2歳半を過ぎても言葉が出なかった息子ー半年以内に3語文を話せるように!
2024年03月04日公開 | LITALICOジュニア編集部
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目次
プロフィール
Hくん
年齢:3歳
ジュニア歴:11ヶ月
困りごと
- 言葉を発することがなく、ジェスチャーで意思表示をする
- 初めてのこと、初対面の人が苦手
- 道順や食べ物などに対するこだわりが強い
通ってからの変化
- 2語文、3語文が話せるように
- 意思表示のためのクレーンが見られなくなった
言葉を話さず、ジェスチャーで意思表示していた息子
LITALICOジュニアのことを知ったきっかけについて教えてください。
1歳半健診で発語の遅れを指摘されたことが大きなきっかけです。健診後、地域の保健師さんと定期的に面談をしながら様子を見ていたものの、2歳半を過ぎても息子が意味のある言葉を話すことはありませんでした。
3歳からは近所の療育センターに通うことも決まっていたのですが、そこでの授業はどちらかというと癇癪や多動に対するアプローチが中心。息子にはそういった様子はまったくなかったので、言葉に特化した授業が受けられる教室を探すことにしました。
その時に見つけたのがLITALICOジュニアだったんです。まずは体験授業を受けてみようと教室を訪れたのは、息子が2歳8ヶ月の頃でした。
そうだったのですね。普段のHくんはどのようなご様子でしたか?
息子から何か言葉を発することはないものの、私が話す言葉の意味は理解している様子でした。
「ゴミ捨ててきて」と言えば、きちんとゴミ箱にゴミを捨てられるし、朝ごはんの時に「どっちのパン食べる?」と聞くと、指を指してどちらを食べたいのか教えてくれました。
何かしてほしいことがある時は、指差しやクレーン、表情で上手に意思表示してくれていたので、家庭内でのコミュニケーションにはあまり困りませんでした。ただ、今後幼稚園に入園することを考えると「これはまずいな」と焦りを感じるようになったんです。
発語の遅れ以外に何か気になっていることはありましたか?
1歳半から2歳半くらいまで、初めての場所や物、初対面の人が本当に苦手になってしまいました。多少はイヤイヤ期に入っていたことも関係しているのかもしれませんが、新しい食べ物や道をすごく嫌がるようになったんです。
知っている道や食べ慣れたもの、いつも会っている人にこだわるので、この時期はなかなか新しいことにチャレンジできませんでしたし、日常生活でも不便さを感じることが多かったです。
例えば、一緒にスーパーへ買い出しに行く時にはいつも通っている道順ではないとついてきてくれないので、スーパーの前にクリーニング屋さんに寄ることもできません。
ひどい癇癪を起こす子ではないので、無理やり連れていってもよかったのですが、私のほうも子どもに嫌な思いはなるべくさせたくなくて、息子の気持ちを優先していました。
体験授業をきっかけに、単語を話すように!
体験授業で初めてLITALICOジュニアに来た時の印象を教えてください。
息子は人見知りをするので、体験授業が始まる前は「大丈夫かな?」と心配していました。しかし、先生から「こっちにおもちゃがあるよ、遊んでみる?」と声をかけていただくと、息子は笑顔に。そのまま私たちを置いて教室まで行ってしまいました。(笑)
予想外の反応に、私も夫もとても驚きました。その日は1時間くらい先生との遊びに夢中になっていたんですよ。
LITALICOジュニアに通おうと思った決め手は?
家庭でできる取り組みについて的確なアドバイスをいただけると感じたことです。
息子の発語を促すために、たくさん話しかけたり絵本を読んだり、口の動きを見せたりなど、一般的に効果的だといわれているアプローチはこれまで一通り試してきたつもりです。それでもまったく言葉が出てこなくて。
しかし、体験授業の時に、LITALICOジュニアの先生からご提案いただいたトレーニングを1ヶ月間続けてみたところ、息子が声を発するようになったんです。それが私と夫にとってはすごく驚きで、「通わせるなら今だ」と利用を決意しました。
先生からはどのようなアドバイスを受けたのでしょうか?
先生は、「まずは真似っこから始めてみませんか?」と、動作を真似する遊びや、「あ」などの音を真似する一音模倣のトレーニングを教えてくださいました。
また、「できた時には必ず何かご褒美をあげるようにする」「おもちゃを使って楽しみながら練習する」など、取り組みのポイントについても詳しいアドバイスをくださったんです。教えていただいたことを自宅で実践したところ、このやり方が息子には合っていたようで、1ヶ月の間に動作の真似や一音模倣、さらに「青」という2音の単語まで話せるように。
お家で青色のものを見つけて「青!」と言った時には本当に驚きました。
「好き」を味方に、ぐんぐん成長!
パーソナルコースの授業では、どのようなことに取り組みましたか?
まず口の動かし方や五十音を覚えるためのトレーニングに取り組みました。音の真似に慣れてきたら、息子が好きな乗り物のおもちゃを指差しながら「電車」「線路」「車」などの単語を発する練習もしました。
パーソナルコースが始まってからも、体験授業の時と同様に家庭でできることを詳しく教えていただいたので、自宅ではその内容を実践するようにしました。とくに参考になったと思うのは、「引き出したい言葉に合わせて練習のタイミングを選びましょう」というアドバイスです。
例えば、「ちょうだい」と言う練習をしたい場合は、息子に「牛乳飲む?」と聞くついでに「ちょうだいって言ってみようか」と声をかけるんです。この方法であれば、日常生活の中で自然に練習を取り入れられるので無理なく続けることができました。
ご家庭でも積極的に練習をしてくださっていたのですね。その後、Hくんのご様子に変化はありましたか?
