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「 ASD(自閉スペクトラム症)と遺伝との関係性・確率は? 」

自以前は「自閉症」という診断名が用いられていましたが、アメリカ精神医学会発刊の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)において自閉的特徴を持つ疾患が統合され、2022年(日本語版は2023年)発刊の『DSM-5-TR』では「自閉スペクトラム症」という診断名になりました。この記事では、ASD(自閉スペクトラム症)と記載しています。

ASD(自閉スペクトラム症)の原因

ASD(自閉スペクトラム症)の原因

ASD(自閉スペクトラム症)は、ほかの人との気持ちの共有や会話のやりとりが難しい、表情から気持ちが読み取れないなどの「対人関係や社会的コミュニケーションの困難」と常同的な行動や、特定の音や光など感覚刺激への偏った反応など「特定のものや行動における反復性やこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻さ」などの特性が幼少期から見られる発達障害の一つです。知的障害(知的発達症)を伴うこともあります。幼少期に気づかれることが多いといわれていますが、症状のあらわれ方には個人差があるため就学期以降や成人期になってから社会生活において困難さを感じ、診断を受ける場合もあります。

ASD(自閉スペクトラム症)と遺伝について

脳の機能障害を引き起こす理由として、遺伝的な要因が原因の一部であると推測されています。ASD(自閉スペクトラム症)の遺伝については、双生児研究や家族間での一致率に関する研究が行われており、この研究では、一卵性双生児と二卵性双生児それぞれの調査の結果の差異から遺伝子配列が同じ一卵性双生児での一致率が高いという報告がされていました。
しかし、近年の研究では、その差異は研究を始めた当初よりも小さいのではないか、という結果もあり、ASD(自閉スペクトラム症)の発現には、遺伝要因に加えて環境要因との相互作用を考慮したほうがよいという考え方が強くなってきています。
また、自閉スペクトラム症は単一の遺伝子が原因ではなく、複数の遺伝子や両親の年齢、出生時低体重、多産や妊娠中の母体感染症などの要因が複合的に絡み合っていることも推定されています。つまり、親や子どもにASD(自閉スペクトラム症)の遺伝情報があるからといって、必ずしも子どもやきょうだいが同じ診断を受けるとは限りません。現状では「遺伝の可能性がある」と言えるだけです。

ご家族だけで悩む必要はありません

これから出産を考えている方や、現在妊娠中の方、発達障害のお子さまがいらっしゃるご家族は「発達障害は遺伝するのではないか?」と心配になるかもしれません。しかし、現時点では遺伝との関連性が見られるというだけで、原因は不明です。
お子さまがASD(自閉スペクトラム症)、発達障害の診断を受けたとしても、お子さま一人ひとりのニーズや価値観にあった工夫をすることで、充実した生活を送られているご家庭も多くいらっしゃいます。また、2004年12月に発達障害者支援法が公布され、国が障害のある子どもだけでなく、その家族に対するサポートをおこなっていくことが明記されました。ご家庭のみで不安を抱えずに、行政の窓口や地域の支援機関にご相談いただければと思います。
LITALICOジュニアでは発達障害のお子さまやそのご家族を支えるためのサポートをおこなっています。不安を抱えていらっしゃる方はお気軽にお問合せください。

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文責:井田美沙子
監修者:博士(障害科学) 野口晃菜

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LITALICOジュニアはお子さま一人ひとりの得意や苦手を見つけ、それぞれの特性に応じた指導をおこなう教室です。発達障害児支援の専門家が監修する教育プログラムや1万点以上のオリジナル教材でお子さまに最適な指導を提供しています。お子さまの発達や学習について、まずはお気軽にご相談ください。

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