赤ちゃんの人見知りはいつから始まっていつまで続く?対応方法も紹介

赤ちゃんの人見知りの表れ方は、赤ちゃんによって異なります。人見知りが激しい赤ちゃんもいれば、ほとんどない赤ちゃんもいます。人見知りの期間が長かったり、周りの赤ちゃんよりも早く始まったりした場合、不安になる保護者の方もいるかもしれません。

 

また人見知りが激しい場合は、保護者の方が対処方法がわからずに困ってしまうこともあるでしょう。

 

そこでこの記事では、赤ちゃんの人見知りがいつから始まっていつまで続くのか、赤ちゃんが人見知りをする理由や人見知りへの対策、赤ちゃんの人見知りについて相談できる機関について説明します。

赤ちゃんの人見知りはいつから?

赤ちゃんの人見知りはいつから?

赤ちゃんの人見知りとは、保護者以外の人に会うと泣いてしまったり、泣かなくても不安そうな様子を見せたりする状態をいいます。

それまでは笑顔を見せていた人であっても、ある時期から急に、その人に会うと泣くようになる赤ちゃんもいます。

 

人見知りが周りの赤ちゃんたちより早く始まった場合、「これは人見知りなのかな?それとも、他に原因があるのかな?」と不安になる保護者の方もいるかもしれません。

 

また、赤ちゃんの人見知りがなかなか始まらなくても、心配になるかもしれません。

赤ちゃんが人見知りをはじめる時期

赤ちゃんが人見知りを始める時期について統一された見解はなく、文献や機関などにより、さまざまな時期が提唱されています。

 

厚生労働省の「保育所保育指針解説書」には、「おおむね6ヶ月」と記載されています。

 

しかし、乳幼児期の子どもの発達は心身共に個人差が大きいことが知られています。

人見知りも3ヶ月ごろから始まる赤ちゃんもいれば、1歳を過ぎてから始まる赤ちゃんもいます。

 

また、人見知りの程度や現れ方も赤ちゃんにより異なります。

 

保護者以外の人が視界に入っただけで大泣きする赤ちゃんもいれば、表情が固まるだけの赤ちゃんもいます。

保護者以外の人や見慣れない人と接したときに普段と違う様子であれば、それがその赤ちゃんの「人見知り」であると考えられるかもしれません。

 

「うちの子は人見知りをしない」という場合、保護者の方が「人見知り=泣く」と理解していたので、赤ちゃんが静かに人見知りしていたことに気づいていなかったという可能性もあります。

赤ちゃんの人見知りはいつまで続く?

赤ちゃんの人見知りはいつまで続く?

赤ちゃんの人見知りが激しい場合、保護者の方は「いつまで続くのかな」と不安になることもあるかもしれません。

 

人見知りが終わる時期についても統一された見解はなく、個人差も大きいとされています。

 

厚生労働省の「保育所保育指針解説書」では「おおむね1歳3ヶ月」とされていますが、赤ちゃんによっては2歳ごろまで続くこともあります。

 

赤ちゃんの人見知りは、始まったあとに一時期激しくなることもあります。

しかしいずれにせよ一時的な現象であり、赤ちゃんの成長とともにやがて自然におさまるとされています。

赤ちゃんが人見知りする理由

赤ちゃんが人見知りする理由

赤ちゃんが人見知りをする理由についてはさまざまな説がありますが、主に以下のような理由が考えられています。

愛着が形成されてきたから

人見知りは、赤ちゃんの記憶力が発達してきたため、知っている人と知らない人の区別ができるようになることから起こると考えられています。

 

人見知りが起こる時期にはまた、保護者の方が赤ちゃんの目の前からいなくなったときに赤ちゃんが泣いて追いかけてくる「後追い」もみられることがあります。

これは、赤ちゃんと保護者の方との間に愛着が発達していることの表れであると考えられています。

 

愛着とは、保護者や保育者などの養育者と赤ちゃんとの間に生まれる心の絆のことです。

愛着はその後の自我や社会性、意欲などの土台となるため、赤ちゃんの愛着の形成は発達の重要な過程の一つだと考えられています。

 

赤ちゃんが保護者の方以外に対して泣いてしまったりすると、とまどう保護者の方もいるかもしれません。

しかし、人見知りは愛着が形成されていることの表れであり、赤ちゃんが順調に成長していることの証であるため、むしろ喜ばしいことなのです。

近づきたいけど怖いという気持ちの表れ

人見知りは、赤ちゃんの「相手に近づきたいけれど、怖い」という心の葛藤を表しているとする研究もあります。

 

人見知りをする赤ちゃんを観察すると、保護者の方にしがみついて泣きながらも、相手をチラチラと見ていることがあります。

 

赤ちゃんの視線の反応の計測などから、これは「相手に近づきたい」「相手から離れたい」という相反する感情の表れであり、この時期の赤ちゃんがすでに心に「葛藤」を抱えるということを示唆していると考えられます。

赤ちゃんが人見知りをしないときは?

赤ちゃんが人見知りをしないときは?

