぐことができます。自分で判断がつかない場合は電話をかけてみるといいでしょう。

すぐに病院に行ったほうがいいとき

また、目安として病院に行ったほうがいいサインもありますので紹介します。あくまで参考としてご覧いただき、迷ったときは子ども医療電話相談に電話するなど対応するようにしましょう。

 

小児では、37.5度以上を発熱と捉えることが多いですが、新生児は38度程度までは食欲があるなど元気であれば様子を見てもいいでしょう。しかし、元気がない、おしっこやうんちが少ないときなどは病院に行ったほうがいいといわれています。

 

また、3ヶ月未満のお子さまについては、38度以上の発熱があった場合、夜間でも受診することをおすすめします。その理由として、自分の体で十分な免疫がつくれないことや、ワクチン接種による免疫がなく敗血症や髄膜炎などの重篤で、かつ命に危険のある感染症にかかるリスクがあるためです。

 

ほかにも病院を受診する目安としては、おしっこが出ないなど脱水症状がある場合や、下痢・吐き気などが激しくぐったりしている場合などがあります。

子育てに悩んだときに相談できる場所

子育てに悩んだときに相談できる場所

発熱などの体調を含め、新生児や幼い子どもを育てる中の悩みがあるときは、子育てについて相談できる場所を活用してみてもいいでしょう。ほかの保護者と交流したり、専門家からアドバイスをもらうことで、悩みを解消するヒントがもらえるかもしれません。

 

子育てについて相談できる場所は以下のようなものがあります。

  • かかりつけの小児科医
  • 市町村保健センター
  • 児童家庭支援センター
  • 児童相談所
  • 自治体の子育て窓口

まずは身近な場所に相談してみるといいでしょう。

 

また、日本助産師会には電話で相談できる窓口が設置されています。新生児のことだけでなく、幅広い相談ができるので気になる方は一度相談してみるといいでしょう。

新生児の体温まとめ

新生児の体温まとめ

新生児の体温は大人よりも高く、平均で37.1度ともいわれています。子育てをしていく中で、子どもが発熱したときなど「どのくらいなら病院に行くべきだろう」と悩む方も多いと思います。

 

目安として発熱が38度以上あったり、熱以外にも元気がないときなどは医療機関を受診したほうがいいといわれています。しかし、子どもの様子が気になるときは専用ダイヤルに相談するようにしましょう。

 

発熱以外にも子育てについて悩むことや気になることは多いと思います。家庭の中だけではなく、身近な相談機関を頼ってみることも検討してみるといいでしょう。

0歳から通えるLITALICOジュニア

LITALICOジュニアは0歳児からの子どもを対象とした学習塾を運営しています。

 

新生児~乳幼児期は日々身体も心も成長していく時期です。LITALICOジュニアでは、遊びの中で楽しみながら人との関わり方や身体の動かし方などを学んでいく授業を行っています。

 

授業内容は子ども一人ひとりの個性や興味に合わせて、最適な学びとなるよう組み立てています。見学や体験もできますので、気になる方は一度ご相談ください。

  • 室伏 佑香先生

    監修者

    東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科/名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程

    室伏 佑香

    筑波大学医学部卒。国立成育医療研究センターで小児科研修終了後、東京女子医科大学八千代医療センター、国立成育医療研究センター、島田療育センターはちおうじで小児神経診療、発達障害診療の研鑽を積む。
    現在は、名古屋市立大学大学院で小児神経分野の研究を行っている。