
「伝えられない」「待てない」日々から、言葉で気持ちを伝え、落ち着いて待てるようになるまで
2025年03月14日公開 | LITALICOジュニア編集部
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そんなKくんは、体験授業1回ですでに大きな変化を見せてご両親を驚かせました。先生と目を合わせて、声かけにもよく反応し、生き生きとしているKくんの様子を見て、ご両親は通塾させることを決意されました。
今回はKくんのお母さまに、Kくんが教室に通い始めた経緯やその後の変化、そしてお母さまご自身に起きた変化についても伺いました。
プロフィール

Kくん
年齢:3歳
ジュニア歴:1年3ヶ月
困りごと
- 発語がない
- 癇癪を起こしてしまう
- 待つことが苦手
通ってからの変化
- 三語文が話せるようになった
- 言葉で気持ちを伝えられるようになった
- 数を数えながら待てるようになった
反応が薄く、目が合わないことが気になっていた

LITALICOジュニアに通い始める前のKくんには、どのような困りごとがあったのでしょうか?
1歳後半から「発達がゆっくりなのかな?」と思い始めたんです。周りの人たちから「男の子は発達がゆっくりだよ」「2歳になる頃にいきなり喋り出すよ」などと聞いていたものの、2歳になってもあまり変わりませんでした。
もともと反応が薄くて、声をかけても、名前を呼んでも反応しなかったりするし、ずっと目も合わなかったんです。それで発達について「もしかして、何か障害があるのかもしれない」と不安になっていました。
でも私たちでは、その判断ができなくて。育児のやり方も、子どもをどう導いていけばいいのかよく分からなかったんです。
そこで夫がインターネットで検索して、LITALICOジュニアを見つけて「ここ、いいんじゃない?」と言うので、体験授業を受けることにしました。
体験授業1回で、驚くほど息子が変わった

体験授業でのKくんの様子はいかがでしたか?
体験授業1回で、息子が変わったんですよ。呼びかけにもすごく反応するし、先生のことも見ていて、私も主人も驚くほどいつもと様子が違って生き生きとしていました。
いきなり「ずっと目が合う」ところまではいきませんでしたが、ちゃんと聞こえていることが分かりました。以前は話しかけても、聞こえているのかどうかすら判断できないほど反応がなかったんですよ。
すごい変化ですね!「Kくんが生き生きしていた」というのは、どんな部分で感じられましたか?
それまでは、1つのことに集中できなかったんです。遊び道具にもすぐに飽きて、違う遊びをやり始めたり。
当時はまだ2歳だったので、そのおもちゃの本来の遊び方をしておらず、感覚遊びが中心でした。それを周りの大人に「こう遊ぶんだよ」と直されるのを、息子はすごく嫌がっていたんです。
だけど体験授業で、先生がおもちゃで楽しそうに遊んでいたら、息子も笑いながら、先生を真似て遊んでいたんですよ。先生が楽しそうに遊んでいるのを見て、「自分もそういうふうに遊びたい」と思ったんだと思います。
先生は、子どもの「やりたい」という気持ちを引き出すのがすごくお上手だと感じました。
体験授業では先生からご両親に、どんな説明がありましたか?
「全部の発達が遅れているのではなく、この部分は平均ぐらいで、この部分はすごく優れていますよ」などと教えてくださって、安心しました。
具体的な対策も、細かく教えてくださったんです。
LITALICOジュニアに通う決め手は、何だったのでしょうか?
先生が「ここが課題なので、もしLITALICOジュニアに通うことになったら、ここに注力していきます」とおっしゃって、道筋が見えたことです。
通ってただ単に遊ぶのではなく、目的と「そこに向けてどう指導するか」ということを具体的に教えてくださったのが「いいな」と思った点でした。
それに、息子の生き生きした様子を見て「指導者によって、こんなに違うんだ」と感じたので、「ぜひこちらで授業を受けさせたい」と思って、通わせることを決めました。
語彙が増えて言葉で伝えられるようになり、落ち着いてきた

