小学校の入学に合わせていいスタートをきりたい。通塾から数カ月で、一方的に話し続けることがなくなり、友だちとのトラブルが減少。
2023年08月17日公開 | LITALICOジュニア編集部
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LITALICOジュニアでは、息子の特性も踏まえてどのように褒めたらいいのかを具体的に教えてくれると感じました。発達支援の理論や指導に対する考え方について先生が丁寧に説明してくれたこともあり、LITALICOジュニアに通うことを決めました。
プロフィール
Aくん
困りごと
- 相手の反応にかかわらず、一方的に話し続けてしまう
- 突発的な行動を取ってしまう
- 特定の友だちに執着してしまう
通ってからの変化
- 相手が話しているときは黙って聞くことができるようになった
- 授業では許可を取ってから行動できるようになった
- いろんな友だちと仲良く遊べるようになった
しっかりとした理論に基づいて支援をしてくれる場所を探していた
どのような経緯で、LITALICOジュニアを利用されることになったのでしょうか。
最初に発達支援を受けたのは、息子が2歳のときに通っていた保育園で落ち着かない様子が目立つことを指摘されたことがきっかけでした。ただ、市が運営している療育センターに通ってみたものの、「(特に問題がないので)大丈夫です」と言われてしまって。2ヶ月ほど通っていたのですが、そのように言われたことで通っている意味がわからなくなってしまってやめました。
その後、幼稚園に通い出したのですが、再び園の先生から発達支援に通うことを勧められました。椅子をガタガタさせたり、友だちとトラブルになりやすかったりしたようです。それが年長の12月頃の出来事です。もうすぐ小学校に入学するのであれば、変わるチャンスかもしれないと思って、息子に合ったサポートが受けられる場所を再び探すことにしました。
園からは2回目の指摘だったのですね。そのときは、どのような点を重視して探されましたか?
次に通うなら、また成果を感じられないまま終わるのは嫌だなと思っていました。以前通っていた発達支援施設では、「褒めてください」としか言われなくて、どうやって褒めたらいいのかもよくわからなかったんです。でも、LITALICOジュニアでは、息子の特性も踏まえてどのように褒めたらいいのかを具体的に教えてくれると感じました。発達支援の理論や指導に対する考え方について先生が丁寧に説明してくれたこともあり、LITALICOジュニアに通うことを決めました。
当時のAくんのご様子について、お母さまから見て気になっていたことはありましたか?
正直なところ、一般的な子どもの成長について私自身があまりわかっていなかったなと思います。一人っ子なので、きょうだい間で成長を比べることができなかったですし、私の友人からも「そういう時期はあるから大丈夫だよ」と言われていました。なので、息子が言うことを聞かない場面があっても、それが一般的な発達過程であるのか、何らかのサポートが必要なのかが本当にわからなかったんです。
LITALICOジュニアに通う前の私に、息子の変化を教えてあげたい
実際に通い始めてから、授業ではどのようなことをされていたのでしょうか。
先生と一緒にゲームをしながら、「順番を守る」「ルールを守る」などの目標を提示してくれていました。例えば、順番にボールを蹴る場面だったら、先生がボールを蹴るまで息子が待っていたら「待っていてくれてありがとう」と声をかけてくれていました。
息子の特性としては注意散漫になってしまう傾向があるのですが、先生が上手く関わってくれたり環境設定も工夫してくれていたからか、先生のことはしっかり見ていたし、夢中になって遊んでいました。
日常生活の中で、Aくんの変化を感じる場面はありましたか?
LITALICOジュニアの授業で順番を守りながら先生と一緒に遊んでいる姿を見たときは、「同じことが本当に友だち同士でもできるのかな?」と不安に思っていました。それが、通い始めてから2〜3ヶ月後くらいに、小学校の友だちと楽しそうに遊んでいる姿を見て、「あれ?」と思いました。15人くらいで遊んでいたのですが、以前とは打って変わってトラブルもなくて。頻繁に遊ぶ友だちもできて、もう1年くらいずっと仲良しです。
息子の友だちから「Aくんはお友だちに対して優しいね」と言われたり、ほかの子のお母さんから「お友だちとずっと2人で遊んでいて、楽しそうだよ」と言われたりすることもあって、「え?それ誰のこと?」と思いつつもすごくうれしいですね。学校の先生には入学時に息子の特性についてお伝えしていたのですが、実際に入学してみると「まったく問題ないです。むしろ人が集まってくるタイプですよ」とも言ってもらえて。LITALICOジュニアに通う前は、友だちとのトラブルが本当に多かったんです。あのときの私に、今の状況を教えてあげたいです。
関わり方の工夫で、家でも自分でできることが増えていった
お母さまとしては、Aくんとの関わりで変化したことはありますか?