通い始めてから3ヶ月目くらいには、五十音が半分くらい言えるようになり、2語文も少しずつ話せるようになりました。最初に話した2語文は、家で単語の練習をしている時に発した「電車、乗った」でした。
次の授業の時に先生に報告すると、さらに動詞の語彙を増やすために「取って」「やって」などの生活に身近な言葉を練習することに。すると、1ヶ月も経たないうちに3語文まですらすらと話せるようになったんです。6ヶ月目くらいまでは毎週大きな変化があり、驚きの連続でした。最近では、少しずつ助詞も覚えてきています。
親身なアドバイスに安心感
お母さまと先生の間で、Hくんの状況に関するこまめな情報共有をされているのですね。
週に1度、先生にお会いした時には息子がどんな言葉を言えるようになったのか、どんなことに困っているのかをお伝えするようにしています。
最近では、ほかの人に何か行動を促すために「〇〇しよう」と言う息子のマイブームについてご相談しました。「よ」を「ろ」と発音してしまい、どうしても「〇〇しろ」という命令形に聞こえてしまうんです。私たち家族は意味を理解できても、周りの人が聞いたら勘違いしてしまうかもしれないですよね。
先生に相談したところ、「まずは確実に発音ができて、周りにも伝わりやすい『して』という表現を使うようにしていきましょう」と提案してくださり、授業でも練習をしていただきました。
ちょっとした工夫で誤解を防ぐことができますね!言葉に関すること以外のご相談をすることもあるのでしょうか?
食べ物の好き嫌いやトイレトレーニングなど、育児に関するご相談に乗っていただくこともあります。LITALICOジュニアの先生に相談すると、ほかでは聞けないような情報をいただけるのでとても助かっています。
通い始めて2ヶ月目頃の面談では、保育園と幼稚園のどちらに通わせるか迷っていることについて相談にも乗っていただきました。先生は、息子が入園時期までに言葉を話せるようになった場合・話せるようにならなかった場合の2パターンを想定しながら、保育園・幼稚園それぞれの特徴を教えてくださいました。
言葉があまり話せない状況で、幼稚園入園を迎えた生徒さんが、どんな対策をしていたのかといった実例もご紹介いただき、今後どう動けばいいかを具体的にイメージできるようになりました。
褒める習慣を身に付けることで、意識にも変化が
お母さまからみて、Hくんが一番成長したと思うのはどんなところですか?
やっぱり言葉を話せるようになったことです。パーソナルコースに通い始めた時は、正直9ヶ月間でここまで話せるようになるとは想像もしていなくて、「せめて単語だけでも出るようになれば良いな」と思っていたんです。それが今ではしっかりと文章で話をできるようになりました。幼稚園でも先生とコミュニケーションが取れているので、本当に成長したと思います。
ご家庭でさまざまな取り組みをしていただくなかで、お母さまご自身が変わったと思うことはありますか?
息子の小さな進歩にも気が付いて、褒められるようになったのが一番大きな変化です。教室に通う前は、息子ができないことばかりに意識が向いてしまい、児童館で同じ月齢の子に会うと「あの子はこんなにできるのに、うちの子はできない」と考えてしまうこともありました。
しかし、LITALICOジュニアに来ると、先生は小さなことでも見逃さずに「できたね、すごいね!」と全身を使って褒めてくださいます。その姿を見てハッとしました。それ以降は、家でもとにかく褒めることを意識するように。何かできたら毎回必ず「できたね」「すごいね」と褒めるようにしました。
褒める習慣を続けるうちに、自然と「これはできないけど、これならできる」「昨日はコップでお茶が飲めなかったけど、今日はできた」「昨日はコクンと頷くだけだったけど、今日は『うん』と言えた」と、息子の成長を前向きに捉えられるようになりました。私が褒めると、息子も喜んでくれますし、もっとがんばろうという気持ちになるみたいです。
LITALICOは、お母さまにとってどのような場所ですか?
LITALICOジュニアに来れば先生に相談できるし、できるようになったことを褒めてもらえる。私にとっては心の拠所のような存在です。
先生からいただいたアドバイスやペアトレで学んだ知識は、今この瞬間だけではなく、息子が成長していく過程で人間関係に悩んだり、挫折を経験したりした時にも活かせるものです。
子どもへの関わり方に自信が持てるようになったことで、困った時にはこうしようというビジョンも持つことができたので、通ってよかったと思っています。
先生からのコメント
周りの人に興味はあるものの、呼びかけに対して反応してくれないことも多かったHくん。教室に通い始めたばかりの頃は、指差しやクレーンなどのジェスチャーを使って自分の気持ちを表現する様子が見られました。
教室では、Hくんの好きな電車のおもちゃを使いながら声を出すこと、言葉を使ってコミュニケーションを取ることに慣れていきました。最初は「『あ』と言ったら、電車を渡すね」といったやりとりから開始。正しく言えなかったとしても、声を発してくれたらたくさん褒めることを意識しました。Hくんは「話すとうれしいことや楽しいことがある!」と、言葉で表現することのメリットを理解してくれたようで、短期間で大きく成長。利用開始から1年以内に自分の気持ちを言葉にできるようになりました。Hくんがここまで成長できたのは、ご家族の皆さまが教室でお伝えしたアドバイスを積極的に実践してくださったおかげだと思うので、感謝しかありません。
今後はおもちゃのやり取りや会話のやりとりを練習しながら、入園する幼稚園のお友達と一緒に楽しい時間を過ごせるようにサポートしていきたいです。