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「 知的障害(知的発達症)の程度や特徴 」

※現在、『ICD-11』では「知的発達症」、『DSM-5』では「知的能力障害(知的発達症/知的発達障害)」と表記されていますが、知的障害者福祉法などの福祉的立場においては「知的障害」と使用していることが多いため、この記事では「知的障害(知的発達症)」という表記を用います。

知的障害(知的発達症)とは、18歳までの発達期に生じた知的機能障害により、認知能力の発達が全般的に遅れた水準にとどまっている状態を指します。その程度は様々で、一人ひとりの特徴も異なります。また知的障害は「知的機能(IQ)」だけではなく、「適応機能」と合わせて総合的に判断されます。

ここでは知的障害(知的発達症)の程度や検査方法などについてご紹介します。

知的障害(知的発達症)の程度

知的障害(知的発達症)の程度

知的障害(知的発達症)は、症状の程度により「軽度」「中度」「重度」「最重度」の4段階に分類されます。厚生労働省の基準では、IQの値と適応能力の基準である「日常生活力水準」の両方を考慮し、以下のように分類されています。日常生活能力水準のa~dはaに近いほど自立した生活を営むことへの困難度が高く、dに近いほど自立した生活が容易であることを示しています。

気になることがあれば専門機関に相談を

医療機関では問診と簡単なテストをおこないます。知的障害(知的発達症)の診断には、アメリカ精神医学会が発行した診断基準「DSM-5-TR」(「精神疾患の診断と統計のマニュアル」第5版)や、世界保健機関(WHO)の「ICD-10」(「国際疾病分類」第11版)といった基準が使われており、検査結果から総合的に判断します。
ほかにも使われる診断方法があります。知的障害(知的発達症)の診断は、知能検査と適応能力検査の2つによって総合的に診断が下されます。
知能検査では、
「田中ビネー知能検査 V(ファイブ)」、「新版K式発達検査」、「ウェクスラー式知能検査」が検査で使われることが多いでしょう。年齢によって受ける検査が異なるものもあります。

適応能力検査では、
・vineland-II(全年齢)
・ASA旭出式社会適応スキル(幼児〜高)
・S-M社会生活能力検査(乳幼児〜中学生)
などがあります。

これらの検査を年齢や状況に応じて使い分け、総合的に知的障害(知的発達症)の診断が下されます。

子どもに合わせたサポートの仕方を考える

LITALICOジュニアでは、お子さまの興味関心に合わせながら、発達状況に合わせた支援、実生活につなげていくための練習もおこなっています。
知的障害(知的発達症)かも?と思われたら、まずは専門機関への相談をおすすめします。

【参考資料】

*書籍
『DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル』日本精神神経学会/監修、医学書院/刊

監修者:博士(障害科学) 野口晃菜

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