中学校に行けなくなったことを機に、自宅で塞ぎこんでいたー自信と主体性を身につけ、好きなことに打ち込めるように!
2024年06月26日公開 | LITALICOジュニア編集部
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そんなNさんは、中学2年生からLITALICOジュニアの利用を開始。先生との信頼関係を築いていく中で、少しずつ自信を身につけていきました。約2年が経過した今では、自分の意思で物事を決断し、行動できるように。自ら決めた進学先では、日々好きなことにまっすぐ取り組んでいます。
今回は、Nさんの叔母さまとおばあさまに、教室に通い始めたきっかけやNさんやご家族に起きた変化について伺いました。
目次
プロフィール
Nさん
年齢:15歳
ジュニア歴:2年3ヶ月
困りごと
- 中学生の時から不登校状態になっていた
- 生活の中で楽しみを見つけることが難しく、塞ぎこんでいた
- 自分の気持ちや欲求を言葉で表現することが難しかった
通ってからの変化
- 自分なりのペースで学校に行けるように
- 自分のことを自分で決められるように
- 家族との会話が増えた
- 嫌なことがあっても、すぐに立ち直れるように
- 自分の好きなことにまっすぐ取り組めるように
中学校に行けなくなり、毎日つらい気持ちに襲われていた……
LITALICOジュニアに通い始める前、Nさんにはどんなお困りごとがあったのでしょうか?
おばあさま:Nは、中学校のクラスメイトから傷つく言葉をかけられたことをきっかけに、学校に行けなくなりました。そのトラブルが起きた日は、私が保健室まで迎えに行ったのですが、Nは「もう明日から学校に行きたくない」と話し、翌日からは一切登校しなくなったんです。
叔母さま:Nは友だちを傷つける言葉を発しない、とても優しい子なんです。心ないことを言われたら、その場で言い返してしまえばいいのですが、Nにはそれができなくて。昔から繊細な子でもあったので、クラスメイトからの心ない一言にすごくショックを受けたようです。
学校でのつらい出来事が、学校に行けなくなるきっかけになったのですね。その後、Nさんはどのように過ごしていたのでしょうか?
叔母さま:学校に行けなくなってからは、無気力になり、とても苦しそうにしていました。なぜつらいのかを言葉にすることはありませんでしたが、時々メールで「苦しい」「つらい」とだけ伝えてくることはありましたし、私から見ると「何も楽しいことがない、誰か助けて」とSOSサインを送っているようにも見えました。本人は苦しい状態から抜け出したい気持ちはあるものの、どうしたらいいのかが分からずに行き詰まっていたんです。Nは私立の中学校に通っていたこともあり、テストを受けなければ学校を卒業できないことも心配の種でした。
嫌なことや困っていることを言葉にしてご家族に説明するのが難しい状況だったのですね。
叔母さま:そうですね。私は「どうにかこの子を助けたい」と思ったのですが、家族として何ができるのかが分からなくて。インターネット検索で、相談できる場所を探していたところ、たまたまLITALICOジュニアを見つけたんです。最寄りの大宮教室に電話をかけると、先生が電話でじっくりと私の話を聞いてくださり、どうすればいいのかを親身に考えてくださいました。先生が「お子さまの困っていることを一緒に探してみましょう」という言葉をかけてくださった時に、Nをここに通わせたいと思いました。
先生とのお電話が最初のきっかけだったのですね。初めて教室を訪れた日のNさんは、どのようなご様子でしたか?
叔母さま:実は、家族みんなで初めて教室に来た当日、Nは入口で泣き崩れてしまったんです。よくよく話を聞いてみると、その前に嫌々通っていた塾のことを思い出し、「また苦手な塾に行かなきゃいけないんだ」と思ったようです。
楽しく通える場所が見つかり、表情が一気に明るく!
Nさんは当初、LITALICOジュニアに通うことに抵抗があったようですが、どのようにして教室に慣れていったのでしょうか?
叔母さま:まずは、楽しく教室に通えることを目標にしました。先生は、Nが楽しいと思えること、やりたいと思えることを一緒に見つけようとしてくださいました。最初は教室に行くのを嫌がっていたNですが、先生と好きなアニメやゲームの話をしているうちに、教室に行くのが楽しみになってきたようでした。LITALICOジュニアの先生方は、私たち家族よりもNとの年齢が近いこともあって、友だちのような感覚でお話できるのが本人にとってはうれしかったみたいです。
おばあさま:LITALICOジュニアに通い始めてしばらくすると、Nは家でもいきいきとした表情を見せてくれるようになりましたし、声も明るくなりました。以前は、話しかけても反応が返ってこないことが多かったのですが、今では自然と会話も増えたんですよ。LITALICOジュニアに行くのが楽しみだとも話していて、授業がある日には私から声をかけなくても自分で支度をして出かけています。
楽しく教室に通えるようになったのですね!学校に行けないというお困りごとについて、授業の中で取り組まれたことはありますか?
叔母さま:先生は、どうすれば安心して登校できるのか、困りごとが起きた場合はどう対処すればいいのかをNと一緒に考えてくださいました。具体的には「保健室だったら、安心して通えそうだよね」「家族と一緒だったら、登校できそう」「この教科は受けるけど、この教科は受けないようにしよう」のように、Nと話し合いながら「これなら学校に行ける」という条件を導き出してくださったんです。学校とも連携し、Nはまったく登校できない状態から、テストやイベントなど、重要な日を中心に自分なりのペースで学校に行くようになりました。
「こういう困りごとがあった時はどうする?」と、事前に教室でのイメージトレーニングを重ね、登校に対してある程度の見通しを持てるようになったことや「何かうまくいかないことがあってもLITALICOジュニアに相談できる」という心の支えがあることも、Nにとって安心感につながったのだと思います。中学校を卒業できたのはLITALICOジュニアのおかげだと思っています。
主体性が身につき、好きなことにまっすぐ取り組めるように
中学卒業後、Nさんはどのような進路を選択されたのでしょうか?
