怒りをコントロールできない娘、度重なる親子喧嘩、自己嫌悪する母。つらかった日々、負の連鎖を断ち切ったのは「LITALICOジュニアのオンライン授業」でした
2023年09月26日公開 | LITALICOジュニア編集部
しかし、LITALICOジュニアの授業を通じて自分の気持ちを抑えるスキルを身に着けた現在は、落ち着いて学校生活を送れるまでに成長。現在は新たな目標に向かって日々努力を続けています。Nちゃんのお母さまに、利用開始からこれまでの変化について伺いました。
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プロフィール
Nちゃん
年齢:11歳
困りごと
- 感情のコントロールが苦手
- 人の話を最後まで聞くことが難しい
- 周りの人に手が出てしまうことがあり、学校で注意されることが度々あった
通ってからの変化
- 怒りの感情をコントロールできるように
- 人の話を落ち着いて聞くことができるようになってきた
- 思い通りにならないとき、妥協ができるようになった
- 親子間のコミュニケーションが向上した
怒りの感情をうまくコントロールできなかった
どのような経緯でLITALICOジュニアを利用されることになったのでしょうか?
娘は幼少期から感情をコントロールするのが苦手でした。特に、何か気に入らないことがあったときに怒りを抑えることがなかなかできず、一度怒り出すと気持ちが落ち着くまでにかなり時間がかかっていました。
当時通っていた幼稚園では、先生のことを叩いたり押したりしてしまい、園から呼び出されて注意を受けることも何度かありましたね。そのことがきっかけで病院を受診し、娘に発達障害があることがわかったんです。ちょうどその時期に、親友から「LITALICOジュニアというところがいいみたいだよ」と聞いて教室のことを知り、通い始めることにしました。
そうだったのですね。当時、ご自宅でも何か困りごとはあったのでしょうか?
家でも、怒りが爆発すると何を言っても聞き入れてくれず、大きな声を出して騒ぎ続けていました。そんなときにどのように対応したらいいのかがわからなくて。私も割と感情的になりやすい方なので、娘と言い合ううちに親子喧嘩のようになってしまうこともありました。わが子を可愛いと思う気持ちはあるのに、うまく接することができないことに対して自己嫌悪に陥ってしまい、つらかったですね。
「娘を支えてあげなきゃいけない立場なのに…」「ほかのお母さんと比べて自分はちゃんとできていない」と1人で悩んでいました。
落ち着いて学校生活を送れるようにまで成長
現在、Nちゃんはご自宅からオンラインで授業を受講されているそうですね。いつもどのような流れで授業を受けられているのでしょうか?
娘の授業が始まる前に、まずは私の方から先生に直近の困りごとについて相談する時間を作っていただいています。その中で、今日の授業で取り組みたいことや話し合いたいことがあれば希望をお伝えします。
先生との話が終わった後、娘を部屋に呼んで3人で話をすることもあれば、私が退席して娘と先生の2人で授業を進めることもあります。
お母さまも積極的に授業に参加されているのですね。
はい。週に2回の授業は、子どもが学ぶための場でありますが、私自身が子どもとの関わり方を学ばせていただく場でもあると感じています。先生にはいつもいろいろな相談をさせていただいているんですよ。
オンライン授業の受講を始めてから、Nちゃんの様子に変化はありましたか?
LITALICOジュニアの授業を受けるようになってから、自分の感情をきちんとコントロールしながら学校生活を送れるようになりました。怒りが抑えられずに先生やお友だちに対して迷惑をかけてしまうこともまったくなくなったので、とても驚きました。娘にとっては大きな進歩です。
家の中ではまだ時々感情が爆発してしまうこともあるのですが、きっと学校ではLITALICOジュニアの授業で教わったことを意識しながらがんばっているんだと思います。
当初の課題を克服されたのですね!最近はどのようなことに取り組んでいるのでしょうか?
人の話を最後まで聞けないという課題を克服するために、今は相手と落ち着いて話し合いをする練習をしています。授業ではテーマを1つ決めて、それについて先生と一緒に意見を出し合うんです。このとき、「人の話を最後まで聞きましょう」「相手の話の途中でどうしても話したくなったときは手を挙げてから発言しましょう」「反対意見を言う前に、必ず相手が話してくれたことに一度共感の言葉を伝えましょう」という3つのルールを守りながら、話し合いを進めます。
相手の話をちゃんと最後まで聞いて、もしその意見に賛成できない場合でも「なるほど、そうだよね」と一度相手に共感をしてから「私はこう考えます」と話せるようになるのが今の目標です。
〈授業で学んだことを忘れず実践できるようにメモされているお母さま〉
子どもとへの言葉の掛け方がわかり、気が楽になった
Nちゃんと一緒に授業を受ける中で、お母さま自身が変わったと感じることはありますか?