通塾してくださって1年3ヶ月になりますが、いちばん「Kくんが成長したな」と実感されるのは、どんな部分ですか?
「何々を取って」「何々ちょうだい」などと言葉で言えるようになったのが、通う前との大きな違いだと思います。
途中、癇癪がひどい時期があったんです。本当にひどくて、私たちもお手上げ状態だったんですが、最近は落ち着いてきました。やはり語彙が増えたことで、自分の要求などを伝えやすくなったみたいです。
最近は泣いているだけじゃなくて、「何々がしたかった」というふうに、泣いている理由を言葉で伝えてくれるようになったので、私も子どもの気持ちを理解できるようになりました。
あと、気に入らないことがあると壁に頭をぶつける癖もあったので心配でしたが、それも最近はだいぶ減りました。
コミュニケーションが取れるようになったのですね。LITALICOジュニアの授業では、要求の練習をされたんですか?
そうですね、今もしていただいています。最初は、コミュニケーションはゼロだったんです。簡単な身ぶりを教えようとしても、あまり覚えなくて。
一語文の発語も少なかったので、まず物の名前を覚えることから始まりました。色が好きなので、色の名前を覚えるのは割と早くて。そこから少しずつ語彙を広げていきました。
名詞からだんだん二語文にしていって、最近ようやく三語…まではいかないんですが、「僕、何々欲しい」くらいに今、いきかけているところです。
自分の好きなことはよく話しても、興味がないことには返事をしなかったりしますが、「息子なりに、だいぶ成長してくれたな」と思いますね。
Kくんは語彙が増えたことでコミュニケーションが取れるようになって、落ち着いてきたのですね。
そうですね。落ち着いたのは、要求の練習に加えて、「待つ練習」や「思い通りにならない時の対応の練習」もしているからかもしれません。一緒に数を数えたり、スマホのアプリのタイマーを使ったりして練習しています。
子どもに単に「待って」と言うのではなく、「子どもの気をどう紛らわせて、待たせられるか」ということを先生が一緒に考えてくださって、アドバイスをくださったので、そこが本当によかったです。
息子は数を数えるのが今は好きみたいなので、一緒に数を数えると待ってくれたりしますね。
素晴らしい進歩ですね!ご家庭でも、LITALICOジュニアの授業内容とリンクした取り組みをされているのですね。
いつも授業の終わりに、先生が「今日はこういう授業をしたので、おうちでもこういう風にしてみてください」と教えてくださるので、それを夫と共有して、声かけをしたりしています。
一時期、待つ練習が大きな課題になっていたので、夫が「一緒に何秒数えよう」とか「一緒に遊びながら待とうよ」などと言って、楽しみながら待つ練習をしたりしています。
待てない場面は主に食事と、あと息子は動画を見るのが好きなのですが、動画の途中に広告が入る時なんです。「あと何秒」と数字が減っていくのが目で見えるので、いい練習になるかなと思って。
減っていく数字を見ながらだと待てるみたいなので「数字を一緒に数えてみようよ」と誘ったりしています。
子育てがつらくなくなった

