お役立ちコラム
クーイングとは?いつからするのか、喃語との違いも解説します
2024.05.02公開 / 2024.08.11更新

赤ちゃんが生後2~3ヶ月頃になると、それまでの泣き声とは違った声を発するようになってきます。
この音声は「クーイング」と呼ばれ、赤ちゃんが言葉を話すことができるようになるための準備段階の一つであると考えられています。
この記事ではクーイングとは何か、喃語とクーイングの違い、クーイングはいつからするのか、そして赤ちゃんがクーイングをしているときの対応方法について紹介します。


この記事を書いている会社:
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クーイングとは

クーイングとは、赤ちゃんが発する「あ、あ」「あー」「うー」などの、母音を中心とした一音節の音声のことです。
1歳までの時期は「前言語期」と呼ばれ、言葉を発することができるようになるための準備期間であると考えられています。
生まれてからしばらくの間に赤ちゃんが発する音声は、呼吸にともなう反射的な発声や泣き声が大部分を占めますが、やがてクーイングが見られるようになります。
クーイングは、赤ちゃんが機嫌のいいときや、ほかの人と関わっているときにすることが多いとされています。
喃語とクーイングの違い

赤ちゃんが発する声のもう一つの種類に「喃語(なんご)」があります。
喃語とは、 赤ちゃんが不明瞭ながらも、母音と子音の組み合わせで発する音声のことです。
クーイングが「あ、あ」「あー」「うー」などの母音を中心とした一音節の音声であるのに対し、喃語は「ばばば」などの「母音と子音を含む音節の反復」で構成されます。
一般には、赤ちゃんはクーイングをする時期を経て喃語へと移行していくとされています。
また、喃語の中にもいくつかの段階があるとされています。
喃語については以下の記事で詳しく説明していますので、参考にしてください。
クーイングはいつから?

赤ちゃんがいつからクーイングをしはじめるかについては、個人差があります。
一般には、生後2~3ヶ月頃にクーイングをしはじめる赤ちゃんが多いようです。
赤ちゃんは、生後1ヶ月ぐらいまでの新生児の時期には、喉の構造がまだ十分に発達していません。
このため、発することのできる声のほとんどは泣き声や、呼吸にともなって出る反射的な声です。
生後2~3ヶ月頃には下あごや喉などの構造が発達してきて、大人の喉の構造に近づくとされています。
舌をよく動かせるようになるため、音をつくることができるようになり、クーイングをしはじめると考えられています。
そして一般に、生後4~6ヶ月頃の時期にクーイングから喃語に移行していくとされています。
クーイングから喃語への移行期には、赤ちゃんが声を出すことで自分の声を確認していたり、音であそんでいたりするかのような様子が見られることもあります。
赤ちゃんがクーイングをしていたら

赤ちゃんがクーイングをする意味については、さまざまな説があります。
クーイングは赤ちゃんが機嫌がよかったり、リラックスしていたりするときに出やすいため、「赤ちゃんの意思表示としての意味はあまりない」とする考え方もあります。
一方、表情や手足の動き、視線などとともに、赤ちゃんはクーイングをすることでコミュニケーションを取ろうとしているという説もあります。
いずれにせよ、赤ちゃんがクーイングをしているときは、大人がやさしく応答するといいとされています。
大人が赤ちゃんのクーイングに応えることで、赤ちゃんは「自分の声に応えてくれた」と理解し、大人との間に情緒的な絆ができていくと考えられています。
赤ちゃんが発した「あー」「くー」などの発声をそのまま真似てもいいですし、赤ちゃんの名前を呼んだり、「そうなの」などと答えるように話しかけてもいいでしょう。
赤ちゃんの発育に関する相談先

赤ちゃんの言葉の発達では、個人差が大きいことが知られています。
しかしそれでも、一般に「目安」とされている時期と赤ちゃんの様子が違う場合には、不安に思う保護者の方もいるかもしれません。
赤ちゃんの言葉の発達や、そのほかの発育についても不安がある場合には、以下の相談機関を利用することができます。
小児科
小児科は症状がある場合だけでなく、育児について相談したいことがある場合にも利用できます。
また小児科の中には、育児相談ができるプログラムを設けているところもあります。
【参考】
子育て支援センター
子育て支援センターは、子育て家庭に対する育児支援をおこなう施設です。
子育てについての相談を受け付けており、電話や対面での相談のほか、オンラインでの相談にも対応している施設もあります。
また、子育てをしている方々の交流の場でもあり、遊具や絵本などを備えたフリースペースが開放されている場合もあります。
子どもと一緒にあそびながら、保護者の方同士が情報交換などをすることもできる場です。
【参考】
保健センター
保健センターは、健康づくりに関するサービスを地域住民に提供する公的機関です。
子育てに関する相談にも応じており、必要な場合は専門機関に紹介してくれます。
【関連ページ】
発達が気になる子どもの学習塾
LITALICOジュニアは、発達が気になるお子さまを対象とする児童発達支援や放課後等デイサービス、幼児教室や学習塾を運営しています。
対象年齢は0歳からで、子どもの特性や興味、関心にあわせた授業を提供しています。
また、無料オンライン相談もおこなっています。
赤ちゃんの発達や育児について気になること、不安なことなどがある場合は、お気軽にご相談ください。
クーイングについてまとめ

クーイングとは赤ちゃんが発する母音を中心とした一音節の音声のことで、赤ちゃんが言葉を発することができるようになるまでの段階の一つであると考えられています。
「クーイングをいつからするのか」についての一般的な目安はありますが、赤ちゃんの発達には個人差があります。
赤ちゃんの発達について気になることがある場合には、この記事で紹介した相談機関や、LITALICOジュニアの無料オンライン相談をぜひご利用ください。
【参考】
- 高知県教育委員会「3 コミュニケーションに関する発達段階表(前言語期)」
- 福岡市私立保育士会「 乳幼児のコミュニケーション能力を育むために」
- みやき町子育て応援サイト「平成29年10月10日」
- 東根市総合保健福祉施設 東根市さくらんぼタントクルセンター「赤ちゃんの言葉の土台って何?」
- 認定NPO法人はままつ子育てネットワークぴっぴ「生後1か月の赤ちゃんですが、指をしゃっぶたり、あやすと声を出して笑います。どんな遊びがおすすめですか。」
- 一般社団法人日本赤ちゃん学協会・編集、小椋 たみ子、遠藤 利彦、乙部 貴幸・著「言葉・非認知的な心・学ぶ力」(中央法規出版・2019年)
- 秋田喜代美・監修、遠藤利彦、渡辺はま、多賀厳太郎・著, 編集「乳幼児の発達と保育: 食べる・眠る・遊ぶ・繋がる」(朝倉書店・2019年)
- 長谷川 博、村木 里志、小川 景子・編集「人間の許容・適応限界事典」(朝倉書店・2022年)
- 藤永 保・監修「最新 心理学事典」(平凡社・ 2013年)