ADHD(注意欠如多動症)のお子さま(4歳/年中)の指導事例 「 そのひとりにあった学び方の工夫 」
勉強への苦手意識を克服したい
ADHD(注意欠如多動症)の診断を受けているみさきちゃん(仮名)は、現在4歳の年中さんです。
お母さまはみさきちゃんの生活面やコミュニケーション面のサポートを幼稚園や療育の先生と連携して行っており、みさきちゃんは幼稚園でみんなと一緒に楽しく過ごすことができています。
一方、勉強には興味を示してくれません。
お母さまが小学校の準備として用意したひらがなの表や数字のカードを使おうとすると、みさきちゃんは嫌がります。
みさきちゃんが小学校に上がる前に、ひらがなや数字を読み書きできるようになってほしいと思い、勉強への苦手意識を克服できる習い事を探していました。
LITALICOジュニアがADHD(注意欠如多動症)の子どもにも合わせて勉強も教えてくれると知り、通わせてみることにしました。
学び方の工夫をすることで興味を引き出す
LITALICOジュニアでは個別指導を受けました。
みさきちゃんは、外から聞こえる音に反応したり、窓の外で動くものに気を取られたりするなど、ADHD(注意欠如多動症)特有の不注意の特性が見られました。そこで、目や耳に入る情報が少ない環境に整えたところ、落ち着いて過ごすことができるようになりました。
しかし、数字やひらがななど勉強の教材が見えると途端にやる気をなくし、机に突っ伏してしまいます。
そこでLITALICOジュニアの指導員は、みさきちゃんがひらがなや数字に楽しく取り組めるように、一緒に物語をつくる授業をおこないました。
まず、みさきちゃんに自分自身やご家族、好きな動物の絵を描いてもらい、指導員がその絵に吹き出しを描き足します。
次に「くまさんがこんにちはって言ってるよ」「みさきちゃんはなんて言う?」など、物語をふくませながら挨拶や会話の内容を、その吹き出しにひらがなで書き込みます。
こういったやりとりを通して、みさきちゃんは自然とひらがなを読むことに興味を持つことができました。
また、「大きいりんごと小さいりんごがあるね」「高い木と低い木があるね」といったやり取りから物の大きさへの理解を深めたり、「うさぎさんがりんごを2つくれたよ」といったやり取りから数字への理解を深めたりしていきました。
その結果、みさきちゃんは年長になる頃にはひらがなを読んだり数字を理解したりすることができるようになりました。
お母さまは指導員から「日常生活の中で、みさきちゃんの興味を引くものがあったら、ひらがなを読んで伝えたり、数を数えたりしてあげてください」と聞き、机に向かってプリントや問題集に取り組むことだけが勉強ではないのだと感じ、家でも取り組んでいきました。
「机に座ってプリントや問題集に取り組むこと」にこだわらず、みさきちゃんに合った勉強方法を見つけることで、ひらがなや数字の理解を進めることができるようになりました。
自分に合った勉強方法が見つかってから、みさきちゃんは、家や幼稚園で「きいろって書いてるね」「ボールが3つあるね」と色々なものに興味を持つようになりました。
机に向かってプリントに取り組む勉強方法にはまだ積極的でないものの、小学校に上がる前にひらがなと数字の読み書きができる見通しをたてることができました。
お子さまの発達にお悩みの方に
LITALICOジュニアでは、一人ひとりのお子さまの得意や苦手を見つけ、その子にあった教育を実践しています。
対面での指導とオンラインを通じた在宅での指導が選べます。
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