赤ちゃんが言葉をしゃべるのはいつから?言葉の発達を促し方発育に関する相談先も紹介します

赤ちゃんは成長が著しく、少し前にはできなかったことが、急にできるようになったりします。保護者の方も、毎日が新しい発見や経験がいっぱいなのではないでしょうか。

 

同時に、「ちゃんと成長しているかな」「ほかの子と比べて遅れている…?」という悩みごとも出てくるかもしれません。

 

赤ちゃんの成長に関するお悩みの中でも、特によくあるお悩みが言葉の発達についてです。

 

周りの子と比べて、言葉が少なかったり、言葉が出ていないと不安に感じるかもしれません。

 

本記事では、赤ちゃんの言葉を促すポイント、困ったときの相談先などについてご紹介しますので、子育ての手助けになれば幸いです。

赤ちゃんが言葉をしゃべるのはいつから?

赤ちゃんが言葉をしゃべるのはいつから?

赤ちゃんがしゃべり始める時期の目安と、言葉の発達段階を月齢ごとにご紹介します。

 

ただし、赤ちゃんがしゃべり始める時期や、成長のスピードには個人差があります。

泣く:生後0ヶ月頃

しゃべるとは違いますが、この時期の赤ちゃんの主なコミュニケーション手段が泣くことです。

赤ちゃんは泣くことで、空腹や排泄など不快な状態であることを表現します。

クーイング:生後2~3ヶ月頃

生後2〜3ヶ月頃になると、泣き声とは違った「あー」「うー」というような声をだすようになります。

 

これはクーイングといって、口腔(こうくう)内が発達したことで出るようになる柔らかい母音の発声です。

 

赤ちゃんがリラックスしていたり、機嫌が良いときに出やすいと言われています。

 

※口腔:口からのどまでの間の口の中の空間

子音が混じった声:生後4ヶ月頃

生後4ヶ月頃になると、子音が混じった声も出すようになります。

 

例えば、「ぶー(bu)」のような音を発するようになります。この「b」の部分が子音です。

喃語:生後5~6ヶ月頃

生後5〜6ヶ月頃には、「ばばば」というような子音と母音が連続する喃語がみられるようになります。この頃には、喉だけではなく舌や唇を使って発声するようになります。

 

1歳頃にかけて、赤ちゃんは音の調節や肺から出る空気の調節などもできるようになっていき、発音もはっきりしてきます。

一語文:1歳頃

1歳頃になると、「まんま」は食べ物のこと、「わんわん」は犬のことというように、言葉とその意味の結びつきが分かるようになり、意味のある一語文として話すようになります。

 

また、「もっと」、「だっこ」というような欲求も、言葉で伝えるようになっていきます。

二語文:1歳半頃〜2歳半頃

1歳半頃〜2歳半頃になると、「ママ、だっこ」「でんしゃ、きた」など、単語を組み合わせて、徐々に長い文章を話すようになります。

 

話せる言葉が増えたり、二語文で話せるようになると、周囲とコミュニケーションを取りやすくなります。また、意思を伝えるのもうまくなる時期です。

赤ちゃんが言葉をしゃべるのを促す時のポイント

赤ちゃんが言葉をしゃべるのを促す時のポイント

ここまででご紹介した目安とくらべて、子どもの言葉の発達がゆっくりで、何かできることはないかと思われている保護者の方もいるのではないでしょうか?

 

赤ちゃんの発語を促すために、周囲の人ができることはあるのでしょうか?

ここでは、赤ちゃんの言葉を促すためにできることをいくつかご紹介します。

 

しかし、先程ご説明した通り、赤ちゃんの言葉の発達には個人差があります。

 

ここでご紹介する取り組みも、日常の中で無理のない範囲で、楽しみながら取り組んでいけると良いでしょう。

赤ちゃんが言葉を発したらそのまま真似をする

赤ちゃんが話したいという気持ちを高めるためには、赤ちゃんの言葉に反応することが大切です。

特にクーイングから1語文にかけては、赤ちゃんが言葉を発したらそのまま言葉を真似して返してあげましょう。これを逆模倣と言います。

 

この時期は正しい言葉に修正するのではなく、そのまま言葉を真似して言葉を増やすことを優先しましょう。

そうすることで、「言葉を話したら反応してもらえた」「話すことって楽しい」と赤ちゃんが感じるようになり、言葉を話す意欲につながります。

たくさん話しかける

身の回りにあるものや、赤ちゃんが興味を示したものなどを言葉で説明してあげましょう。

 

目で見たものを言葉として耳から聞くことによって、言葉とその意味を一致させていき、語彙量を増やすことができるようになっていきます。

 

たとえば、子どもが犬に興味を示したときに「わんわん、かわいいね」と言ったり、車が通ったときに「ぶーぶ、きたね」などと声をかけると良いでしょう。

先回りして話さない

赤ちゃんが言葉にする前に、赤ちゃんの行動を見て先回りをしてしまっていませんか?

