文字や数への拒絶、学校での頻繁なトラブル、息子に感じていた違和感。ようやくたどり着いたLITALICOジュニアで大きな成長をとげて
2024年01月16日公開 | LITALICOジュニア編集部
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また、自分の感情をコントロールすることが苦手で、気に入らないことがあると言葉よりも先に手が出てしまうことも。小学校に進学すると、周りの人との関わりの中でトラブルが増えてきたそうです。
Sくんは、小学1年生の1学期からLITALICOジュニアの利用を開始。今では、自分の名前をひらがなで書けるようになったほか、落ち着いて集団生活を送れるようになるまで成長しました。
今回はSくんのお母さまに利用開始からこれまでの変化について伺いました。
目次
プロフィール
Sくん
年齢:8歳
ジュニア歴:1年半
困りごと
- 文字の読み書きが苦手
- たし算、ひき算などの計算が苦手
- 感情のコントロールが難しく、言葉よりも先に手が出てしまうことがある
- 授業中に教室内を立ち歩く
- 困ったときや分からないことがあったときに質問をするのが苦手
通ってからの変化
- 自分の名前を書けるようになった
- 簡単な計算ができるようになり、学習意欲も高まった
- 学校でのトラブルが減少
- 分からないことを「分からない」と言えるようになった
文字や数字にまったく興味を示さない様子に違和感を覚えた
Sくんにはどのような困りごとがあったのでしょうか?
息子は1歳の頃からインターナショナルスクールに通っていたのですが、そこでの様子に違和感を覚えました。その園では、2歳児から文字の読み書きを積極的に教えているのですが、息子は文字や数字にまったく興味を示さなかったんです。まだ小さな子どもの発達には個人差があると理解しているつもりでしたが、繰り返し練習をしてもなかなか文字を覚えられない様子に、「おかしいな」と思いました。文字に対する拒否反応がかなり強く、あいうえお表を見せれば嫌がりました。ひらがなの練習帳でなぞり書きまではできても、自分で文字を書くことは「しない」「できない」という状況がずっと続いていたんです。
小学校に入学すると、学習面以外のことでも悩むようになりました。息子は感情のコントロールが苦手で、学校でトラブルを起こしてしまうことも度々あったんです。何か気に入らないことがあると言葉よりも先に手が出てしまったり、一人だけ行動が遅れたり、指示が聞けなかったり……。担任の先生からは頻繁に注意を受けていました。
興味・関心を取り入れた授業で、やる気アップ!
そうだったのですね。LITALICOジュニアに通う前にも、支援は受けられたのでしょうか。
小児科の先生や自治体の職員の方に息子の発達面について相談し、年中さんの終わり頃から近所の児童発達支援事業所に通いましたが、それでも就学前にひらがなを習得することはできませんでした。そこで、ほかにも学習面のサポートが受けられるような場所を探しました。いつも情報交換をしているママ友や、通っていた児童発達支援事業所の先生からおすすめを伺い、たどり着いたのがLITALICOジュニアだったんです。
LITALICOジュニアではどのようなことに取り組まれていますか?
教室では、苦手な文字の読み書きや算数を中心に学習面のサポートをしていただいています。
LITALICOジュニアの先生方は毎回工夫を凝らしたメニューで息子のやる気を引き出してくれます。例えば文字を書く練習をするときは、ただ紙に字を書かせるのではなくて、息子が好きなキャラクターや今興味があることを自然に授業に取り入れてくださるんです。息子は教室に向かうまでは嫌がることもあるのですが、授業が始まるときちんと集中できている様子です。先生たちが楽しい雰囲気をつくってくださっているおかげだと思います。
また、週1の通塾に加えて週に2回、息子が通っている学校を訪問していただき、マンツーマンでの授業のサポートもしていただいています。学校・保護者・LITALICOジュニアの三者間でこまめに情報共有し、三位一体のようなかたちで協力しながら息子の生活を見守っている状況です。
ありがとうございます。最終的に入塾をされた決め手はありますか?
以前LITALICOジュニアのオンラインセミナーを受講したことが何度かあり、信頼できるところだと感じていたので、息子が小学校に入学したら通わせてみようと思っていました。
また、1人ひとりの子どもに合わせた教育を実施されているだけでなく、保護者に対するフォローも充実していると感じたことも決め手の一つです。授業が終わった後、その内容を保護者にも詳しく共有してくださったり、家庭での子どもとの関わり方を指導してくださったりすることが心強いと感じました。また子どもの発達について、ほかの保護者の方と積極的に情報交換ができるような雰囲気もあっていいなと思いました。
親としては、息子が大人になったときに生活に困らないよう、教えなければいけないことは責任を持ってじっくり教えていきたいという気持ちはあります。でも、読み書きや学習面のことに関しては、やはり教育のプロの方にサポートをお願いした方が身に付きやすいのではないかと思い、LITALICOジュニアを利用することにしました。
学校の先生からも「成長を感じる」と評価してもらえた
LITALICOジュニアのご利用開始以降、学習面でSくんに成長は見られましたか?
