モロー反射とは?いつまで見られる?激しいときの対処法も解説しますのイメージ画像

モロー反射とは、赤ちゃんが急にびくっと動き両手をあげ抱きつく動作をする、原始反射と呼ばれる反射的な運動のことです。

 

モロー反射をはじめて目にしたときは急な動きに驚かれたり、病気ではないのか、子どもの発達に問題はないのかと心配される保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

本記事では、モロー反射が表れる期間やモロー反射とよく似た疾患、対応法についてご紹介します。

モロー反射とは

モロー反射とは、生まれたときから備わっている原始反射で、外部からの刺激に対して赤ちゃんが自分の意志とは関係なく、反射的に起こす動きのことを言います。

 

赤ちゃんの頭を正面に向けて少し起こしたあと、急に頭を下げると、びっくりしたように両手を広げ、指もすべて伸ばして開き、続いて何かに抱きつくような左右対称の動作をします。急な大きい音に対して反応しモロー反射が起こることもあります。

 

モロー反射は、生後 0〜 4か月ごろまでにみられる正常な反応です。生後4ヶ月以降になると、大体の子どもはモロー反射が見られなくなります。

原始反射とは?

生まれたときから備わっている反射的な運動のことを原始反射と言います。反射とは、無意識に特定の筋肉などが動く現象です。

 

自らの意思によって動かす随意運動が発達すると、だんだんと原始反射は消えていきます。原始反射は、赤ちゃんが危険から身を守り、運動機能の発達のために必要な運動で、乳幼児健診で正常に見られるかを確認されます。

 

原始反射は、モロー反射の他にも、以下のようなものがあります。

 

自動歩行

 

自動歩行とは、まるで歩行しているような動作のことを言います。

 

赤ちゃんの両側の脇の下を立たせるようにして支え、足の裏を床に触れるようにして体を前かがみにさせると、足を交互に動かしてまるで歩いているような動作をします。

 

この反射は生まれたばかりのころにみられます。

 

把握反射

 

把握反射とは、人の指やものが触れるとぎゅっと握り締める動作のことを言います。

 

手のひらに人の指やものが触れるとぎゅっと握り締める把握反射を手掌把握反射といいます。足の裏を圧迫すると、足指も含めて内側に曲がる反射がみられます。

 

手の把握反射はものを握ることができるようになる生後 4 か月ごろ、足の反射は自分の足で立つようになる生後 11 か月ごろになくなります。

 

哺乳反射

 

哺乳反射は、口に入ってきたものを吸う動作のことを言います。

 

出生後すぐから反応が見られ、生後5〜7か月ほどでなくなります。生まれてすぐに母乳やミルクを飲むことができるのは、哺乳に関する一連の反射によるものです。

 

以下、一連の反射をまとめて「哺乳反射」と呼びます。

 

  • 探索反射
    口の周辺を刺激すると、その触れたものを探すように左右上下に顔を動かして口を開く動き
  • 捕捉反射
    唇に何かが触れると、その触れたものを探すように左右上下に顔を動かす動き
  • 吸きゅう綴てつ反射
    乳首や指を口でくわえると、舌をなめらかに動かして吸う動き

 

非対称性緊張性頸反射

 

非対称性緊張性頸反射は、決まった形で手足を曲げ伸ばす動作を言います。

 

仰向けの状態で寝ている赤ちゃんの頭部を片方に向けると、顔を向けた側の手足を伸ばして、反対側の手足を曲げます。生後5〜 6 か月ごろから消失していきます。

 

バビンスキー反射

 

バビンスキー反射は、足の親指が広がる動作のことを言います。

 

足の裏の外側を、少しとがったものでかかとからつま先に向けて刺激すると、足の親指が外側に曲がり、他の指は扇のように広がります。

 

バビンスキー反射は出生後すぐから反応が見られ、生後1〜2年程度で自然に消失します。

モロー反射の原因は?

モロー反射の原因は、音や光、感触など、外部からの様々な刺激です。

 

また、生後間もない赤ちゃんは手足をコントロールする力が未熟なため、自分自身の動きに驚いて、モロー反射が起こることもあります。

 

赤ちゃんを寝かそうとしてベッドに置いた刺激でモロー反射が起こって、赤ちゃんが起きてしまったという経験をされた方も多いのではないでしょうか。この場合、ベッドの温度や抱っこから降ろされる感覚がモロー反射を引き起こす原因となっている可能性があります。

 

このようにモロー反射は、赤ちゃんが外部の危険から自分の身を守るために起こる反応で、産まれて間もないころは危険の予測が難しいため、あらゆる外部刺激に対して反応してしまうと考えられています。

モロー反射はいつまで見られる?

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子どもの発達のスピードは一人ひとり異なるので、モロー反射が頻繁に現れる時期や消失する時期も子どもによって変わってきます。

 

ですが、モロー反射はおおよそ0〜4ヶ月の間に見られるとされています。生後4ヶ月を過ぎると、随意運動が発達し、大体の場合モロー反射が見られなくなります。

モロー反射がなくならない・見られないときは?

モロー反射はおおよそ生後 0〜4か月ごろまでに見られる反応です。

 

モロー反射があまり見られないとき、また、なくならないときは、脳や神経系に問題がある可能性があります。

 

子どもの発達は一人ひとり差があるので、モロー反射の頻度や時期も個人差が大きいですが、心配な場合はかかりつけの病院で診てもらうと良いでしょう。

 

モロー反射があまり見られない場合は、核黄疸により、運動機能や筋力が弱っている可能性があります。核黄疸は皮膚や眼球が黄色くなる黄疸の一種です。核黄疸は、ただ皮膚が黄色くなるだけではなく、脳機能や運動機能、筋力に影響を及ぼすことがあります。

 

また、モロー反射が本来消えている月齢をしばらく過ぎても現れている場合は、「脳性麻痺」の可能性があります。脳性麻痺は、脳が発達段階で何かしら障害を受け、運動機能や姿勢保持に困難を生じる状態を指します。

モロー反射とよく似た疾患は?