朝の身支度をする際に時間がないときは、私が「次はごはんだよ」「次は着替えだよ」などと言っていたので、言われないとできない状態になっていたなと思います。それについてペアレントトレーニングを受けているときに先生に相談すると、「やることを紙に書いてみましょう」と提案してくれました。それで、息子自身が紙を見てやることを確認して、私からは「次は何をするんだっけ?」と問いかけるような関わりに変えました。できたときは、褒めるようにしていましたね。提示の仕方や声のかけ方を変えることで、今ではスケジュールを見なくても自発的にできることが増えたなと思います。
ただ、実は私は褒めることが苦手なんです。どう褒めたらいいかわからないですし、意識的に褒めようとすると不自然な感じになってしまって。息子から「わざとらしい」と言われたこともありました。それもLITALICOジュニアの先生に相談すると、「言いやすい言葉でいいですよ」と言ってくれました。具体的な声かけの仕方も教えてもらって、今は無理に褒めようとするのではなくて、努力したんだろうなと感じるところを伝えてあげるようにしています。
<やっていいことと悪いことを選ぶクイズで使ったAくん専用のオリジナル教材>
お母さまもAくんとの関わりを工夫されていたのですね。褒められたときのAくんは、どんな様子でしたか?
やっぱり褒められると嬉しそうな顔をしていますね。私自身が怒られて育ってきた世代なので、それまでは息子に対しても怒ることが多くなっていたなと思います。でも、怒っても効果がないんだなとはっきりと分かるようになりました。私が怒っても、泣いてしまうだけでさらに言うことを聞かなくなってしまうんです。今は褒めることの大切さを実感しています。
最後に、LITALICOジュニアはご家族にとってどのような場所でしょうか。
息子にとっては、行くのが楽しみな場所だったのではないかなと思います。先生のことも大好きなんです。親にとっては、解決に導いてくれる場所ですね。息子のことで困っていることは何でも言えましたし、具体的にどうしたらいいのかを提案してくれたり、「大丈夫ですよ」と言ってくれたりしました。それがあったから、日常生活の中で困ったことがあっても「次に行ったときに相談してみよう」と思えたんです。
LITALICOジュニアに通い始めてから息子の成長を感じる場面が多くあったので、私の気持ちもだいぶ楽になりました。小学校の入学に合わせて、いいスタートが切れたなと思います。
先生からのコメント
LITALICOジュニアに来られた当初は、相手の反応に関わらず一方的に話してしまったり、お友だちとの関わりでこだわりがあったりしましたが、授業の回数を重ねる度にできることが増えていったなと思います。
お話の練習では、「相手の表情を読み取る」「相手のセリフから気持ちを想像する」「実際に複数人で会話をする」の順番でステップを踏んでいきました。最初は「ほかの人が話をしているときは静かに」とあらかじめ約束をしていました。それが、最終的には約束をしなくても、同席しているお父さまに「相手が話しているときはしゃべっちゃダメなんだよ」と伝えられるくらい自分で意識できるようになっていました。
また、突発的な行動を取ってしまうことがあったので、「お水飲んでいい?」「玩具を取りに行ってもいい?」などと先生に許可をとる練習もしていきました。徐々に、自分から許可を取れるようになりましたし、本当に今やる必要があるのかも含めて一緒に考えることで「じゃあ今はいいから、あとで行かせて」という判断もできるようになりました。
今は小学校で楽しく過ごされていると聞いて、とてもうれしいです。Aくんはやりたいことを実行する力を持っているので、これからも前向きな気持ちを持ち続けてほしいなと思います。