新生児の沐浴のやり方は?いつまで必要かについても解説

沐浴とは、赤ちゃんに個別におこなう清潔ケアのことです。新生児期の赤ちゃんは細菌などへの抵抗力が弱いため、大人と一緒に入浴せず、ベビーバスなどの個別の浴槽にて清潔ケアをおこなうことが推奨されます。

この記事では沐浴の目的や沐浴のやり方、いつまで必要かについて解説します。沐浴をはじめ、育児について分からないことがある場合に利用できる相談先も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

沐浴とは

沐浴とは

沐浴とは、生後1ヶ月ぐらいまでの新生児の時期に、ベビーバスなどの赤ちゃん専用の浴槽を使っておこなう赤ちゃんの清潔ケアのことです。

 

沐浴をおこなう理由は、赤ちゃんは生後間もない時期には細菌への抵抗力が弱いため、大人と同じ浴槽でお風呂に入るのではなく、個別に入浴をおこなうことが推奨されているためです。

 

赤ちゃんは新陳代謝が盛んで、汗や皮脂の分泌も多く、おしっこやうんちで皮膚がかぶれてしまうこともあります。

しかし、赤ちゃんの肌が乾燥してしまうなどの影響も考えられるため、必ずしも毎日沐浴をおこなう必要はないとされています。

赤ちゃんの様子や気温など、さまざまな状況に応じて沐浴の頻度を調整するといいでしょう。

沐浴の目的

沐浴の目的

沐浴には、赤ちゃんの体をきれいにする以外にも、以下のような目的があるとされます。

赤ちゃんの状態を確認する

沐浴は、赤ちゃんの体を見てひっかき傷や肌荒れなどがないか確認する機会にもなります。

 

ただし、のちの「沐浴のやり方」の章で詳しく説明しますが、沐浴は全工程を5~10分程度で終わらせることが推奨されています。

「沐浴の手順」の項で紹介する「観察のポイント」を踏まえておき、順番に確認していくといいでしょう。

スキンシップをとる

沐浴では、沐浴をおこなう人の肌と赤ちゃんの肌が触れ合うため、スキンシップをとる機会にもなります。

 

やさしいスキンシップを受けることにより、赤ちゃんは安心感を得るという考え方もあります。

沐浴のやり方

沐浴のやり方

ここでは、一般的な沐浴のやり方を説明します。

 

沐浴をおこなう時間帯について特に決まりはなく、家庭の都合のいいタイミングで、赤ちゃんの様子をみておこなうといいでしょう。

 

ただし、以下の場合は沐浴を避けた方がいいとされます。

  • 授乳直後
    授乳した直後に沐浴をおこなうと、場合によっては赤ちゃんがミルクを吐いてしまう可能性もあります。
    授乳した時は、少し時間を置いてから沐浴をおこなってください。

  • 赤ちゃんの体調がいつもと違う時
    赤ちゃんに以下の様子がある時は、沐浴は避けた方がいいとされています。

  • 37.5℃以上の熱がある時
  • 元気がないなど、いつもと様子がちがう時
  • 咳や下痢がひどい時

沐浴をお休みする日は、お湯で濡らして絞ったガーゼやタオルで赤ちゃんの体を拭くといいでしょう。

沐浴の準備

沐浴をはじめる前に、以下の準備を整えておくといいでしょう。

 

準備するもの

ここで紹介する沐浴の方法では、以下の物を使います。

  • ベビーバス
  • 湯温計 
  • ベビーソープ(刺激の強くない、赤ちゃん用のもの)
  • 洗面器
  • ガーゼハンカチ2枚程度
  • バスタオル1~2枚
  • 沐浴中に赤ちゃんをくるむ布(ガーゼなど)
  • おむつと着替え
  • 保湿剤(ローションやクリーム、オイルなど赤ちゃんの肌に合うもの)
  • ヘアブラシ
  • 赤ちゃん用綿棒

沐浴をおこなう場所は?

沐浴をおこなう場所は、必ずしも風呂場でなくてもかまいません。

お湯などを使いやすく、かつ排水しやすい場所であれば沐浴ができます。

 

例えばシャワー付き洗面台でおこなうほか、浴室のバスマットの上にベビーバスを置いておこなうなどの方法もあります。

 

室温と湯温の調整

赤ちゃんが寒くないよう、室温を20~25度にしておきます。

 

お湯の温度は、夏場は38℃、冬場は40℃程度に調整します。

赤ちゃんがやけどをするのを防ぐために、素手で確認するのではなく、必ず湯温計を使ってお湯の温度を確認してください。

 

着替えの準備

赤ちゃんをお湯から出した際にすぐ服を着せられるよう、服とおむつをあらかじめセットしておくと便利です。

ベビーウェアの内側に肌着を重ねて袖を通しておき、おむつも広げておきます。

 

沐浴をおこなう人の準備

沐浴をおこなう人は、髪が長い場合は髪をまとめ、赤ちゃんを傷つけないよう爪を短くしておき、アクセサリー類は外しておきます。

 