その動きにかわいらしさも感じられるモロー反射ですが、モロー反射の中でも動き方や程度、消失時期によっては何かしらの疾患のサインになることがあります。

 

ここではモロー反射の動きとよく似ている点頭てんかんについてご紹介します。

 

点頭てんかんは、生後4〜7ヶ月の赤ちゃんに多く見られる疾患で、「West症候群」とも呼ばれています。点頭てんかんのけいれんの症状をモロー反射と勘違いしてしまう可能性もありますが、反応の現れ方などに違いがあります。

 

以下、点頭てんかんの特徴から、モロー反射との違いを説明します。

点頭てんかんの見られる時期

 

点頭てんかんの多くは1歳未満(生後3ヶ月〜8ヶ月がピーク)に発症します。

点頭てんかん発作の出現するきっかけ

 

モロー反射は大きな音や大きな動きといった、何かしら赤ちゃんがびっくりするような刺激によって起こります。一方で、点頭てんかんの発作は、特にきっかけ無くいきなり起こります。比較的睡眠時に多く見られることが知られています。

 

点頭てんかんの症状

 

特徴的な症状としては以下があります。

 

  • 覚醒直後や眠いときに、突然頭部を前屈してうなずくような動作をする
  • 体を折り曲げるようにお辞儀をしたり、両上肢を振り上げたりする発作が数秒続く

 

上記のような症状が、生後3〜11ヶ月の間に1日に何回も現れる場合は、点頭てんかんの可能性が考えられます。

重篤なてんかん性脳症の場合は、数日〜数週間の単位で笑わなくなり、反応が乏しく不機嫌になります。また、首のすわりがなくなる、お座りができなくなるなど今までできていたことができなくなることもあります。乳児期に原因不明の退行がおこった場合は、点頭てんかんの可能性があります。

 

もし気になるような反応や動作が見られるときは、1ヶ月健診の際に相談したり、一度かかりつけの病院を受診してみるといいでしょう。

モロー反射と発達障害の関連は?

モロー反射が消失する時期になっても、繰り返しモロー反射が見られた場合、「発達障害なのかな?」と心配になる保護者の方もいらっしゃるかもしれません。しかし、モロー反射など原始反射が残っていることと発達障害との関連性は、はっきりと分かっていません。

つまり、モロー反射がなかなか消えないからといって発達障害というわけではありません。

 

モロー反射が続いて心配なときには、モロー反射の状況をよく観察しておき、場合によっては動画やメモなど記録をとっておくことがおすすめです。

 

どんなときにどんな様子のモロー反射が起こったか、またその頻度や強さなどを記録に残しておけば、医師に相談する際にも役立ちます。

モロー反射が激しいときは?

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モロー反射は、無意識的に反応する反射なので、激しくても多くの場合は心配ありません。とはいえ、モロー反射が激しく子どもが泣き出してしまい、不安に感じる保護者の方も多いのではないでしょうか。

 

そういった場合にできる対処法をいくつかご紹介します。

環境調整

モロー反射は周囲の音や光、自分の体勢が変わったなどの刺激に対して起こる無意識の反応のため、赤ちゃんにとって刺激となる要因ができるだけ少なくなるように、環境を整えてあげることが大切です。

 

具体的には、以下のような工夫をすると良いでしょう。

  • 大きな音をなるべく立てない
  • だっこから腕を抜くときなど、赤ちゃんの首の角度や体勢が大きく変わらないようにする
  • 扇風機の風やヒーターの光が赤ちゃんに直接当たらないようにする
  • 赤ちゃんを寝かせる寝具を体温と同じくらいに温めておく

おくるみを使う

赤ちゃんの手足をおくるみで包んであげることで、手足がほどよく固定され、モロー反射が起こりづらくなります。またおくるみを使うことで、赤ちゃんが自分の動きにびっくりして泣いてしまうことも防げます。

 

おくるみは、直接赤ちゃんに触れるものなので、刺激の少ない優しい肌触りの素材を選ぶのが推奨されています。暑い季節なら通気性の良いガーゼ生地やパイル生地、寒い季節ならフリース素材など、季節に適した生地のおくるみを選ぶと良いでしょう。

モロー反射のまとめ

モロー反射とは0〜4ヶ月の赤ちゃんに見られる自然な反応です。

モロー反射で赤ちゃんが泣いてしまったりなかなか寝付かない場合には、刺激の少ない環境を整えたり、上記でご紹介した方法を試してみてください。

 

モロー反射をはじめとする原始反射は、子どもの発達状態を確認する上で、大切な指標となります。モロー反射が見られる時期や動作の特徴などで、子どもの発達状態に問題がないか気づくきっかけになることがあります。

モロー反射を通して、少しでも不安を感じたときは乳幼児健診の際に相談したり、かかりつけの病院を受診することをおすすめします。

 

また、LITALICOジュニアでは、発達が気になる子どもへのサポートとして、一人ひとりのニーズや特性に合わせて学習やソーシャルスキルアップをメインとした授業を行なっています。

 

「発達が遅れているような気がする」「もしかしたら、うちの子、発達障害かもしれない」など、子どもの発達についてご不安なことや気になることがあれば、無料相談も受付しているのでぜひお気軽にお問い合わせください。

参考文献・URL