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「 【 小学校低学年】ASD(自閉スペクトラム症)のある子どもへの支援 」

ASD(自閉スペクトラム症)の診断がある、もしくはその傾向の強いお子さまは、対人的な関わりや集団における活動に困難さを感じることが多いといわれています。この記事では、小学校低学年期にASD(自閉スペクトラム症)のお子さまによく見られる困難さと支援方法を紹介します。

小学校低学年に見られる困難さ

小学校低学年に見られる困難さ

以下に、ASD(自閉スペクトラム症)のあるお子さまが集団生活の中で感じる可能性のある困難さを紹介します。

1.感覚処理特性による困難さと支援方法

ASD(自閉スペクトラム症)の子どもと障害のない子どもの感覚処理特性について比較調査をした研究では、ASD(自閉スペクトラム症)のある子どもの95%に何らかの感覚処理特性が見られたと報告がなされています※1。感覚処理特性とは、例えばさまざまな音が聞こえすぎてしまったり、シャワーや服の素材が痛く感じてしまう、など、刺激を感じやすかったり、逆に感じづらかったりする特性のことです。

このような感覚処理特性は、周りからはなかなかわかりづらく、本人も周りの人が我慢しているから自分も我慢しなくては、と感じてしまいがちです。
例えば聴覚に過敏さのあるお子さまは、教室で授業を受ける際に、エアコンの音が耳に入ってきてしまったり、黒板にチョークで書く音を痛く感じてしまう、などの困難さがある場合もあります。嗅覚に過敏さのあるお子さまの中には、給食のにおいや水道のにおいが耐えられず、学校にいくことがつらくなってしまう方もいます。特に低学年段階では言葉で伝えたいことを伝えることが難しく、我慢をしてしまったり、パニックになったりする方もいます。

感覚処理特性による困難さのあるお子さまは、まず自分自身がそのような特性を持っていることを認識し、我慢しすぎないようにすることが大切です。そのためにも、特定の刺激を嫌がる様子が見られたら、感覚処理特性があるかもしれない、と周りが気付けると良いでしょう。その上で、イヤーマフをつける、マスクをつける、などご自身に合っている特性との付き合い方を見つけていく支援をすることをおすすめします。

2.見通しのつかなさによる困難さと支援方法

ASD(自閉症スペクトラム症)の特徴の1つに、ルーティンや習慣へのこだわりがある場合もみられます。例えば、家からどこかへ行くときは必ず同じ道順を歩くことや、毎朝の支度を同じやり方や時間ですることにこだわりがある子どももいます。
どうしても学校ではイレギュラーな時間割があったり、授業中、いつまで聞いていたら良いのか、その次は何をするのか、など見通しのつかない場面が多くあります。そのため、ASD(自閉症スペクトラム症)のお子さまの中には、このような見通しのつかない状況に過度に不安を感じる子どもが多くみられます。
見通しがつかなく、不安が募ると、お子さまによってはパニック状態に陥るときもあります。

特に同じルーティンにこだわりがあったり、新しい環境が苦手だったりするお子さまの場合は、学校においても細かくスケジュールを立てるなど、見通しが立つ支援が有効といわれています。また、行事などで普段の時間割が変更する場合は、早めにお子さまと一緒に予定が変化することを確認しておくことをおすすめします。

3.抽象的な概念の理解の困難さと支援方法

小学校では徐々に学習面においても対人関係面においても、目に見えづらい抽象的な概念を扱うことが増えてきます。例えば、対人面では自分の気持ちや相手の気持ちを理解しながらコミュニケーションを図ることが求められたり、学習面では、直接的な表現ではない表現を読解問題として解釈することを求められるなどの抽象的な表現を理解し行動することが求められます。ASD(自閉スペクトラム症)のお子さまの中には、このような抽象的な概念の理解が難しいお子さまがいます。

このような困難さを抱えるお子さまについては、見える化できるものは見える化する支援をおすすめします。例えば「気持ち」や「声の大きさ」「スピード」など目に見えづらいものは、メーターのように視覚化することで、見えないものについて共通理解を図る一歩となります。学習面においては、比喩や冗談など、直接的な表現以外の表現について、そのパターンや種類を学ぶ機会をつくることをおすすめします。

まとめ

ASD(自閉スペクトラム症)の診断があっても、一人ひとり感じる困難さは異なります。保護者さまと学校、そして関係機関で情報共有をすることで、お子さまが何に困っていて、どのように支援をしたら学校で過ごしやすくなるかを共に考えることが大切です。

【参考資料】

文責:博士(障害科学) 野口晃菜

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