叔母さま:Nは通信制の高校に進学しました。一緒にいろいろな学校の説明会に行った結果、本人が「漫画について学べる学校がいい」と選んだ学校です。普段はオンラインで授業を受けているのですが、テストの日だけは登校しています。
好きなことを頑張っているのですね、素晴らしいです。では、これまでのNさんの変化をご覧になっていて、どんなところが一番成長したと思いますか?
叔母さま:自分のことを、自分で決められるようになったことです。LITALICOジュニアに通う以前は、何かを選ぶ時に私から「どっちがいい?」と声をかけても「どっちでもいい」と言うことが多くて。進路選択の時もそうでしたが、今では自分のやりたいことを自ら発信できるようになりました。これから大人になれば、自分自身でさまざまなことを選択しながら生きていかなくてはならなくなりますよね。だからこそ、この変化は自立に近づく大きな一歩だと感じています。
おばあさま:心が強くなったと感じます。LITALICOジュニアに通う前は、何か落ち込む出来事があると、Nはそこからなかなか立ち直れなかったんです。でも今のNは、多少のことがあってもへこたれないんですよ。今だったら、からかうようなことを言われても、すぐ立ち直る気がします。自分の気持ちを大切にするべきだと理解できたからこそ、Nはここまで強くなれたのだと思います。
困った時にいつでも相談できるから、悩みを乗り越えられる
Nさんは2年の間で大きな成長を遂げられたと思いますが、ご家族の皆さまが感じているご自身の変化はありますか?
叔母さま:これまでは、Nのことについて相談できる場所がなかったので、不安な気持ちがありました。しかし、今は「先生にいつでも相談できる」という安心感があります。これが一番大きな変化だと感じています。実際に、LITALICOジュニアの先生には、これまでいろいろな話を聞いていただきました。
先生とのお話の中で、特に印象に残っているアドバイスはありますか?
叔母さま:まだLITALICOジュニアに通い始めたばかりの頃、先生がおっしゃっていた「Nさんがどう思ってるかを大事にしてください」という言葉が今でも印象に残っています。この言葉を聞いてからは、Nとの会話の中で「Nはどうしたい?」と聞くことを意識するようになりました。最初は「そんなの言わなくて分かるでしょ」という反応が返ってきましたが、先生は「とにかくNさんの気持ちを尋ねることを続けてみてください」と励ましてくださって。先生を信じて言葉をかけ続けた結果、今では、私が聞かなくても自分の気持ちを素直に話してくれるようになりました。
おばあさま:具体的に印象に残っているアドバイスを挙げるのが難しいほど、先生の言葉のかけ方、Nへの関わり方の一つひとつがどれも私にとっては新鮮で、勉強になりました。Nの気持ちを引き出すために、先生はいつも丁寧に、細かくNに言葉をかけたり、質問をしたりされていて。「こういう導き方があるんだ」と感心し、家でももっと丁寧にNの言葉を引き出す会話をしようと意識するようになりました。
LITALICOジュニアは、心を開ける居場所
Nさんにとって、LITALICOはどんな場所になっていると思いますか?
叔母さま:楽しく通える自分の居場所でしょうか。LITALICOジュニアで過ごす時間は、Nにとって大切な生活の一部になっているんです。
おばあさま:Nにとって、心を開ける場所なんですよね。
では、ご家族の皆さまにとってLITALICOはどんな場所でしょうか。
おばあさま:安心してNのことを任せられる場所です。体験授業の日に入口で泣き崩れた時には、通えるようになるのかな?と思いましたが、すぐに1人で通うようになったので驚きました。
叔母さま:ここまでNが成長できたのは、LITALICOジュニアの先生のおかげです。
最後に、先生に何かメッセージがあればお願いいたします。
叔母さま:いつもNのために何ができるのかを考えてくださる先生には本当に感謝しかありません。趣味の話で盛り上がったり、悩みごとの相談をしたり。そんなふうに何でも話せる先生との時間がNの心の支えになっています。今後も引き続きNのことを見守っていただけたらうれしいです。
先生からのコメント
新しいことに対して不安を感じやすいNさん。初めてご家族と教室に来てくれた日には、泣き出してしまうほど強い拒否感があるようでした。
授業では、まずNさんにとって安心できる環境づくりを最優先しました。Nさんは自分の意見を押し殺してしまう傾向があったので、趣味の話を聞きながら「すごいね」「面白いね」と共感を示すことで「自分の意見を言っていいんだよ」というメッセージを伝えることを意識しました。
コミュニケーションを重ねるにつれて、Nさんは次第に「自分がどうしたいのか」「何が嫌なのか」を相手に伝えられるように。自己認知が深まったことで、自分と他者の違いを理解し、私に対して「私はこれが好きだけど、先生はどう?」と聞いてくれる様子も見られるようになりました。
いつも細やかにサポートしてくださるご家族の皆さまには心から感謝しています。これからもNさんが挑戦したいこと、不安に感じることを一緒に整理しながら一つずつできることを増やしていき、一緒に成長を見守っていけたらと思います。