赤ちゃんの発達には個人差があり、人見知りをしない赤ちゃんもいます。

このため赤ちゃんが人見知りをしない場合も、それが必ず問題や障害があることを意味するわけではありません。

 

また人見知りをする場合でも、人見知りの表れ方は赤ちゃんによって大きく異なります。

赤ちゃんが知らない人に対して泣かない場合でも、人見知りをしていないわけではないかもしれません。

 

知らない人がいると緊張している様子だったり、体を固くしたり、目をそらしたりと普段と違う様子があれば、それがその赤ちゃんにとっての「人見知り」だと考えられます。

 

しかし、側にいる人が誰であっても赤ちゃんの反応がまったく変わらなかったり、周りにいる大人が違う人に変わっても気づいていない様子がみられるような場合は、以下のような可能性も考えられます。

保護者の方が不安な場合は、のちの章で紹介する相談機関に相談してみるのも一つの方法です。

視力や聴力の影響

赤ちゃんが「周りの大人が誰なのか」を認識していない様子である場合は、視力や聴力の異常が原因となっている場合もあります。

 

この場合は呼びかけても反応がなかったり、周囲の様子に無関心であるなどの様子があわせてみられます。

発達障害の影響

ASD(自閉スペクトラム症)の特徴の一つに「人との関わりにおける困難」があります。

このことから派生して、他者への関心が薄い場合もあります。

ただしASD(自閉スペクトラム症)のある赤ちゃんは、逆に人見知りが激しい場合もあります。

 

このため、人見知りの有無だけでは発達障害を疑うことはできません。

発達障害の診断はほかのさまざまな症状なども踏まえて、専門家が総合的に判断する必要があります。

赤ちゃんの人見知りへの対策

赤ちゃんの人見知りへの対策

赤ちゃんの人見知りは順調に成長していることの証であり、時期が来れば自然におさまるとされているため、特に対処しなければならないことではありません。

 

しかし人見知りがあまりにも激しい場合は、保護者の方が困ってしまう場面もあるかもしれません。

 

そこでここでは、人見知りの時期をうまく乗り切るための対策を紹介します。

無理のない範囲で、できることを試してみてください。

無理強いしない

赤ちゃんが人見知りをする相手にあえて抱っこしてもらい、赤ちゃんにその相手に慣れてもらおうとする方もいるかもしれません。

 

しかし、これは逆効果だと考えられます。

赤ちゃんの心に嫌な記憶が残り、より激しく泣くようになるかもしれません。

 

赤ちゃんが人見知りをしているときは、無理強いしないようにしましょう。

「成長の通過点」だと割り切り、おさまる時期が来るのを待つのが基本的な対策だといえます。

 

周囲の人たちには人見知りの時期であることを伝え、理解してもらえるとよいでしょう。

保護者が楽しく接する

保護者の方が緊張感を持っている相手に対しては、赤ちゃんも人見知りをすることがあります。

これは、保護者の方の緊張感が赤ちゃんに伝わるためだと考えられます。

 

そこで、赤ちゃんが人見知りをする人と保護者の方が、楽しく接しているところを赤ちゃんに見せるとよいでしょう。

保護者の方がその人と仲良くしていると、赤ちゃんのその人に対する安心感も増し、人見知りにもよい影響があるかもしれません。

離れるときは声をかける

人見知りへのもう一つの基本的な対策は、赤ちゃんを安心させることです。

 

人見知りと同時に後追いもみられるようであれば、赤ちゃんは保護者の方と離れることに不安を感じていると考えられます。

赤ちゃんの目の前から保護者の方が急にいなくなるようなことはせず、離れるときは「ちょっと隣の部屋に行くけど、すぐ戻ってくるからね」と声をかけましょう。

 

そして戻ったら「戻ってきたよ」と声をかけ、抱きしめてあげるなどのスキンシップをとることで赤ちゃんは安心します。

赤ちゃんの人見知りで不安なときの相談先

赤ちゃんの人見知りで不安なときの相談先

赤ちゃんの人見知りは成長の証であり、一時的な現象であることから、特に対処が必要なわけではありません。

 

人見知りをする/しないについても個人差がかなり大きいため、人見知りをする/しないこと自体は心配する必要がない場合も多いでしょう。

 

もし赤ちゃんの人見知りがあまりにも激しく、保護者の方の人間関係に支障が出て困っているような場合は、専門家に人間関係の対処などのアドバイスをもらえるとよいかもしれません。

 

また、赤ちゃんが人見知りをまったくしない場合や人見知りが激しい場合で、ほかにも発達などの点で気になる様子があるような場合は、以下のような機関に相談することができます。

  • 小児科
  • 児童家庭支援センター(子ども家庭支援センター)
  • 保健センター
  • 児童相談所
  • 自治体の子育て相談窓口
  • 児童発達支援センター

LITALICOジュニアの児童発達支援

LITALICOジュニアでは、発達が気になる子どもを対象に、児童発達支援や放課後等デイサービス、幼児教室や学習塾を運営しています。

 

対象年齢は0歳からで、子どもの性格や興味、関心などを踏まえ、一人ひとりに合った方法でプログラムを提供しています。

診断や障害者手帳がなくても利用できる場合があり、無料相談もおこなっています。

 

人見知り自体は支援が必要な現象ではありませんが、人見知り以外にも赤ちゃんに気になる様子がみられる場合は、お気軽にご相談ください。

赤ちゃんの人見知りまとめ

赤ちゃんの人見知りまとめ

赤ちゃんの人見知りは、知っている人と知らない人の区別ができるようになったことや愛着が発達してきたことの表れであり、成長の証です。

 

人見知りは成長の一段階であり、ある時期が来れば自然におさまるといわれているため、特に対処が必要なわけではありません。

 

しかし人見知りがあまりに激しい、またはまったくない場合で、同時にほかにも発達が気になるような様子があれば、専門家に相談してみてもよいかもしれません。

 

LITALICOジュニアでも発達が気になる子どもを対象に、個別の指導計画を作成して最適な学び方を提供しています。

興味のある方は、ぜひお問い合わせください。