ASD(自閉症スペクトラム症)のお子さま(5歳/年中)の成長の様子 「 なにを聞いてもすぐにオウム返しになってしまう 」
これって障害なの? 何を聞いても同じ言葉を繰り返すだけの子ども
年中さんのしょうごくん(仮)の様子についてお伝えします。
しょうごくんは年少の時にASD(自閉症スペクトラム症)の診断がありました。
彼はおもちゃ(特に電車)への興味はとても強く、1人で遊ぶことは大好きでしたが、相手と一緒に遊ぶことにはあまり興味のないお子さまでした。
ASD(自閉症スペクトラム症)の子どもの特徴と困り感
ASD(自閉スペクトラム症)は、「対人関係や社会的コミュニケーションの困難」と「特定のものや行動における反復性やこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻さ」などの特性が幼少期から見られる発達障害の一つです。
しょうごくんは、電車で遊ぶことが大好きで、特に電車を走らせタイヤが回っている様子を見ることが好きなお子さまでした。目をキラキラと輝かせながら電車のタイヤを自分で回し「クルクル!」「でんしゃ!」と単語でのお話をしていました。
3歳になり自分からのお話は段々と増えてきたしょうごくんでしたが、相手から質問をされるとそのまま質問を返してしまう‘エコラリア’(オウム返しとも言われます)が多くみられました。
「これなに?」と聞かれると「これなに。」と答え、「分からない?」と聞かれるとそのまま「分からない。」と答え、友だちや大人との会話のキャッチボールが難しい場面が続き、親御さまもどうしたらいいかわからず困っていました。
幼児教室でのSST(ソーシャルスキルトレーニング)の様子
エコラリア(オウム返し)をしてしまうしょうごくんは、相手の真似をすることはとても得意なお子さまでした。その為、真似をすることから言葉のやりとりに繋げる指導をおこないました。
なんでも真似してしまう、を逆手にとる!
しょうごくんの好きな電車のカードや乗り物のカードなど、本人の興味の高いものを使って指導をおこないます。
先生が電車のカードを持ち、「これなに?」と聞き、本人が答えてしまう前に先生が「電車」と言い、それを本人に真似してもらい「電車」を言う。
先生:「これなに?」
先生:「くるま」
しょうごくん:「くるま」
これらを繰り返しおこなうことで、しょうごくんは段々と、「これなに?」と聞かれたら相手の持っているものや指をさしている先の物を答えるということができるようになってきました。
しょうごくんは、ただ相手の真似をしてしまうのではなく、何を答えたらよいか分からない為、真似するしかなかっただけなのです。
また、相手の発言への興味を持てるように、一緒にあそぶという指導を並行しておこなっていきました。くすぐりなどの体を触る遊びや、電車を一緒に走らせたりし、一緒に遊ぶことで、段々と相手と遊ぶ様子も見られました。
現在では、2語文で質問に対して答えることができるようになってきました。
先生:「先生はりんごもってる」
先生:「しょうごくんはなにもってる?」
しょうごくん:「ぶどうもってる!」
と答えられるようになったしょうごくん。
以前よりも質問の意図を理解し、適切にお話することができるようになったおかげで、コミュニケーションをとる楽しさも感じているように思えます。
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