障害児保育とは?支援内容や利用方法も解説します

「障害児保育」という言葉をご存じでしょうか?

 

保育所に通わせたいものの、子どもの発達が気になっていたり、子どもになんらかの障害があったりする場合は、制度は整っているのか、十分なサポートや支援を受けられるのかなど、気になる保護者の方もいるかと思います。

 

障害児保育とは、障害のある子どもに必要なサポートや支援をしながら保育することをいいます。この記事では、障害児保育の種類や支援内容、利用方法について詳しく解説します。

障害児保育とは?

障害児保育とは?

障害児保育とは、障害のある子どもに必要なサポートや支援をしながら保育することで、主に保育所や障害のある子どもを対象とした保育所、児童発達支援施設などでおこなわれます。

 

障害児保育は制度として設けられているわけではなく、障害を持つ子どもに対しておこなわれる保育の総称を指します。

 

障害児保育を利用するためには、保育が必要で、障害による困難さから特別なサポートや支援を必要とすることが条件となっています。

 

また、集団保育が可能であることや障害者手帳を持っていることなど、自治体によって基準は異なるので、利用を検討する場合は事前に確認する必要があります。

障害児保育の種類

障害児保育の種類

障害児保育には、障害のある子どもと障害のない子どもを同じ環境下で保育する「統合保育」と、状況に合わせて個別で対応する方法があります。

統合保育とは?

統合保育とは、障害のある子どもと障害のない子どもを同じ環境下で保育することを指します。

 

障害のある子どもは障害のない子どもから刺激を受け、障害のない子どもは障害のある子どもへの理解を深められます。統合教育だけでなく、状況に応じて、子どもに合わせたサポートや支援を個別におこなうこともあります。

 

また、統合保育と似た言葉に「インクルーシブ保育」があります。

 

統合教育は、障害の有無を区別しながら同じ環境下で保育することを指す一方で、インクルーシブ保育とは、子ども一人ひとりが多様であることを前提に、障害の有無にこだわらず、自分に合った配慮を受けながら学べることを目指す「インクルーシブ教育」を、保育にとりいれたものです。

障害児保育の支援内容

障害児保育の支援内容

障害児保育で受けられる支援内容について紹介します。

子ども一人ひとりに合わせた支援

障害児保育では、身体障害や発達障害、知的障害(知的発達症)など、なんらかの障害のある子ども一人ひとりに合ったサポートをおこないます。

 

例えば、手を動かしにくい子どもには食事補助や持ちやすいスプーンを用意したり、音に敏感な子どもには静かな場所を設けたりイヤーマフを貸し出したりします。

保護者とのコミュニケーション

保護者の中には、子どもの発達状況や自宅での関わり方など、悩みや困りごとがある方もいるかと思います。

 

障害児保育では、障害のある子どもへのサポートだけでなく、子育てに関する相談をしたりアドバイスを受けたりすることができます。担任の先生などから話を聞くことで、不安を取り除くことができたり、状況の整理ができたりするでしょう。

加配保育士

障害児保育をおこなっている施設の場合、加配保育士が配置されていることがあります。

 

加配保育士とは、障害のある子どもや集団生活を送るにあたって困りごとを抱えている子どもに対しサポートができるよう、通常の職員数に加えて配置する保育士を指します。

 

身辺自立の支援や集団生活におけるサポートなど、子ども一人ひとりに合わせた支援をおこないます。

障害児保育を利用するには?

障害児保育を利用するには?

障害児保育を利用する方法や相談先について紹介します。

利用方法

障害児保育を利用するには、要件を満たしたうえで手続きをおこなう必要があります。要件や手続きの手順は自治体によって異なるので、利用を検討する場合は事前に確認するようにしてください。

 

例として、新宿区の要件と手続きを紹介します。

 

受け入れる対象の児童

  • 障害の程度が中度/軽度であること
  • 集団保育が可能であること
  • 新宿区に住んでいること

手続きの流れ

まずは、締め切り日までに必要書類を揃えて入園申し込みをおこないます。申し込みの際は、所定の診断書や障害者手帳など、子どもの状況の分かるものが必要です。内々定となった場合、保護者と子どもに対して面接を実施します。

 

その後、提出書類や面接内容を園長や担当者、必要に応じて医師や子ども総合センターの職員などが確認し、保育所での集団保育が可能かどうかを判断します。

 

内定となった場合、再び保護者と子どもに面接を実施し、健康診断を受けてもらいます。

相談先

障害児保育の相談先には、主に「施設」「自治体の窓口」「民間の相談窓口」があります。

 

施設に相談する

保育所や障害のある子どもを対象とした保育所、児童発達支援施設など、検討している施設に直接相談をします。

 

自治体の窓口に相談する

地域の児童相談所や保健所、児童家庭相談窓口を活用することも可能です。

 

民間の相談窓口を利用する

自治体の窓口以外にも、社会福祉法人「日本保育協会」などの民間の相談窓口も存在します。

 

障害者保育の相談先はさまざま存在するので、保護者の方が相談しやすい窓口を選ぶようにしてください。

障害児保育についてまとめ

障害児保育についてまとめ

障害児保育とは、障害のある子どもに必要な支援をしながら保育することを指します。子ども一人ひとりに合わせたサポートだけでなく、保護者の相談に乗ってくれたり、アドバイスをくれたりします。

 

障害児保育を実施する施設は年々増えています。子どもに合った環境を整えながら、必要に応じて障害児保育の活用を検討してみるとよいでしょう。

 

LITALICOジュニアでは、「集団行動が苦手」「言葉が遅い」など発達が気になる子ども一人ひとりに合わせた授業をおこなっています。

 

障害者手帳を持っていなくても利用することができるので、気になる方は資料をご覧ください。