また、手を石けんでよく洗って清潔にしておきます。

沐浴の手順

赤ちゃんは体が小さいので、短時間で体が温まります。

長湯すると赤ちゃんが疲れてしまったり、肌の乾燥をまねく可能性もあるため、赤ちゃんがお湯に入っている時間を3~5分程度にします。

また、全ての工程を5~10分程度で終わらせるようにするといいでしょう。

 

ここでは、ベビーバスなどにお湯を溜めておこなう沐浴の方法について説明します。

 

1 赤ちゃんの顔を拭く

広げたバスタオルの上に赤ちゃんを寝かせ、お湯で湿らせたガーゼで顔を拭きます。

目もとは、目頭から目尻へ向かってやさしく拭きます。

おでこや鼻の下、あごも拭きます。

 

2 赤ちゃんを裸にして、状態を観察する

赤ちゃんを裸にしたら、全身を観察します。

 

観察するポイントは、頭や背中、首や耳の後ろ、脇やももの付け根、おへそなどです。

湿疹や傷、ただれや発赤などがないかなど、主に皮膚の状態を確認しましょう。

 

3 湯船に入れる

赤ちゃんの体が冷えるのを防ぐため、ガーゼなどの沐浴用の布で赤ちゃんの体をくるみます。

赤ちゃんの首を手のひらでしっかり支えながら、足からゆっくりと湯船に入れます。

 

4 体を洗う

赤ちゃんの肌はデリケートなので、手やガーゼなどの柔らかい布で洗います。

 

洗う順番に決まりはありませんが、「頭→首→腕→お腹→足」と、体の上から下へ向かって順番に洗っていくといいでしょう。

 

濡らしたガーゼにベビーソープの泡をつけて、頭を洗います。

首のしわの間や脇の下、足の付け根などの皮膚が重なっている部位は、汚れが溜まりやすいため、丁寧に洗いましょう。

 

最後にかけ湯をして、ベビーソープを洗い流します。

 

5 お湯からあげる

赤ちゃんをお湯からあげ、すぐにタオルで全身を拭きます。

 

必要であれば保湿剤を塗り、おむつと服を素早く着せます。

 

6 仕上げのケア

へその緒が取れていない場合は、消毒液をつけた赤ちゃん用綿棒でへその部分をやさしく消毒します。

へその緒が取れている場合は、タオルでへその部分の水分をしっかり拭き取ります。

 

鼻の入り口に赤ちゃん用綿棒を入れて、回しながら鼻くそを取ります。

耳の入り口の水分も、赤ちゃん用綿棒でやさしく取り除きます。

 

ヘアブラシで髪の毛を整えて、沐浴の一連の手順が終了します。

水分補給のために、授乳をおこなうといいでしょう。

沐浴はいつまで必要?

沐浴はいつまで必要?

沐浴がいつまで必要かについての決まりはありませんが、一般には、生後約1ヶ月~3ヶ月頃まで沐浴をおこなう場合が多いようです。

 

1ヶ月健診を受ける場合は、医師に「沐浴をいつまでおこなえばいいか」を尋ねてみてください。

「大人と一緒のお風呂に入っていい」との医師の許可が出れば、ご家庭の都合のいいタイミングで大人と一緒の入浴に移行するといいでしょう。

育児で分からないことがある場合の相談先

育児でわからないことがある場合の相談先

沐浴のやり方について迷う時、沐浴をしていて気になることがあった場合や、沐浴以外でも育児に関して分からないことがある場合などには、以下の機関に相談することができます。

小児科

小児科は病気が疑われる場合だけでなく、育児について迷うことがある場合にも相談できます。

 

また、小児科によっては育児相談についてのプログラムを設けており、看護師や保健師、管理栄養士などが相談に応じてくれる場合があります。

保健センター

地域の保健センターでは、子育ての悩みなどについての相談を受けつけています。

 

必要な場合は専門機関を紹介してくれるので、どこに相談していいか分からない場合は、まず保健センターに相談してみてもいいでしょう。

自治体の子育て支援担当窓口

多くの自治体が子育てに関する相談窓口を用意しているので、お住まいの自治体の情報を確認してみてください。

沐浴についての指導をおこなっている自治体もあります。

沐浴についてまとめ

沐浴についてまとめ

赤ちゃんが生後1ヶ月ぐらいまでの時期は、大人と一緒に入浴するのではなく、ベビーバスなどの赤ちゃん専用の浴槽を使って個別に沐浴をおこなうことが推奨されています。

 

沐浴の頻度や時間帯、いつまで必要かについては一般的な目安はありますが、決まりはありません。

赤ちゃんの様子やご家庭の状況などにあわせておこなうといいでしょう。

 

産院などで沐浴の指導を受けていても、実際におこなう際には分からないことが出てくるかもしれません。

このような場合は、この記事で紹介している相談機関を利用してアドバイスを受けてみてください。