コミュニケーションが苦手だった息子ー会話のルールを身に付け、自分の気持ちを言語化できるように!
2024年03月27日公開 | LITALICOジュニア編集部
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そんなHくんは、中学2年生の夏からLITALICOジュニアの利用を開始。先生との信頼関係を築いていく中で、コミュニケーションスキルと自信を身につけていきました。利用開始から8ヶ月が経過した今では、自分の思いを言葉で伝えられるように。さらに、自分に自信が持てるようになったことで、新しいことにチャレンジする意欲も出てきました。
今回は、Hくんのお母さまに、教室に通い始めたきっかけやお子さまの成長の変化、通わせてみてよかったと感じていることなどを伺いました。
プロフィール
Hくん
年齢:14歳
ジュニア歴:8ヶ月
困りごと
- コミュニケーションが苦手で、学校では友だちと話をすることがなかった
- 一般的な会話のマナーやルールを知らなかった
- 新しい環境に対して苦手意識があった
- 自己肯定感が低かった
通ってからの変化
- 会話のキャッチボールができるようになった
- 自分の気持ちや考えを言葉にできるようになった
- 親子間の会話がスムーズになった
- 自己肯定感が高まり、新しいことにも前向きに取り組めるようになった
環境の変化をきっかけに、周りの人に心を閉ざすように
Hくんにはどのような困りごとがあったのでしょうか?
息子はもともとコミュニケーションが苦手な子で。中学校では友だちと会話を交わすことがなく、タブレット端末に文字を入力して周りの人と話をしている状況でした。
しかし、この先待っている高校受験の面接試験では、自分の考えを声に出して伝える必要があります。本人も、もう少し話せるようになりたいという気持ちがあるようだったので、以前から名前を知っていたLITALICOジュニアに相談することにしたんです。
そうだったのですね。中学校に入学する前から口頭での会話が難しいご様子だったのでしょうか?
いえ、幼少期はもう少しおしゃべりをする子だったんですよ。実は、息子が小学3年生の時から約3年間、日本を離れて海外で生活を送っていた時期があるんです。帰国後は、以前暮らしていた場所とは違う環境で新しい生活を始めました。
すると、新しい人間関係に上手く馴染めなかったのか、周りの人と会話するのが難しい状況になってしまって。学校ではスクールカウンセラーの方とお話しする時間も設けていただきながら、居場所探しをしてきました。
大きな環境の変化がきっかけでお話をするのが難しくなったのですね。ご家族とはお話をしてくれていましたか?
はい。ただ、思春期に入ったこともあり、以前に比べると、親子で会話をする時間は少なくなっていました。
体験授業で初めてLITALICOジュニアの教室に来られた時の印象はいかがでしたか?
外では一言も言葉を発しない息子が教室に通えるのかどうかすごく心配でしたが、先生方はプロフェッショナルでした。話の引き出し方が上手ですし、目線を常に息子と合わせて、寄り添ってくださるんです。
学校では一切話をしなかった息子が、すぐに初対面の先生に心を開いて話し始めたので驚きました。その様子を見て、すぐに通うことを決めたんですよ。
会話のルールを身に付け、自分に自信を持てるように
授業では、どのようなことに取り組みましたか?
まずは、好きなことについて先生とお話しすることから始めました。先生は、ゲームやガジェットが好きな息子のために、今ではあまり見かけなくなった懐かしのゲーム機を自宅から持参してくださることもありました。
会話に慣れてきたら、先生がお話ししたことについて5W1Hを意識した質問を投げ、先生が答えてくれたことに対してリアクションするといった会話のキャッチボールの練習にも取り組みました。
会話のルールを学んでいったのですね。
そうですね。私たちが当たり前だと思っていることが、息子にとっては当たり前ではないんです。会話のルールを身につけるために、先生は具体的な指示で息子に会話の仕方を教えてくださいました。
例えば、先生のお話を遮って自分の話を始めてしまう息子に対して、先生は「心の中で5秒数えてから返事をしよう」と教えてくれました。ほかにも、相手に声を掛けるタイミングや、お話への返事の仕方など、先生は本人が理解しやすいような表現を選びながら、丁寧に指導してくださいました。
では、現在はどのようなことにチャレンジしているのでしょうか?
最近では、会話に加えて、メモを取る練習にも取り組んでいます。相手の話を聞きながら大事なポイントをメモにまとめるのは、息子にとって難しい行為なんです。でも、今後の生活で必要になるスキルなので、苦手を克服できるようにがんばっているところです。
自信が付いたことで、日常生活にも変化が
教室に通い始めた後、いつ頃からHくんの成長を感じるようになりましたか?
