1歳半の言葉の発達の目安は?言葉が出ない原因やトレーニング方法なども解説します

「1歳半検診で言葉の遅れがあった」「周りの子どもに比べて言葉が遅れているのでは」と、子どもの言葉で悩んでいる保護者の方もいるのではないでしょうか?

 

1歳半の子どもは「ママ」「ブーブー」など意味のある言葉を使い出すと言われている時期です。

 

子どもの成長には個人差があるとはいえ、その時期に言葉をなかなか使わないと不安になることもあるでしょう。

 

そこでこの記事では1歳半の子どもの言葉の発達の目安や、遅れがある場合の原因、トレーニング方法などを紹介します。

1歳半の言葉の目安は?

ここでは1歳半の子どもに見られる言葉の発達の目安を紹介します。

 

文部科学省の「保育所保育指針解説書」によると、1歳半頃の子どもは「やだ」といった拒否を示す片言や「ブーブー」などの一語文を使い、2歳になる頃には「マンマ ほしい」などの二語文を話しはじめるとされています。

 

こういった言葉の発達には個人差や段階があるため、ここではその段階を追って紹介します。

言葉はコミュニケーション方法の一つ

目安をお伝えする前に抑えておきたいポイントとして、言葉はコミュニケーション手段の一つだということです。大人であっても言葉以外にもジェスチャーや表情などさまざまな手段を使ってコミュニケーションを取ります。

 

子どもも同様に、言葉以外に「アイコンタクト」「指差しなどのジェスチャー」などを使うことがありますし、はっきり表出されなくても言葉自体を理解していることもあります。

 

発達には個人差が大きいです。子どもが言葉をなかなか話さないからといって、それだけで判断せず身体の成長など他のことも含めた目安の一つとして参考にしていただければと思います。

言葉の発達の目安

子どもが成長に従って言葉をはじめとするコミュニケーションをどのように取っていくのか、目安を紹介します。

 

生後5ヶ月ごろ

このころはまだ言葉は使いませんが、生後2ヶ月くらいから「あー」「うー」などの母音をつかったクーイングと呼ばれる声を出すようになっていきます。

 

また泣くときも機嫌がいいときと悪いときの声が段々と分かれてくるなど、感情表現が見られるようになっていきます。

 

5ヶ月から6ヶ月ごろ

このころになると子どもは「あーあー」といった2つ以上の音を発する「喃語(なんご)」を使うようになってきます。自分の欲求を音で表現し、大人がそれにこたえる形で情緒的な関係を築いていく時期です。

 

6ヶ月から1歳3ヶ月ごろ

この時期は「言葉の芽生え」とも言われていて、「マンマ」「わんわん」などの意味を伴った一語文を話すようになっていきます。また、取ってほしいおもちゃを指さすなど言葉だけでなくジェスチャーで要求を伝えるようにもなっていきます。

 

ほかにも名前を呼ぶと振り返る、大人から「ちょうだい」と言われると手に持っていたものを渡すなど、話しかけられた際に反応を示すようになっていきます。

 

1歳3ヶ月から2歳ごろ

この時期は引き続き一語文を使っていますが、段々と語彙も増えて来るにしたがって、使用する言葉も増えていきます。

 

また、1歳半から2歳になるころには「マンマ ほしい」「わんわん いる」などの二語文を使いはじめる子どももいます。

 

「1歳半になっても喋らない」と上記の目安と異なることで不安になる方もいると思います。しかし、言葉の発達は個人差が大きいため、焦らず見守っていくことも大事です。

1歳半の言葉の遅れの原因や理由は?

1歳半を含めた言葉の発達の目安をお伝えしましたが、目安と比べて言葉の発達に遅れが見られる場合の原因として考えられることを紹介します。

 

ただし発語が遅れているからと言って必ず以下のような原因があるというわけではありませんので、言葉の発達をはじめ気になることがある場合はこの後紹介する支援機関など専門家のいる場所に相談するようにしましょう。

全般的な運動発達の遅れ

全般的な運動発達の遅れがある場合、発話に関連する舌の動きや呼気の調節などが未成熟で言葉の遅れが生じることがあります。

言葉の意味は理解しているが表出していない可能性

子どもが言葉を話さない原因として、大人が話す言葉は理解をしていても、それが表に出ていないだけという可能性があります。

 

言葉は話さないけど指さしをしたり、話しかけられたら反応を示すといったときは、何らかの理由で表出していないことが考えられます。

 

こういった場合はある時急に話し始めることもあるので、焦らずに見守ることも大事です。

聞こえが影響している可能性

言葉を使わない原因として、耳の聞こえが関係していることもあります。

音声言語はまず音として耳で聞いて理解していくため、何らかの原因で大人の話す言葉が聞こえていない場合は話すことも遅れていくことがあります。

 

大人からの声掛けに反応しないといった場合は、聞こえが影響している可能性もあります。

1歳半検診のときに言葉の発達とともに聴覚の検査もおこなわれますので、気になる場合は医師に確認してみるといいでしょう。

発達障害や知的障害が関係している可能性

言葉の遅れに、発達障害や知的障害といった障害が影響していることもあります。

 

知的障害があることで発達が全体的にゆっくりとなり、言葉にも遅れが出ている可能性があります。

 

発達障害の場合、自閉スペクトラム症(ASD)などにより、言葉の遅れやこだわりの強さ、コミュニケーションの困難さなどが生じることがあります。

 

ただし、障害があるからと言って必ず発語が遅れるわけではありません。あくまで原因の一つとして捉えていただき、不安がある場合はかかりつけ医や支援機関に相談してみましょう。