LITALICOジュニアに通い始めてから、自分の名前を書けるようになりました。ある日、家族で旅行に行ったときに乗った飛行機の中で、息子が初めて自分の名前をフルネームで書いたんですよ。これまでは下の名前しか書けなかったのに、苗字も書けるようになっていて驚きました。ほかにも簡単な文字の読み書きが身に付いてきています。皆さんにとっては当たり前のことかもしれませんが、息子にとっては大きな成長だと感じています。
それから、数字もだいぶ認識できるようになってきました。以前は数を数えるときやたし算をするときに、自分の指を使って数えながらではないと計算できなかったのですが、今では簡単なたし算なら暗算でできるようになりました。
文字の読み書きについてはまだ本人の中に苦手意識があるようですが、算数の勉強は楽しくなってきたようです。
素晴らしいですね!では、日常生活の困りごとについて、Sくんのご様子はいかがでしょうか?
感情のコントロールが上手にできるようになりました。今では学校でもトラブルを起こすことなく過ごせているようで、先生から「成長を感じています」という言葉をいただいたときにはホッとしました。
まだクラスのみんなと同じようにはできないこともあるのですが、あと一歩というところまできています。先日、校外学習で2泊3日のキャンプがありましたが、自然の中には危険が多いこともあり、学校とも話し合った結果、息子は念のため1泊だけの参加となりました。本人は「面倒くさいし、1泊で帰ってこられてよかった」と言いながらも「みんなとカレーつくりたかったな」と後からボソッと言っていたんです。親としては胸がキュッと締め付けられるような思いもしましたが、本人にとってはそういう悔しさや寂しさを味わうことも成長するために必要なプロセスなのだとも感じています。来年はみんなと2泊できるように頑張ろうという前向きな気持ちにつながっていけば……と思っています。
先生のアドバイスによって、気持ちに余裕が生まれた
お母さま自身が「参考になった」と思うことはありましたか?
息子のやる気を引き出す言葉のかけ方や、親子関係を良好に保つにはどうしたらいいかなど、先生には多くのことを教えていただきとても参考になりました。
私は、これまで子どもがなかなか言うことを聞いてくれないときに「これをやらないんだったら、これはダメね」「これをやってあげるから、これをやりなさい」と、駆け引きのような声かけをしてしまうことも多かったんです。でも、先生にもっと適切な声かけがあることを教えていただいて。それからは、言うことを聞かないときも感情的になる前に一度落ち着いて、どのように対応するべきかを考えられるようになりました。一呼吸置くことで、自分の心のバランスを整える時間もつくれるようになったと思います。
LITALICOジュニアを利用するようになり、お母さま自身の心境や考え方に何か変化はありましたか?
LITALICOジュニアで学んだことの中で印象に残っていることが「障害はその人自身の中にあるのではなく、社会にある」という言葉です。子どもの方を変えようとするのではなく、周囲の環境にアプローチすることで、その子のよさが引き立ったり生きやすくなるという考え方にとても腑に落ちる感じがありました。この考え方がベースにあることで、子育ての中で焦ったり、追い詰められたような気持ちになることはあまりなくなりましたね。
“生きづらさ”を取り除くことが一番大切
LITALICOジュニアを利用してよかったと思うことはありますか?
息子が少しでも生きやすくなるようなサポートをしていただけることが、LITALICOジュニアに通わせて一番よかったと思う点です。学習面の成長ももちろん大切ですが、私が何よりも大切だと考えているのは、息子の日常生活にある違和感や苦痛を取り除くことです。
日々、先生から共有いただく情報には、それを実現していくためのヒントがたくさん詰まっていると感じます。
同じように子どもの発達について悩んでいる方の中には、その悩みを人に相談できないことで余計に苦しい思いをしている方もきっと少なくないと思います。そのような方にはLITALICOジュニアをおすすめしたいです。
ありがとうございます。最後に、今後Sくんにどのように成長していってほしいかを教えてください。
息子の上には現在19歳のお兄ちゃんがいるのですが、上の子の子育てで、どんなに親が子どもに「こうなってほしい」と願っても、結局は「なるようにしかならない」ということが分かったんです(笑)。その経験もあって、できないことをできるように求めるのではなくて、「本人がやりたいことを見守るほうがいいのかな」と考えるようになりました。今後も息子の力を伸ばすための努力は惜しまないつもりですが、焦らずにゆっくりと息子の成長を見守っていきたいです。
先生からのコメント
Sくんは、分からないことや不安なことがあったとき、その気持ちをうまく言葉にすることが苦手でした。そこで、困ったときに先生に質問をする練習や、Sくんの気持ちを代わりに言語化しながらお話を聞くことを続け、自分の気持ちを言葉にすることに慣れてもらいました。そんなSくんも、今では「分からないからヒントちょうだい」と言えるように。発言自体の数も増えて、こちらが質問したことにもしっかりと答えられるようになりました。
通塾開始当初、学習面についてはひらがなの形を覚えたり、文字と単語を結びつけたりすることが難しい様子だったSくん。苦手を克服するために、好きなお絵描きを取り入れながら一緒に読み書きの練習をしました。野菜の名前をひらがなで書いてもらい、その横にその野菜のイラストを描くといった練習を続けると、次第にひらがなの読み書きができるように。苦手なたし算、ひき算についても、あそびを取り入れた学習を継続することで、数の感覚が身に付いてきました。
今後もほかの先生と連携しながら、Sくんの状況に合わせたやり方・ペースで学習に一緒に取り組んでいけたらと思います。
人とお話することが大好きで明るい性格のSくん。苦手なことを伸ばすことで、もっと楽しい気持ちで過ごせる時間が増えると信じています。