初めて体験授業を受けた日から、LITALICOジュニアに来るたびに成長を感じていますよ。「言葉が出るようになった」「単語じゃなくて、文章で話すようになってきた」と、授業の回数を重ねるごとにコミュニケーションスキルが着実に伸びていくのを実感できました。
会話のスキルが身に付いたことで、お母さまとのコミュニケーションに何か変化はありましたか?
親とは話をしたがらない年頃なので、家ではあまり話をしないものの、LITALICOジュニアから家に帰る道中で、楽しかった出来事について話してくれるようになりました。
また、これまで聞くことができなかった息子の考えを知ることもあり、会話の内容からも成長を感じています。例えば、教室に通うまでは「これが嫌だった」と言うことはあっても、どうして嫌だったのかを話すことはなかったんです。
でも、今では嫌いなものについて、なぜ嫌いなのかを説明してくれるようになりました。理由を知ることで、私も息子の困りごとへの対策を立てやすくなりました。
自分の気持ちを整理して伝えられるようになったのですね!
LITALICOジュニアの先生が息子の話をよく引き出してくださったからだと思います。息子が自分で言葉にできない思いを「こう思ったんだね」と代弁してくださる中で、自分の考えをしっかりと言語化して他者に伝えることができるようになってきたのかな、と。
お母さまから見て、Hくんが一番成長したと思うのはどんなところですか?
息子は、自己肯定感が低い子でした。でも、LITALICOジュニアの先生がいつも息子のことをたくさん褒めてくださるので、息子も「これでいいんだ」と自分を認められるようになりました。
自分に自信が持てるようになってからは、いつもとは違うお店に行ったり、新しい食べ物を食べてみたりするなど、これまで苦手だった新しいことへのチャレンジ意欲も出てきています。この気持ちの変化は、私が見てきた中で一番成長を感じる部分です。
子どもの気持ちに寄り添うことの重要性を再認識
LITALICOジュニアの利用開始後、お母さま自身に何か変化はありましたか?
これまで、困りごとの原因は子どもだけにあるものだと思っていました。しかし、ペアレントトレーニングに参加してからは、子どもだけではなく、親も行動やコミュニケーションを工夫する必要があるのだと気づかされました。それからは、普段の行動を見直す機会も増えてきました。
例えばある日、読書をせずにゲームばかりしている息子の様子にモヤモヤした気持ちになることがあったんです。そんな時に自らの行動をよく振り返ってみると、私自身も息子と同じようにスマートフォンなどのデジタル機器に触れている時間が長かったんです。
そこで、まずは私が息子の前で積極的に本を読むようにしました。すぐに息子の行動が変わることはないと思いますが、いつか「そういえばお母さんが本を読んでたな」と読書に意識が向けば…と思っています。
お母さまのお気持ちが伝わるといいですね!Hくんと会話をする時に意識していることについてもお伺いしたいです。
子どもの褒め方を学ぶプログラムでは、子どもの話に共感し、本人の気持ちを受け入れることが大切なのだと教えていただきました。それからは、なるべく「うんうん」と相槌を打ちながら息子の気持ちに寄り添うように意識しています。
今、息子は思春期の難しい時期ですが、少しイライラしている様子の時に「そうだよね、嫌だよね」と寄り添う姿勢を見せることで、会話がスムーズになったと感じています。
学ばれたことをすぐに実践されているのが素晴らしいです。では、お母さまがLITALICOジュニアを利用して一番良かったと感じていることは?
何よりも、子どもが安心して通えることですね。先生方が子どもの気持ちに寄り添い、応えてくださっていることをとても嬉しく思っています。担当してくださっている先生に出会えたことに、心から感謝しています。
最後に、お子さまをLITALICOジュニアに通わせるかどうか悩んでいる保護者の方にメッセージがあれば、お願いいたします。
悩まれている方には、一度体験授業を受けることをおすすめしたいです。私自身、初めて教室に来る前は、しつこく勧誘されたらどうしよう…と心配がありましたが、一切そんなこともなかったです。安心して相談できる場所なので、まずは気軽に見学に行ってみていただきたいですね。
先生からのコメント
体験授業の時から、私たちとよく話をしてくれたHくん。指導中は、信頼関係を築くこと、自己肯定感を高めてもらうことを意識し、Hくんの趣味や好きなことに関する話を積極的に聞くようにしました。
「人と会話する時には相手のことを見る」「話を聞く時には相槌を打つ」といった会話のマナーの習得や、困った時に周りの人に助けを求めるスキルの獲得を目指しながら一緒にがんばってきた結果、Hくんは約8ヶ月間で大きく成長しました。自分に自信が付いたことで、最近では新しいことにチャレンジする意欲も出てきているようで、とても嬉しく思っています。
今後は、高校受験での面接に向けて、話の引き出しを増やしたり、何かに失敗した時の受け止め方を一緒に考えたりしていきたいです。