Kくんにとって、LITALICOジュニアはどんな場所だと思われますか?
毎日でも行きたい場所になっていると思います。週の序盤から中盤になると「リタリコ行く!」と言い出すんですよ。
家にないおもちゃがあることも理由かもしれませんが、とにかく「先生が優しい」ということが大きいと思います。
すごく褒めてくださるんですが、私や夫の褒め方とは違って的を射た褒め方、いいところを伸ばすような褒め方をしてくださるんですね。「すぐ」褒めるとか、「何々をちゃんと言えたね」などと「褒めている理由」を子どもに伝えるとか。
息子も「なぜ、いま褒められたのか」ということが分かるので、 嬉しいんでしょうね。そして「今度はこうしたら、もっと褒めてもらえるかな?」という気持ちが芽生える。そういうふうに「やる気」を導いてくれる場所だから、通いたがるのかなと思います。
「嬉しい」と感じることが多い時間を過ごしているようで、授業が終わっても帰りたがらないことも多いです。
ご両親にとっては、LITALICOジュニアはどんな存在ですか?
私たちにとっても、すごく学びのある場所です。
今まで私たちは、「どう育てていったらいいのかわからない」と感じることがありました。でもLITALICOジュニアで毎回「今日の取り組み」や「できたこと」などのフィードバックをいただけるので、それをもとに私たちも「こういうふうに教えたらいいんだ」とわかるようになりました。
子育て方針についても、LITALICOジュニアでいただいた資料を夫と共有して、二人で同じ方針で進めていけるようになりました。夫婦間での子育て方針の違いで悩むストレスがなくなったのは、だいぶ大きいです。
Kくんが通っていく中で、お母さまご自身には、お気持ちの変化はありましたか?
やはり、子育てがつらくなくなったということがあります。
息子が、いろいろなことが思い通りにいかなくても「妥協する」ということを覚えたのと同じく、私も「ここは仕方ないな」と、妥協することを学びました。
前は全部が目についてイライラしてしまっていたのが、息子は今も発達はゆっくりなんですけれども、「まあ息子のペースでいいかな」と思えるようになりました。
そう思えるように、先生がいろいろなことを教えてくださったことが本当にありがたいですね。
「Kくんは、こういうところは上手にできていますよ」などと教えてくださると「全部がダメなわけじゃないんだ」「こういうところは伸ばせばいいんだ」とわかって、気持ちがだいぶ楽になりました。そうしたら、「まずはこれに取り組もう」と、優先順位も見えてきたんです。
お母さまが、気になることを先生に相談できる機会もありましたか?
毎回、授業の最初と最後に先生が「気になる点はありますか?」と聞いてくださいます。それにLINEでもやり取りをしているので、授業のある日以外の日でも、気になることがあれば常に先生に聞ける環境があるのがいいと思います。
でも癇癪が起きたときは相談して、「その対応がいちばんいいと思いますよ」とアドバイスをいただきました。
またある時は、デパートの階段の踊り場で息子が寝転がって、癇癪を起こしたことがあって。その出来事があった週の授業の際に、先生に話しました。相談にのっていただけるだけでも、私の不安がだいぶ軽くなったこともありましたね。
先生に「これはこの年齢ではよくあることなのでしょうか?」と質問すると、先生がほかのお子様の事例などから教えてくれることもあります。ほかのお子さんにもうちの息子と似た特徴があったりして「うちだけの問題じゃないんだ」とわかり、気持ちがすごく軽くなりました。
LITALICOジュニアが気になっていて、お子さまを通わせるか迷っている方にメッセージがあれば、お願いいたします。
まずはやはり、体験授業を受けられるといいと思います。本当に気軽に受けることができましたし、先生方もすごく親身になってお話を聞いてくださいます。
「ちょっと気になっているだけなんだけど…」という方でも、体験授業は受ける価値があると思いますね。
先生からのコメント

発語があまり出ておらず、癇癪や人見知り、場所見知りもあったKくん。お母さまと離れるのも不安な様子だったので、お母さまと同室で授業をおこなううち「ここは安心で楽しい場所だ」と感じてくれるようになりました。
一番伸びたのはやはり、言葉だと思います。要求がある時に相手に手渡しをする練習やアイコンタクトをとる練習などから始めて、今は「先生その何々取って」などと、三語文も出てくるようになりました。
相手の立場に立って考える力がついてきたことを示す「ごっこ遊び」もできるようになり、遊びの中で「わあ、大変だ!救急車が助けに行かなきゃ!」などの言葉も言ってくれるようになりました。
人見知りと場所見知りについても、今は他の先生とも遊ぶことが出来るようになったり、4月から通う幼稚園の園開放にも行って徐々に慣れていったりと、すごく成長されましたね。
Kくんの成長に携わることができ、とても嬉しく思います。お母様からも日々の授業の中でお子様の成長をお聞きしたり、Kくんも授業に楽しんで参加をしてくださったりと、私も毎週Kくんやお母様にお会いするのが楽しみでした。
LITALICOジュニアに毎週通ってくださり、たくさん成長した姿を見せてくださり、本当にありがとうございました。
4月から幼稚園に行かれて環境が大きく変わりますが、今後も自分のペースで頑張ってほしいなと思っています。
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