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「アスペルガー症候群の子どもの悩みは?サポートのポイントも解説」

アスペルガー症候群とは?

アスペルガー症候群とは?

アスペルガー症候群の概要

アスペルガー症候群は、1944年にオーストラリアの医師H・アスペルガーによって報告された、言葉の遅れは見られず、平均、またはそれ以上の知能を持つが狭い興味や同世代より大人との関係を好むような特徴を持つ子どものケースが起源になります。


アスペルガー症候群は、WHOによる『ICD-10』(国際疾病分類第10版)における診断名で『DSM--TR』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第4版改訂版)ではアスペルガー障害と呼ばれています。どちらの診断基準もICD-11、DSM-5と版が更新されており、その中では、自閉症スペクトラム障害(または自閉スペクトラム症)という診断にそのほとんどが含まれる形になっています。ただ、現在も「アスペルガー症候群」という名称が世間一般的に使われることも多く、また「アスペルガー症候群(障害)」という診断を受けておられる方もおられますので、以下、「アスペルガー症候群(障害)」について説明していきたいと思います。

 

アスペルガー症候群の診断基準

『DSM--TR』においては、表情や身振りなどといった非言語的なやりとり、興味関心の共有などの(1)対人的なやりとりの困難さと、(2)興味関心が狭かったり、限定的・反復的な様式であることという基準が挙げられています。『DSM--TR』における自閉症(自閉性障害)では、この2つに加えて、話し言葉の遅れといったコミュニケーションの困難さが加わることから、言語などの遅れが見られない自閉症(自閉性障害)と捉えることもできます。
最新の『DSM-5』における自閉症スペクトラム障害の診断基準は、(1)社会的コミュニケーションの困難と、(2)興味関心が狭かったり、限定的・反復的な様式の2つであるため、以前の基準でアスペルガー症候群と診断されたケースは、現在は自閉症スペクトラム障害と診断される可能性が高いと言えます(Wlson, Gillan, Spain, 2013)。

アスペルガー症候群の子どもの悩み

言葉の遅れは見られず、知的な能力も平均的、またはそれ以上な場合も多いために、未就学の幼児期など発達の早い時期には周囲がその特徴に気づきにくい面が見られます。しかし、学齢期などに入ってくると、そのコミュニケーションの仕方が独特であることから、日常生活の対人場面にて困難さを抱えてしまうケースも見られます。ただ、環境によっては、青年期や成人期までその特徴に気づかれないケースもあります。本記事では、それらの特徴に起因する悩みとそのサポートについて紹介していきます。

1.「暗黙のルール」や「冗談」を理解する難しさ

例えば「初対面の人に込み入った話はしない」などの暗黙のルールは世の中にたくさんあります。アスペルガー症候群のあるお子さまはこのようなルールを何も言われずに理解することが難しいと言われています。お子さまと関わる中で、冗談が通じていなかったり、暗黙のルールを理解することが難しい様子が見られたら、それらを文字に書いて、意味や意図を伝える工夫をすることをおすすめします。それらを集めることにより、「暗黙のルールマニュアル」が出来上がります。
また、お子さまに悪気はなくてもストレートに物を言いすぎてしまい、相手を傷つけてしまうこともあります。そのような時は事前に伝え方を練習しておくことも1つです

2.興味関心が限定的であることの難しさ

アスペルガー症候群のあるお子さまは、興味関心が限定的な場合が多いです。自分の興味のある話題であれば、話し始めると止まらないぐらいであり、逆に興味のない話題であれば、全く話さないこともあります。興味のある話は時間を区切る練習、興味のない話は「興味がない」とストレートに言うと相手を傷つけてしまうので、上手なかわし方を練習できるとよいでしょう。

常に自分のペースで自分の好きな話題について話せない状況だとストレスも溜まってしまうので、自分のペースで自分の好きな話題について話す時間と、周りの人に合わせて話す時間を区切ることをおすすめします。

3.急な予定やルールの変更が苦手なことの難しさ

アスペルガー症候群のあるお子さまの中には、急な変更や想定外の出来事が苦手な傾向にある方がいます。例えば予定が急に変更すると、変更をした人に対して怒りや嫌悪感をもつ可能性があります。また、「赤信号は止まる」などのルールを守っていない人がいると、怒りを感じる方もいます。
日常生活の中ではどうしても予定を変更しなければならなかったり、想定外の出来事が起きたりします。そのため、もし予定が起こったらどうするか?想定外の出来事が起こったらどうするか?を事前に一緒に確認しておくことも1つの方法です。「トラブルシューティング」のように、視覚的に事前にリスト化しておけると安心する方もいます。

アスペルガー症候群の子どもへのサポートのポイント

本人も周りの人もコミュニケーションの特徴を理解する

最も重要なのは、上記のような難しさがあることを、ご本人も周りの人も理解をしておくことです。コミュニケーションは双方向のものです。お互いのコミュニケーションスタイルを理解しておくことで、コミュニケーションを円滑にとることができるでしょう。
また、全てのアスペルガー症候群のお子さまに当てはまるわけではないですが、口頭だけでやりとりされるより、視覚的な情報でのサポート、例えば要点を書きだす、絵などを用いて図示するなどがあることで、理解がすすみやすくなるお子さまも多いです。その場での理解だけではなく、あとで見返すことで確認できるといった利点もあります。

 

よいところをほめる

また知的能力は平均的、または高いお子さまも多いために、周りと同じぐらいかそれ以上にできる部分がある一方、対人面などでは自分がうまくできなかった、失敗したという経験を繰り返してしまうことで、自己効力感がとても低くなってしまっているお子さまも多く見かけます。そのようなお子さまに対しては、特徴を理解した関わりに加え、できたこと、よかったことをしっかりとほめて伝えることも重要になります。

記事まとめ

アスペルガー症候群はその特性から、なかなか周囲にその困難や悩みを気づいてもらいにくく、結果として二次的な困難や自己効力感の低下などにつながってしまうケースも多く見られます。逆にその特性に気づき、サポートすることでお子さまの持つ得意な面を発揮し、伸ばしていくこともできるといえます。お子さまの特性を知り、適切なサポートにつなげていくことが何より重要と言えるでしょう。

監修者:LITALICOジュニア・LITALICO発達ナビ チーフスーパーバイザー/博士(心理学)・公認心理師 菅佐原洋

 

【参考資料】

*書籍
『Comparison of ICD-10R, DSM-IV-TR and DSM-5 in an Adult Autism Spectrum Disorder Diagnostic Clinic.』Wilson, C.E., Gillan, N., Spain, D. et al.  Autism Dev Disord 43, 2515–2525 (2013).
『DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル』日本精神神経学会/監修、医学書院/刊
『DSM‐IV‐TR 精神疾患の診断・統計マニュアル』日本精神神経学会/監修、医学書院/刊
『ICD-10 精神および行動の障害』医学書院/刊

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