「 子どもの会話力を育む。コミュニケーションの支援法【LITALICOジュニアの支援事例】 」
お子さまのご様子・支援内容
会話のキャッチボールが苦手な状況にはさまざまな要因が存在していることがあり、以下のようなご様子、お悩みでご相談いただくことがあります。
(1) 一方的に話してしまう
人としゃべるとき、自分が話すことに意識が集中してしまい、会話が一方的になってしまうことがあります。
要因はさまざまで、順番を待つことが苦手だったり、会話には順番があるという理解が難しい、「話したい」という思いが強すぎてしまったりする、などが考えられます。
【支援ポイント】「話す順番」を視覚化する
このようなお子さまへの支援として、目に見えない「話す順番」を視覚的にわかりやすくして学ぶためのゲームを行いました。
具体的には『マークを付けている / ○○を持っている / 帽子を被っている人がお話をします』というルールのもと、会話をする時間をつくりました。
ただ言葉で「順番だよ」と伝えるのではなく、帽子などのアイテムを使うことで、お子さまは「いつが自分が話す番か」を視覚的に理解しやすくなります。
この体験を繰り返すことで、普段の会話の中でも相手と交互に会話することを意識できるようになることを目指します。
このように、視覚補助を活用しながら実践的に練習することで、お子さまは自分の体験を通じて順番に話すことを学ぶことができます。
(2) オープンクエスチョンに答えることが苦手
「宿題は終わった? / おやつは食べた?」など、「はい / いいえ」で答えられる質問に答えることは得意な一方で、「学校はどうだった? / 今日は何があったの?」といった、答え方が決まっていない質問に答えることは苦手なお子さまがいらっしゃいます。
その結果、質問の意図とずれた返答になってしまったり、話があちこちに飛躍してしまったりして、聞き手がお子さまの話の文脈を汲み取りにくいこともあります。
このように、言葉で表現することに難しさを抱えるお子さまへの支援として、視覚的な補助を活用した学習支援が有効です。
【支援ポイント】絵カードを用いた学習
このようなお子さまへの支援として、絵カードを用いた学習があります。
情景や人の動作を表した絵カードなどをお子さまに見せ、「何してる? / これは誰? / どこ? / いつ?」など、5W1Hの質問を投げかけ、答えてもらいます。
自分自身が経験したことを話すことは難しくても、イラストの情景のように客観的な状況であれば話しやすいというお子さまも少なくありません。

【支援ポイント】「いどだな台紙」を用いた発表練習
「いどだな」とは「いつ・どこで・だれが・なにした」の頭文字です。
いどだな台紙は、この「いつ・どこで・だれが・なにした」が書かれた支援カードを指します。
この台紙に沿って自身の経験を話すことで、相手に自分の経験を伝えるために必要な情報を順序立てて伝える力を育むことができます。

自分の経験を話す際に話があちこちに飛んでしまったり、状況説明が不足してしまい相手に伝わりにくかったりするお子さまへの支援として、視覚的な補助を活用して学習をすることはとても効果的です。
「いつの話? / 何をしたの?」など、具体的な質問であれば質問の意図に沿って答えることができるお子さまは少なくありません。
その力を活かしながら練習を繰り返すことで、お子さま自身が「どう話せば伝わるか」を体験しながら学んでいきます。
そしていずれは、補助がなくても自分の力で分かりやすく話せるようになることを目指します。
ご心配な場合はご相談を
お子さまの発達に不安を感じる保護者さまは多くいらっしゃいます。
しかし、子どもの発達には個人差があります。
コミュニケーションの発達にも個人差があるため、焦らずゆっくり見守ることが大切です。
「コミュニケーション以外にも子どもの発達で気になることがある」「子育てで悩んでいる」など、心配なことがある場合は、かかりつけ医や療育・発達支援の教室へご相談することをおすすめいたします。
※あくまで支援の例になります。利用教室、利用される枠、個別支援計画書の内容などによって支援内容が異なる場合がございます。
お子さまの発達にお悩みの方に
LITALICOジュニアでは、一人ひとりのお子さまの得意や苦手を見つけ、その子にあった教育を実践しています。
対面での指導とオンラインを通じた在宅での指導が選べます。
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