気持ちが楽になりましたね。LITALICOジュニアの授業を受け始める前は、娘とどう関わっていけばいいのか悩むことが多かったのですが、今は困ったときに先生に相談できるので、とても心強いです。
先生の説明は分かりやすくて、いつもストンと落ちてくる感じがあるんですよ。教えていただいた声かけの仕方がなかなかうまく実践できないときでも、先生は「大丈夫、大丈夫」と励ましてくださるので助かっています。これまでは子育てに対して「1人でがんばらなきゃ」という意識があったのですが、先生が温かい言葉をかけてくださるので、肩の力が抜けたような感覚があります。本当に先生に出会えてよかったと思っています。
Nちゃんへの声の掛け方について、先生からはどんなアドバイスがありましたか?
「なるべく具体的に話をしてあげてください」というアドバイスは特に参考になりました。
例えば、娘が落ち着いて椅子に座ってくれないとき、今までは「ちゃんと座りなさい」という伝え方をしていたんです。でも娘には「ちゃんと」がどういう状態なのかがわからないんですよね。だから、「背筋を伸ばして姿勢よく座って」という伝え方をしたり、実際に「こうするんだよ」とお手本を見せたり、できる限り具体的に伝えるように意識するようにしました。
表現の仕方を少し変えることでNちゃんにも伝わりやすくなったのですね。
そうですね。それから、娘との衝突を防ぐために「頭ごなしに注意するのをやめる」ということも授業を通じて学んだことです。
娘は勉強にあまり興味がないタイプで、以前は自分から進んで宿題やテスト勉強をしてくれなかったんです。私はそのことが気になってしまって、「宿題はやったの?」「テスト勉強をしなさい」と、つい口うるさく言ってしまっていたんです。それが原因で娘と揉めることもありました。
先生に相談してみると、「勉強しなさい」といった命令のような伝え方だと喧嘩になってしまうけど、事実を伝えることはしていいというアドバイスをいただいたんです。たとえば、テスト勉強をする必要があるときは、近々テストがあるという事実を伝えるために「○日はテストだよね」と声を掛けるんです。頭ごなしに注意するのをやめ、本人を信じて見守るようにしてからは、娘も気持ちが軽くなったようで、テスト前には自発的に勉強をするようになってくれました。
親子のコミュニケーションが活発になり、関係も改善
Nちゃんとの関わり方について工夫を重ねた結果、親子関係に何か影響はありましたか?
娘と言い合いになることが減り、親子の関係性がいい方向に向かっていると感じます。
これまで娘は学校で起きたことをあまり私に話してくれなかったんですよ。お友だちとトラブルになったときも、そのことを私に教えてくれず、他のお母さんから「こんなことがあったみたいだよ」と聞いて初めて知ることもありました。それが、言葉の掛け方を変えるように意識し始めてからは、娘が私にいろいろな話をしてくれるようになったんです。
多分、これまでは私が娘にどのように声かけしたらいいのかがわからなかったから、娘の方も私に対して話がしづらかったんだと思います。でも、先生が子どもとの関わり方を教えてくださり、いただいたアドバイスを実践したことで、娘の心境も少しずつ変化したのだと感じています。
Nちゃんはお母さまにどんなお話をしてくれるのですか?
「学校、どうだった?」と聞くと、人間関係のこととか、お友だちから聞いたことを話してくれます。学校で起きたうれしかった出来事、楽しかったことを教えてくれるときは私もやっぱりうれしい気持ちになりますね。何気ない日常のやりとりではありますが、以前までは考えられなかったようなことなんですよ。
それは何よりです。最後に、LITALICOジュニアを利用して一番よかったと思うポイントについて教えていただけますか?
子どもがいい方向に変わってくれたというのはもちろんですが、一番変化したのは親である私の方なのかもしれないと思っています。何か悩むことがあればすぐに先生に相談できるのはやっぱりとてもありがたいです。
先生のアドバイスのおかげで、娘とのコミュニケーションも以前よりずっと取りやすくなりました。それによって子育てに悩んでいた昔と比べて「少しいいお母さんになれたかも」と自分を肯定できるようにもなりました。
先生からのコメント
LITALICOジュニアに通い始めたときは、怒りのコントロールが苦手だったNちゃん。当初は、思い通りにならないときに床でのたうち回ったり、無理やり自分の意見を押し通そうとする様子が見られました。しかし、授業を受けていただくうちに、相手の意見を聞いて妥協することができるようになりました。我慢することをとてもよくがんばっているので、えらいと思います。
また、Nちゃんのお母さまは常にお子さまのことを第一に考えていらっしゃって、週2回の授業にも積極的に参加してくださっています。Nちゃんが興味を持ったことを大切にされているのも素敵だと感じています。