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成長事例

アスペルガー症候群のお子さま(11歳/小5)の成長の様子 「 想定外にも対応できるようになったお子さま 」

小学5年生のあきらくん(仮)の様子についてお伝えします。あきらくんは、7歳の時にアスペルガー症候群(※)と診断されました。
状況理解が難しく、予定外のことへの対応が難しいところがあり、自分のルールと生活の中で求められることに違いがあると、予定外な事態となりパニックになってしまいます。

※以前は、言葉や知的の発達に遅れがない場合「アスペルガー症候群」という名称が用いられていましたが、アメリカ精神医学会発刊の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)において自閉的特徴を持つ疾患が統合され、2022年(日本語版は2023年)発刊の『DSM-5-TR』では「自閉スペクトラム症」という診断名になりました。あきらくんが診断されたころは旧診断名が用いられていました。この記事では以下、アスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)と記載しています。

アスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)の子どもの困り感

アスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)の子どもの困り感

アスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)は、相手の感情やその場の雰囲気を察することが難しく、社会的ルールや暗黙の了解が分からないといった特徴があり、人や社会とのコミュニケーションに支障をきたしやすいと言われています。また、特定分野へのこだわりを示すことも特徴の1つです。

(自閉スペクトラム症)とは

あきらくんも状況判断が難しいことと、自分のルールへのこだわりを強く示すという特性が見られました。
あきらくんの自分ルールは、
「今すぐ○○がしたい」「○○じゃないといけない」など限定的なことが多く、そのルールが守られることは難しく、そもそもイレギュラーな事態が引き起こりやすいものでした。

「乗ろうと思っていた電車じゃないから今日は出かけない!」
「レストラン来たけど混んでいてすぐ座れない!」
など、状況を判断して切り替えることができず、パニックになってしまうのです。
年齢が上がり、力がついてくることで、保護者さまもコントロールが難しくなり、負担も大きくなってきていました。

学習塾でのSST(ソーシャルスキルトレーニング)指導の様子

自身の出来事をすごろくにして楽しく振り返る
引き起こった状況や結果だけでなく、一連の出来事の状況を整理することから始めました。その流れを、順番に書き出して指導員と2人であきらくんの出来事のすごろくを作りました。

始めは、すごろくのゴールマスが「○○できなかった」「怒られた」などネガティブなもので終わってしまいます。
そこに「○○できた」「怒られなかった・褒められた」などポジティブなゴールを作り、そのゴールに行くためにどんなマスを作って進んでいけばいいのかを一緒に考えました。

本人が考えた手段マスに対して、「もしこれが失敗したらどうするの?」など上手くいかないパターンについて質問をしながら、イレギュラー対策を考える練習も一緒におこないました。

今では、自分だけですごろくを書きだし、どうすべきかを考えることが出来るようになりました。
事前に想定し対策していたイレギュラーも「オレの思った通りだ。」とイレギュラーを受け止め、親御さまの「それだと悪いゴールマスにいっちゃうんじゃない?」の声かけで戻れることが増えました。

LITALICOジュニアでは、今までたくさんの発達障害の子どもの指導例があります。
お子さまの困り感に合わせて、その子にあった指導をおこないます。
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