
人や物への興味も、発語もなかった息子ー授業と家での連続した取り組みで、お友だちに自分から話しかけるようになった!
2025年08月07日公開 | LITALICOジュニア編集部
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Mくんは2歳で発達検査を受け、お母さまは利用できる公的支援を探したものの、空きが全くない状態でした。そこで、MくんはLITALICOジュニアのパーソナルコースの利用を開始しました。
今では3語文も出るようになり、お友だちに自分から話しかけにいくようになりました。
今回はそんなMくんのお母さまに、2歳からLITALICOジュニアに通わせることにした理由や、Mくんの成長とお母さまの変化について伺いました。
目次
プロフィール

Mくん
年齢:3歳
ジュニア歴:1年3ヶ月
困りごと
- 発語がほぼない
- 人や物に興味があまりない
- 要求を伝えられない
- おもちゃの遊び方がわからない
- 自分からお友だちと関わろうとしない
通ってからの変化
- 3語文が話せるようになった
- 「人と一緒に遊ぶのが楽しい」という気持ちが出てきた
- 言葉で要求を伝えられるようになった
- おもちゃの遊びの幅が広がった
- お友だちに自分から話しかけにいくようになった
発語がほぼなく、人や物にも興味がない様子だった

LITALICOジュニアの体験授業に来られたきっかけを教えてください。
息子は小さく生まれたので、ずっと発達が遅かったんです。主治医の先生とは「2歳になったら発達検査を受けて、それから言葉の教室や療育に通うといいのでは」というお話をしていました。
でも実際に探してみると、私は仕事をしているんですが、仕事をしながら今すぐ通わせることができる施設が少ないんです。
受給者証が使える施設を探していたんですが、全然空きがなくて。そこで自費で通えるところを探したら、LITALICOジュニアが近くて通いやすそうだったので、体験授業を受けに来ました。
当時のMくんは、どのようなご様子でしたか?
発達検査の結果は、特に「これができない」というよりは、全体的に遅れている感じでした。実際に周りの子どもと比べても、「できないこと」が何なのかもわからないくらい、全体的に遅い感じでした。
LITALICOジュニアの体験授業でテストのようなものを受けると、先生から「社会性を伸ばすことが必要ですね」というお話がありました。
私は、「言葉が遅い」ことだけが問題なのかと思っていたんです。
でも、言葉は「周りの人たちと関わろう」という気持ちから生まれるので、まず「人と関わる力」から育てる必要があることを知りました。
当時のMは、発語がほとんどない状態でした。
「『ママ』と言ってるのかな?」と思うような言葉がたまに出るくらいで、人にも物にもあまり興味を示さず、要求もありませんでした。
名前を呼んでも返事はせず、振り向く時もあるけど、呼んだから振り向いたのか、 音がするから振り向いたのかもわからない。
でも「癇癪がひどい」などの困りごとはなかったので、「個性なのかな」という気もしていました。
体験授業に来て、「ここに通おう」と思われた決め手は何でしたか?
Mが先生にすごく懐いたんです。他人にそれほど懐くタイプではないのにすごく懐いていたので、主人と「この先生すごくいいね!」と言いました。
私たちはとにかく、何らかの支援を始めたかったんです。Mも楽しそうだし、「いったん始めてから考えるのもいいんじゃない?」ということで、通わせることを決めました。
少しでも早く介入してあげたかった