1歳半の言葉のトレーニング方法

1歳半の言葉のトレーニング方法

ここでは1〜2歳ごろの子どもの言葉の発達を促す方法についていくつか紹介します。

体験と言葉を結びつける

言葉のトレーニングとして、体験と言葉を結びつける方法があります。楽しみながら言葉を学んでいくことで子どもの語彙力を増やしたり、話すことへの意欲を高めていくことにつながります。

 

方法として子どもの興味をひきやすいおもちゃを使い、おもちゃを動かしたり、音を鳴らしたりしながら大人がそれに関連する言葉を発します。

 

おもちゃの動きにあわせて「クルクル」「ドンドン」といった、子どもが楽しみながら真似しやすい言葉を探しながら、言葉の数を少しずつ増やしていくことで、発語を促すことができます。

絵本の読み聞かせをする

言葉を話せるようになるまでには、多くの言葉を聞いて学ぶ必要があります。語彙力を増やすために、絵本の読み聞かせをするという方法もあります。

 

絵本の読み聞かせをする際は「言葉を教えよう」とするのではなく、子どもが絵に興味を持って楽しめるような絵本を選ぶことが大切です。また、読み聞かせするときも一方的に文を読みあげて言葉を聞かせようとするのではなく、子どもが何に注意を向けているか観察し、絵や絵本の中のしかけ、音声に対する子どもの反応を見ながら、「絵本を通して子どもとコミュニケーションを取る」ということを心がけるといいでしょう。

 

トレーニングは子どもが興味や関心を持って楽しめるような活動を通して、子どものペースに合わせておこなっていくことが大事です。

 

どういった絵本を選べばいいか迷うときには、赤ちゃんの言葉を引き出すことを目的とした絵本もあります。

発語を促す知育玩具で遊ぶ

言葉の発達を促す知育玩具を活用する方法もあります。

 

イラストが描かれた言葉カードや、タッチすることで音声が出る図鑑など、子どもが楽しみながら自然に言葉を身につけることができる知育玩具があります。

 

こういった玩具は年齢や発達の段階にあわせて種類がありますので、子どもの興味関心も考えながら取り入れていくことも方法の一つです。

 

そのほか、運動発達を促す身体を使った遊びや遊具を使った遊び、また、物を噛む・舐める・吸うなどの口腔機能の発達を促す練習などが考えられます。

子どもの発達に関する相談先

子どもの発達に関する相談先

ここでは言葉の遅れがあるなど、子どもの発達が気になる方が相談できる支援機関を紹介します。

保健センター

保健センターは地域の住民の保険や衛生を支える行政機関で、1歳半検診・3歳児検診などもおこなっています。

 

決まった育児相談日に窓口での相談をおこなうほか、電話相談、家庭訪問をして相談を受けることもあります。「医療機関に相談するか悩んでいる」といった相談も受け付けていて、子どもの状態にあわせてアドバイスや医療機関・支援機関の紹介もしてくれます。

児童相談所

児童相談所は、18歳未満の子どもに関する相談を受け付けている行政機関です。発達の遅れも含めて子育てに関するさまざまなことを相談することができます。

 

児童相談所では子ども本人・家族・学校の先生といった方からの相談に対して、児童福祉士・児童心理士・医師などの専門スタッフが助言などの対応をしていきます。

子ども家庭支援センター

子ども家庭支援センターは子ども、家庭、地域住民などの相談に応じ、必要な助言、指導をおこなう施設です。また、児童相談所、児童福祉施設など、関係する機関の連絡調整もおこなっています。

 

相談を受け付けるほか市町村からの依頼に応じて、乳幼児健診、家庭訪問事業、発達障害児の支援教室への職員派遣、教員研修への講師派遣といったさまざまな活動をおこなっています。

発達障害者支援センター

発達障害者支援センターは、発達障害のある方への総合的な支援をおこなう専門機関です。

 

発達障害のある方と家族が豊かな地域生活を送れるように、年齢を問わずに相談に対して保健、医療、福祉、教育などの関係機関と連携しながら指導・助言をおこなっています。

児童発達支援センター・児童発達支援事業所

発達障害など障害のある子どもに、身近な地域で支援を提供する施設です。

障害のある児童を通所させて、日常生活における基本的動作の指導、自活に必要な知識や技能の付与または集団生活への適応のためのプログラムをおこなう施設です。

 

対象となるのは児童相談所、市町村保健センター、医師などにより療育の必要性が認められ「通所受給者証」が交付された子どもで、診断や障害者手帳は必須ではありません。

LITALICOジュニアのご利用もご検討ください

LITALICOジュニアは児童発達支援事業所を各地で運営しています。

 

言葉に遅れがあるなど発達の気になる子どもに対して、その子どもの特性や興味関心にあわせた授業の提供をおこなっています。

 

また、受給者証がなくても通うことができる幼児教室もあります。「言葉の遅れが気になる」といった場合はぜひ一度ご相談ください。

1歳半の言葉の発達についてのまとめ

子どもの成長は一人ひとり個人差があり、それは環境によっても大きく変わってきます。

 

言葉の発達も同様にさまざまな要因により、個人差が大きくあります。

徐々に話すようになる子どももいれば、それまで話さなかったのが急に話すようになる子どももいます。

 

周りの子どもと比べて「うちの子どもは言葉に遅れがあるのでは」と不安になることもあると思いますが、言葉を引き出す関わりをしながら長い目で見守っていくことが大事です。

 

言葉以外にも発達で気になる点があるときなどは、1歳半検診のときや身近な支援機関に相談するなど周りの支援も活用していくことも選択肢としてあります。

参考文献

  • 監修者

    鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授/LITALICO研究所 客員研究員

    井上 雅彦

    応用行動分析学をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のための様々なプログラムを開発している。