 

例えば、おもちゃを取りたそうにしているときに、「おもちゃが取りたいんだね」と言って、赤ちゃんが言葉を発する前におもちゃを渡してしまうと、言葉にしなくても要求が叶ってしまいます。

そうすると赤ちゃんが言葉で伝える機会が減り、言葉で伝える必要性も感じにくくなってしまいます。

 

言葉を引き出すために、要求を言葉で伝えることを促しましょう。

 

親の手をひっぱってほしいものを伝えようとするときには、「なにがほしいの?」など質問することで言葉を話す機会をつくってあげましょう。

言い間違いを指摘しない

ついつい言葉の言い間違いを指摘してしまうこともあると思いますが、何度も繰り返し指摘されることで話すことに苦手意識を持ってしまう可能性があります。

 

言い間違いは、成長と共に自然に修正されるので、言葉や発音が間違っていても自然に修正されることが多いので、無理に直す必要はありません。

 

たくさん言葉を話せるようにするために、正確な発音よりも発語を増やすことを重視すると良いでしょう。

絵本を読み聞かせる

赤ちゃんに絵本を読み聞かせをしている方も多いと思います。

 

絵本を読み聞かせるときには、絵本を指さしながら「○○してるね」「たのしそうだね」などと話しかけながらおこなうことで、赤ちゃんが言葉の意味を学び、語彙力を伸ばしていくことができます。

 

絵本は、赤ちゃんが楽しめるように、赤ちゃんが好きな音やカラフルな絵を使って作られていることが多いので、興味を引き出す手助けにもなります。

 

さまざまな事柄に興味が出てくると、声に出して伝えたいという意欲につながります。

 

絵本の読み聞かせは、親子のコミュニケーションの機会にもなるので、寝る前などに時間をとれると良いかもしれません。

赤ちゃんが言葉をしゃべるのが遅いときは?

言葉がなかなか出てこなかったり、言葉が増えなかったりすると、不安や焦りを感じてしまう保護者の方もいらっしゃると思います。

 

しかし、赤ちゃんの頃から一人ひとり性格はばらばらなので、言葉の発達のスピードもさまざまです。

 

あまり心配し過ぎず、先程ご紹介した発語を促すポイントを参考にしながら、赤ちゃんとのコミュニケーションを楽しんでみてください。

 

それでも不安な場合には、専門家の意見を聞き一人で悩まずに子育てをしていくと良いでしょう。

赤ちゃんの発育に関する相談先

赤ちゃんの発育に関する相談先

子どもの発育について不安があるときに利用できる相談先をいくつかご紹介します。

 

不安なことがある場合は、以下を参考にして専門家に相談することもご検討ください。

子育て支援センター

子育て支援センターでは、子どもに関するさまざまな相談にのってもらえたり、相談内容に応じて、専門機関やサービスの紹介をしてもらうことができます。

 

気軽に立ち寄れる交流の場も提供しているので、ぜひ利用してみてください。

保健センター

保健センターは市町村が運営しており、乳幼児期の子どもの発達・発育に関する相談にのってもらうことができます。

 

そのほかにも、予防接種やがん検診、健康相談、健康講座などの健康増進事業、障害に関する相談支援などを行なっています。

助産師による電話相談

日本助産師会では、助産師による電話相談ができます。

 

「言葉が遅い」「夜泣きがひどい」「子育てがつらい」など子育てに関するさまざまな悩みを聞いてもらうことができます。

 

子育て相談以外にも、思春期・妊娠・出産に関する相談にものってもらえます。

 

以下のホームページから、各都道府県の相談窓口をご覧いただけます。

LITALICOジュニアでの言葉を促す指導事例

LITALICOジュニアは、発達が気になる子ども向けの児童発達支援・放課後等デイサービス・幼児教室・学習塾を運営しています。

 

LITALICOジュニアでは言葉を促す指導もおこなっています。

実際にLITALICOジュニアに通って、言葉が話せるようになった指導事例についてご紹介します。

3歳かよちゃん(仮名)の指導事例

かよちゃんは3歳になり、保育園から言葉が遅れていると指摘されました。

同年齢の子どもと比べると、言葉数が少ないことを保護者も心配されていました。

 

LITALICOジュニアに通う前のかよちゃんは、目が合わず、名前を呼んでも反応がなく言葉でのやりとりが難しい状況でした。一方でボール遊びが好きで楽しんでいる様子が見られました。

 

そのため、まずはかよちゃんの好きなボールを転がしたりしながら一緒に遊び、「人と関わることって楽しい」と実感してもらい、「声を出したい」、「話したい」という意欲を高めていきます。

 

遊びながら「ころころ」「びゅーん」など、子どもが興味を持って真似をしてくれそうな言葉を使いながら、言葉を引き出すような働きかけもします。

 

真似して言葉を発することができたら、「ころころって上手に言えたね!」などと褒めることで、成功体験にもつながります。

 

真似したら褒めてもらえるという成功体験を積むことで、自分から「ころころ」「ぴかぴか」など言葉を発するようになりました。

 

LITALICOジュニアでは、子どもへの指導と同時に保護者の方へのサポートもおこなっております。

 

ご自宅での子どもとの関わり方や普段悩んでいることについて、スタッフがお話をお伺いして、子どもに合わせた具体的な接し方・声かけなどをお伝えしています。

 

実際の授業を体験することもできますので、気になった方はぜひ一度お問い合わせください。

赤ちゃんが言葉をしゃべるのはいつから?のまとめ

赤ちゃんが言葉をしゃべるのはいつから?のまとめ

ほかの赤ちゃんと比べて、「うちの子は言葉がでていない」「言葉が少ない」など、言葉の発達について気になってしまうことがあるかもしれません。

 

しかし、性格や環境は一人ひとり異なるので、赤ちゃんの発達には個人差があります。

心配しすぎず、子どもの成長の過程をゆっくり見守ることも大切です。

 

ただ、子育ての悩みを一人で抱える必要はありません。心配なことがあれば、保健所やかかりつけ医で相談すると良いでしょう。

 

LITALICOジュニアでも、無料相談をおこなっています。

保護者の方や子どもの状況に合わせて、地域の相談先をお伝えしたり、子どもとの関わり方のご提案などをしています。

 

LITALICOジュニアでは、言葉の発達が気になる子どもの指導実績も豊富にあるので、子どもの言葉の発達について気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。

  • 監修者

    鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授/LITALICO研究所 客員研究員

    井上 雅彦

    応用行動分析学をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のための様々なプログラムを開発している。