「逆さバイバイ」とは、子どもがバイバイをするときに、手の甲と手のひらの向きが反対になっていることを意味して使われている言葉です。
ASD(自閉スペクトラム症)のある子どもに見られる特徴の一つと言われていますが、必ずしも「逆さバイバイ=ASD(自閉スペクトラム症)」というわけではありません。
今回は、逆さバイバイと関連付けて考えられることの多い「ASD(自閉スペクトラム症)」のある子どもに見られる特徴や行動、障害の症状に気付きやすい時期について解説していきます。
逆さバイバイとは?
逆さバイバイとは、バイバイの手の向きが逆さになっている状態を意味する言葉です。
人に向かってバイバイするときは、手のひらを相手側へと向けるのが一般的です。しかし、逆さバイバイの場合は、手の甲を相手側へ向けてバイバイする形になります。
バイバイが逆さになってしまう理由は、「人がバイバイをするときに、自分の方へ手のひらを向けてくる行動を見て、そのまま真似してしまう(自分側に手のひらを向ける)からではないか」と言われています。
こうした逆さバイバイをするのは、他者視点をもつことが苦手なことが要因として挙げられます。
手を逆さにせずにバイバイをすることができるのは「相手の視点から見て、手のひらがどちらにあるか」という他者視点で物事がある程度理解できるということになります。
この他者の視点を持ちにくいという傾向がある子どもはASD(自閉スペクトラム症)の特性をもっている場合があります。
ASD(自閉スペクトラム症)はいつわかる?
ASD(自閉スペクトラム症)の特徴的な症状が明らかになる年齢は2~3歳頃といわれています。
生まれてから2歳頃までは、言葉を学習したり、運動能力が発達したり、親に対する愛着が形成されたりする時期です。
「言葉に遅れがある」などで気になり受診して判明することも多いといわれています。
ただし、全員が2~3歳頃というタイミングに当てはまるわけではありません。
ASD(自閉スペクトラム症)があるのかどうかわかる時期は、人によって前後することもあります。
ASD(自閉スペクトラム症)とは?
自閉スペクトラム症は、発達障害の一つでASD(Autism Spectrum Disorder)とも呼ばれています。
原因はまだはっきりとわかっていませんが、生まれつきの脳の機能障害が関係していると考えられています。
また、症状の表れ方はさまざまですが、言葉の遅れが見られたり、会話が成り立たなかったりなど、言語やコミュニケーション面での困りごとが起こりやすいと言われています。
ASD(自閉スペクトラム症)のある子どもの特徴や行動は?
ASD(自閉スペクトラム症)のある子どもの特徴や行動について解説していきます。
ただし、これらの特徴や行動が見られるからといって、必ずしもASD(自閉スペクトラム症)であるとは判断できません。
コミュニケーション・対人関係において見られる特徴
ASD(自閉スペクトラム症)のある子どもは、コミュニケーション・対人関係の面において、下記のような特徴があると言われています。
- 名前を呼ばれても振り向かない
- 大人が指差したものに興味を示さない
- 不安になっても振り返って親を確認することがない
- 人と感情を共有することが難しい
- ごっこ遊びなどの想像上の遊びができない
- 同年代の子どもと関わろうとしない
- 人と関わるときに一方的に話しかけてしまう
- 相手の言葉をオウム返しする
- 言葉以外のコミュニケーション(表情やジェスチャーなど)が苦手
また、人によっては「ただいま」と「おかえり」のような対になる言葉が反対になったり、混同して使ったりすることもあります。
興味において見られる特徴
ASD(自閉スペクトラム症)のある子どもは、興味の面においても特徴が見られます。
例えば、特定の興味やものごとに関心が限定され、こだわりが強くなる場合があります。
また、小さな変化を苦痛に感じたり、感覚刺激に対する過敏さや鈍感さが目立つ子どももいます。
子どものASD(自閉スペクトラム症)に関する相談先や受診先は?
ASD(自閉スペクトラム症)の症状や程度は、人によってさまざまです。
もしも、「子どもにASD(自閉スペクトラム症)があるかもしれない」と感じたら、一度、小児科や児童精神科、発達障害の専門外来などへ相談しましょう。
また、医療機関以外では、下記の施設でも相談を受け付けています。
- 発達障害者支援センター
- 児童相談所
- 子育て支援センター
- 市町村保健センター など
これらの施設では、利用者からの話を聞いたうえで、地域にある医療機関を紹介することもあります。基本的に無料で利用できるため、状況に合わせて活用を検討してみるといいでしょう。
逆さバイバイとは?のまとめ
逆さバイバイはASD(自閉スペクトラム症)のある子どもに見受けられる行動の一つと言われています。しかし、逆さバイバイだけでは、障害の有無を判断することはできません。
そのため、子どものその他の言動も参考にしながら判断していくことが重要になります。
例えば、ASD(自閉スペクトラム症)のある子どもの場合、コミュニケーションや興味の面において、「人との関わりが難しい」「こだわりが強い」などの特徴が表れることがあります。
もしも、子どもの発達に関して、気がかりなことやお悩みのある場合は、医療機関や子育て支援センターなどの機関に相談しましょう。
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