新生児が寝ないときは?寝ない原因や寝かしつけのポイントを紹介

新生児期の赤ちゃんはよく寝るとされていますが、実際にはなかなか寝ない場合や、寝ても睡眠が不規則だったりすることもよくあります。

 

赤ちゃんと同じリズムで生活する保護者の方は、睡眠不足から疲れが溜まったり、あるいは赤ちゃんがあまり寝ない状態を放っておいていいのか心配になる場合もあるかもしれません。

そこでこの記事では、新生児期の赤ちゃんが寝ない原因と寝かしつけのポイントについて説明します。赤ちゃんの睡眠などについて相談できる機関も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

新生児が寝ないで困る時

新生児が寝ないで困る時

生後28日までの新生児期の赤ちゃんは、1日の大半の時間を眠って過ごします。

個人差も大きいとされますが、新生児の1日の総睡眠時間は16~20時間であるとされています。

 

このため、「新生児はよく寝るものだと思っていたのに、うちの子はなかなかまとまった時間寝てくれない」と悩んでいる保護者の方もいるかもしれません。

 

また寝た場合でも、睡眠が短時間だったり、昼夜が逆転していることもあるかもしれません。

このため新生児期は、赤ちゃんと同じリズムで生活する保護者の方は疲れが溜まってくるころではないでしょうか。

 

ここでは、新生児が寝ないために保護者の方が困ってしまうパターンを紹介します。

新生児がなかなか寝ない場合もある

前述のように、新生児の1日の総睡眠時間には「目安」とされる指標があります。

しかし個人差が大きいとされているため、赤ちゃんがこの通りに寝ないことも多いでしょう。

 

日によっては、保護者の方が何をしても赤ちゃんが寝つかないこともあるかもしれません。

夜寝てくれない

新生児期の赤ちゃんは夜に長時間寝なかったり、昼夜が逆転してしまったり、寝ても数時間ごとに起きてしまうことも多いでしょう。

 

保護者の方はこのような睡眠リズムに「大丈夫かな?」と心配になったり、赤ちゃんと同じリズムで生活していくうちに睡眠不足になってしまうかもしれません。

授乳しても寝てくれない

新生児期の赤ちゃんは、授乳してお腹が満たされることで、その後スヤスヤと眠ってくれることがよくあります。

ただ、時には授乳してもなかなか寝てくれないこともあります。

 

このような場合は「ほかに何か原因があるのではないか」と気になり、放っておいていいのか判断に迷う保護者の方もいるかもしれません。

泣いていて寝てくれない

新生児期の赤ちゃんは、泣くことで「おむつが汚れている」「お腹がすいた」などの不快な感覚を伝えるとされています。

このため赤ちゃんが泣くと、保護者の方はおむつを確認したり、授乳したりと、不快の原因と思われるあらゆる要素を取り除こうとされると思います

 

しかし、時には赤ちゃんの不快の原因と思われることに対処しても、泣き続けていることがあります。

このため理由がわからないまま寝てくれず、困ってしまうことがあります。

抱っこしていてベッドに降ろすと起きてしまう

「赤ちゃんを抱っこしていると寝るのに、ベッドに降ろすと起きてしまう」という現象は珍しくありません。

「せっかく寝たのに、また寝かしつけをしなければならない…」と困ってしまう保護者の方もいるかもしれません。

新生児が寝ない原因とは?

新生児が寝ない原因とは?

新生児が寝ない原因には、以下のような要素があると考えられています。

不快なことがある

前述のようにこの時期の赤ちゃんは、排泄や空腹などの不快な感覚を、泣くことで伝えるとされます。

 

泣いていなくても、なかなか寝ない場合には「オムツが汚れている」「お腹がすいた」などの不快なことがあるために寝られない可能性も考えられます。

音などの刺激が気になる

感覚が敏感な赤ちゃんもいます。

 

赤ちゃんがなかなか寝ない場合は、部屋の明るさや音、衣服やシーツなどの触れているものなどの感覚が気になって寝られないのかもしれません。

 

例えば「抱っこしていると寝るのに、ベッドに降ろすと起きてしまう」という赤ちゃんは、抱っこからベッドに降ろされたときの体勢の変化や、抱っこされていたときの保護者の方の体温とベッドの温度との差に驚いて起きてしまうなどと考えられています。