「自費でもいいから始めよう」と思われたのは、なぜだったのですか?
調べる中で「発達障害のある子どもへの支援の開始は、早いほどいい」と目にしていたので、「少しでも早く介入してあげたい」という気持ちがありました。
LITALICOジュニアに決めてすごくよかったです。Mをよく見てくれていると思います。
他のところと比べて、先生の介入の仕方が全然違うんです。
すごく論理的に「今はこういう段階にいますよ」とか、息子のちょっとした様子に注目して「こういう理由でこの行動になっていると思うので、次はこういう風にするといいですよ」などと教えてくださいます。
息子の様子の一場面も無駄にしないで、成長させてくれている感じがします。
「先生がもし親だったら、Mはもっと伸びていただろうな」と思うぐらい、先生の見立ては的確で、本当に一つひとつが勉強になっています。
社会性を伸ばすにあたり、授業ではどういうことから始めたのですか?
「見て」「これやって」と声をかけて、やってもらうとか。物の名前を「言ってごらん」と言って、言えたら渡すなどしていました。
最初はこちらから「やってみて」と投げかけていたのが、だんだんMの方から「おもちゃ取りたいから、抱っこして」「これ開けて」などと、言葉で要求を伝えられるようになっていきました。
以前はおもちゃがあっても、遊び方がわからないので、嬉しくなさそうだったんです。レールがあっても動かすだけで、「つなげる」という発想もないようでした。
そこで「つなげると楽しいよ」と教えたら、徐々につなげて遊ぶようになりました。
そのうち「こうすると楽しいかも」という発想も出てきたようで、おもちゃで遊ぶ幅もすごく広がりました。
おもちゃを使って遊べるようになるのも、成長の一つなんですね。
その中で、私や先生と一緒に遊ぶのが楽しいという気持ちも、徐々に出てきたようです。
同室したことで、先生の言動すべてに意味があるとわかった

授業は、お母さまも部屋に入っておられますね。
最初の授業でMがすごく泣いてしまったので、私も部屋に入って、それからずっと一緒に授業を受けています。
今思うと、それがすごくよかったです。先生がどういうときに、どういう声かけをしているかを見ることができました。
先生も「今はこうだから、こういう声かけをしました」と解説してくださるので、「先生の言動一つひとつに意味があるんだ」とわかったんです。
それを毎週見ていると、私も真似できるようになって、家でも再現することができました。
わたしの場合は、もし授業をモニターで見ているだけだったら、「毎週通っているから大丈夫でしょ」と思って、家ではあまり実践しなかったかもしれません。
でも部屋に私も入って、「一見遊んでいるように見えても、実は先生はこんなにいろいろ考えて関わりをされている」とわかったからこそ、「家でちゃんと実践しよう」という気持ちが強くなったと思います。
お家では、どのように実践されましたか?
授業の後に先生が、「お家でこういうことをやるといいですよ」と教えてくださることをメモして、一週間なるべく意識してやりました。
「今はこういう感じです」という状況と、「次はこうなっていくといいですね」という「目標」も教えてくださるので、「何を目指して、それをやるのか」ということがよくわかりました。
<毎回授業後にお母さまが残されているメモ。授業でのお子さまの様子、次までの宿題が書かれている。>
「1週間やること」を大きな紙に書いて、よく見える場所に貼り、主人にも「今週はこれをやりたいから、こういう風にしてね」と共有しました。
主人と私が半々ぐらいで息子を見ているので、通塾日が近づくと「これはどうだった?」と報告し合って、それを授業の時に先生に報告していました。
先生に「これができました」と報告すると、私のこともすごく褒めてくださるので、嬉しかったですね。
お家でも取り組まれて、Mくんに変化はありましたか?
すごくありました。最近は、社会性がかなり高まってきたと思います。
以前はあまり「見て」とは言わなかったのが、今は「ママ見て!」「パパ見て!」ばかり言います。
そうしたら、今度は「これ、こうだよ」と2語や3語が出てきました。
あとは、保育園で覚えた遊びなどを、家で披露してくれたり。
保育園でのお友だちとの関わり方も、変わりました。以前は、自分からお友だちのところに行くことはあまりなくて、お友だちの方から来てくれたら「ああ」みたいな感じだったんです。
それが今は自分からお友だちのところに行って話しかけたり、「一緒に帰ろう」と言ったりしているようです。保育園に行くときも、「〇〇くんと遊ぶ!」と言ったりしています。
保育園の先生も、「すごく成長していますね」と褒めてくださいました。
先生のやり方を見て覚えて、家で実践した