眠りが浅い

新生児が短時間の睡眠を繰り返したり、少しの刺激でも起きたりしてしまうのは、眠りが浅いためだと考えられています。

 

ヒトの睡眠の状態は脳の活動の様子により、眠りの浅い「ノンレム睡眠」と眠りの深い「レム睡眠」に大きく分けられます。

ただし、2歳未満の乳幼児は睡眠中の脳波の状態が成人とは異なるため、ノンレム睡眠に相当する睡眠状態を「静睡眠」、レム睡眠に相当する睡眠状態を「動睡眠」と呼びます。

 

新生児の睡眠の約半分は、動睡眠だといわれています。

また、成人の場合は入眠時の睡眠はノンレム睡眠であるのに対し、新生児は動睡眠だとされています。

 

つまり新生児は寝てすぐは眠りが浅いため、少しの刺激ですぐに目覚めてしまうことがあるのです。

睡眠と覚醒のリズムがまだできていない

新生児の睡眠時間が不規則なのは、ヒトが生まれてくるときに持っている体内時計の周期が約25時間であることが理由です。

 

このため新生児期の赤ちゃんは、昼夜の区別なく、1~4時間の睡眠と1~2時間の覚醒とを繰り返すことが一般的です。

そして、毎日の睡眠時間にもばらつきがあります。

 

生後3ヶ月ごろまでは、体内時計と地球の1日である24時間の周期の調整がおこなわれる時期であると考えられています。

生後3ヶ月をすぎるころから、徐々に「昼間に起きていて、夜に寝る」という睡眠と覚醒のリズムになっていくとされています。

体調がよくない

赤ちゃんがなかなか寝ないだけでなく、泣いたりぐずったりしている場合は、体調がよくない場合もあるかもしれません。

 

鼻が詰まっていたり、アトピー性皮膚炎があったり、風邪をひいているなどの体調不良が夜泣きやぐずりの原因になっている場合もあります。

寝るのが苦手

赤ちゃんの個性は一人ひとり異なり、寝るのが苦手なタイプの赤ちゃんもいると考えられます。

 

新生児期は、まだお母さんのお腹から外の世界に出てきたばかり。

寝るのが苦手な新生児期の赤ちゃんは、出てきたばかりの外の世界でうまく眠りに入る方法を、一生懸命につかもうとしている時期なのかもしれません。

 

「不快のもととなる原因をすべて取り除いたのに、まだ泣いている」という場合は、もしかすると赤ちゃんは眠くて泣いているのかもしれません。

新生児の寝かしつけのポイント

新生児の寝かしつけのポイント

前述のように、新生児期の赤ちゃんがまとまった時間寝ないことや、睡眠時間が不規則であることは仕方がないことでもあります。

 

個人差はありますが、生後3ヶ月をすぎるころから睡眠と覚醒のリズムが昼夜と一致してくると考えられています。

このため、新生児期には睡眠時間のばらつきなどはそれほど気にしなくてもいいとされています。

 

この時期は、赤ちゃんが寝ている間に保護者の方も睡眠をとるなどして、体を休めるようにしてください。

 

一方で、新生児期であっても赤ちゃんの寝かしつけを工夫することができます。

以下のポイントに注目してみてください。

快適な温度にする

寝室や寝床の温度や湿度が、寝つきや睡眠の深さに影響するとされています。

 

新生児期の赤ちゃんは体温を調節する力が未熟なため、寝る際の服装だけでなく、寝室の温度にも気を配る必要があります。

 

季節に合わせて温度調節ができるといいでしょう。

 

湿度も暑さや寒さの体感に影響するため、加湿器などを使って適宜湿度を調整できるといいでしょう。

暗く静かにする

新生児期の赤ちゃんが寝る部屋は、できる限り暗くします。

遮光カーテンを使ったり、エアコンや加湿器、ベビーモニターなどの動作ランプなどもできればカバーするといいでしょう。

 

また前述のように、新生児期の赤ちゃんは眠りが浅いため、少しの刺激でも起きてしまいます。

赤ちゃんを寝かしつけるときは音を控えめにし、できるだけ静かな環境をつくりましょう。

授乳は暗い部屋でおこなう

新生児期の赤ちゃんはミルクを少しずつしか飲めないため、この時期は授乳の間隔が短くなります。

 

2~3時間おきの授乳が望ましいとされているため、新生児期は赤ちゃんが寝ていても2~3時間おきに起こして授乳するよう指導される場合もあるかもしれません。

 

夜中に授乳をおこなう際も、「寝ている時間は暗くする」という点は同じです。

授乳時に一時的にナイトライトなどをつけ、終わったら消して暗くしてください。

 

ただし赤ちゃんの成長には個人差があり、成長とともに1度に飲めるミルクの量も変わっていきます。

このため授乳間隔については、医療機関の指示に従ってください。

生活リズムをつくる

昼夜の生活リズムをつくることで、体内時計の調整をうながすことができると考えられています。

 

新生児期であり睡眠時間が不規則であっても、毎朝6〜7時ごろには寝室のカーテンを開けて部屋に日光を入れましょう。

日中は、赤ちゃんはたとえ寝ていても、リビングなどの生活音が聞こえる場所で過ごすようにします。

 

夜間の暗さと静かさ、そして日中の明るさとにぎやかさの違いを通して、赤ちゃんの体内時計が少しずつ調整されていくと考えられます。

安全面に留意する

赤ちゃんの睡眠中に発生しうるリスクの一つとして、「乳幼児突然死症候群(SIDS)」という病気があります。

それまで元気だった赤ちゃんが、何の予兆もないまま、睡眠中に突然死亡してしまう病気です。

 

乳幼児突然死症候群(SIDS)の原因はわかっていませんが、うつぶせに寝かせたときに発症率が高いことが研究から分かっています。

 

このため、医学上の理由でうつぶせ寝を勧められている場合以外は、寝かしつけの際は赤ちゃんをあおむけに寝かせましょう。

また、赤ちゃんの睡眠時のもう一つのリスクに窒息事故があります。

 

大人用の寝具に寝かせたために赤ちゃんの顔が埋もれてしまったり、寝具が赤ちゃんの顔にかぶさったりして、息ができなくなることで起こります。

赤ちゃん用の軽い掛けふとんや、顔が埋まらない硬めの敷きふとんを使うといいでしょう。

新生児が寝ないで不安なときの相談先

新生児が寝ないで不安なときの相談先

新生児期の赤ちゃんがなかなか寝ないのは仕方がないとはいえ、体調が悪くて寝られないのか、あるいは心配の必要はないのかという区別がつかず、不安になる場合もあるかもしれません。

 

ここでは、このような場合に相談できる機関を紹介します。

 

新生児期の赤ちゃんがいると外出が難しいかもしれませんが、電話で相談できる機関もありますので参考にしてください。

新生児の相談ができる窓口

  • 医療機関(産婦人科、小児科)
  • 保健センター
  • 児童家庭支援センター(子ども家庭支援センター)

自治体の子育て窓口

自治体にも、子育てに関する相談を受けつけている窓口が設置されている場合があります。

自治体により体制が異なるため、お住まいの地域の情報を確認してみてください。

 

例えば京都市の場合は、子どもに関する総合案内窓口である「子どもはぐくみ室」が各区役所・支所保健福祉センター内に設置されています。

助産師会の相談窓口

日本助産師会では、子育てなどに関する相談窓口を全国に設けています。

来所相談のほか、地域によっては電話やメールで相談できる場合もあります。

 

お住まいの地域の情報は、以下のサイトで確認してください。

新生児が寝ないときのまとめ

新生児が寝ないときのまとめ

新生児期の赤ちゃんがなかなか寝ないとき、保護者の方は放っておいていいのか不安になるときもあるかもしれません。

 

新生児期の赤ちゃんは体内時計が24時間のリズムにまだ合っていないことや、眠りが浅いことから、睡眠時間が不規則だったり、短時間の睡眠を繰り返したりする傾向にあります。

 

体内時計は月齢3ヶ月を超えるころから昼夜のリズムに合いはじめるとされていますが、新生児期でも寝かしつけにおいて工夫できることがあります。

この記事を参考に、無理のない程度に実践してみてください。