ものすごい変化ですが、お母さまもたくさんの変化に気づかれていますね。
それも、先生のおかげで気づけたと思うんです。
1つの場面を見て、「ここまではできたけど、これはまだできない状況だから、あとは何々ができるようになると次のステップに行ける」と説明してくださるので、「ここができたらすごいんだ」と私も理解できる。
家でMに接していても、「あ、これができた!」とわかるようになりました。
プロの視点を知って初めて、自分でもそういう「小さな成長」がわかるようになったんです。
わかるからこそ、ちょっとできたときに「できたね!」と言ってあげられる。親としても嬉しいんです。
お母さまご自身にも、変化はありましたか?
声かけのバリエーションが増えました。「興味がない子に、興味を出させる関わり方」は考えたことがなかったので、そのやり方がわかって、すごく変わりましたね。
授業で先生がされていることを見て覚えたのと、先生からも「こうするといいですよ」とアドバイスをいただいて、実践しました。
例えば先生は「同じことを伝えるには、同じ声かけをするといい」とおっしゃって、繰り返し同じ声かけをされます。Mも「この声かけは、このことだ」とわかるようなので、家でも同じ声かけをしました。
それも言われてみないと、自分の声かけにブレがあることに気づかなかったんです。
Mは周りからの働きかけが必要な子なので、「私がちゃんとしないと」という気持ちがあります。
LITALICOジュニアに通って「私の働きかけで、子どもの成長がこんなに違うんだ」とわかったので、「私の成長なくして子どもは成長しない」と思っています。
先生は相談できる相手であり、子どもの成長を共有できる存在

Mくんとお母さまにとって、LITALICOジュニアはどんな場所ですか?
Mにとっては、ただ楽しい場所だと思います。お勉強的な要素が目的の場所だけど、「やらされている感」はなくて、楽しく遊んでいる感じがします。
私にとっては、Mの成長を共有できる場所ですね。先生が一番、Mの細かな成長に気づいてくださいます。
一般人が見て「これができた」と思う、はるか前の段階の芽を見つけて「これができたということは、2語文につながっていくと思いますよ」などと教えてくださる。
困ったことがあったら、相談すれば論理的で具体的な答えが返ってくるので、とても助けられています。相談できる相手、Mの成長を一緒に見てくれる存在です。
2歳から支援を始めて、本当によかったと思っています。先生には、本当に感謝しかありません。
未就園のお子さまは公的支援につながれないケースも多いのですが、そのような保護者の方にメッセージがあればお願いいたします。
日常の関わり方を少し変えるだけで、子どもは伸びる。特別なことはしていなくて、視点を変えて声かけをしたり、働きかけるだけで、うまくいく子もいる。
「親がそういうことを知って、実践できる」というだけで全然違うので、ぜひ来て欲しいです。未就園でも断然、おすすめしたいですね。
先生からのコメント

最初は目もあまり合わず、話しかけても反応がなかったMくん。学んでくれたのは、言葉が出る前の段階で「今できるスキル」を使って人と関わることの楽しさを知っていく、いわば「言葉の土台をつくるプログラム」です。
このプログラムは発語前の時期にも1個ずつスキルが設定されているので、「発語に向けて、成長が進んでいる」ということがわかるんです。
Mくんは社会性のスキルが一番伸びて、今では外で犬を触りに行ったり、 知らないおじいさんに話しかけたりするそうです。
「誰かと関わるのが楽しい」という気持ちがすごく育ったと思います。
お母さまがお家で日々実践してくださったからこそ、Mくんのスキルがすごく伸びたのだと思います。
私自身、Mくんの「できること」が増えていくのが楽しみでした。
お母さまが一緒に実践してくださったことがすごくありがたかったです。本当にお母さまのおかげだと思います。
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