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成長事例

ASD(自閉スペクトラム症)のお子さま(4歳/年中)の成長の様子 「 何歳ですか?と聞くと、何歳ですか?と答えた最初の出会い 」

利用教室:LITALICOジュニア藤沢教室(幼児教室)

ASD(自閉スペクトラム症)と診断されたひろくん(仮名)の体験授業の様子についてご紹介します。
ひろくんは幼稚園年中(4歳)の男の子。
電車の名前は全部覚えていて、線路や駅で電車が行き来するのをずっと見ていられるほど、電車が大好きな男の子です。

体験授業前のヒアリング - 3歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断

体験授業前のヒアリング - 3歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断

体験授業の前に、まずはお母さまにひろくんの障害や特性、好きなことなどをお聞きしました。

ひろくんは1歳半検診の時に、保健士さんに「言葉の遅れがある」と伝えられ、少しずつ言葉が出始めたものの、3歳の時にASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。ASD(自閉スペクトラム症)は、「対人関係や社会的コミュニケーションの困難」と「特定のものや行動における反復性やこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻さ」などの特性が幼少期から見られる発達障害の一つです。

自閉症の原因と行動リスト・接し方はこちら

医師に早期療育を勧められ療育センターのSST(ソーシャルスキルトレーニング)幼児クラスに通い始めました。療育センターでは周りを真似したり個別に声掛けをもらったりしながら、一斉指示に対しても少しずつ動けるようになり、集団行動にも慣れいったそうです。

しかし、年中になり幼稚園でも周りの友だちと仲良く過ごしてはいるけれど、言葉の遅れがあり遊びについて行けないことが増えてきました。クラスの活動も、取り組む内容がどんどん難しくなってきて、一緒に参加しないことも増えてきました。幼稚園の先生も、ひろくんへの対応に悩むことが増え、「集団の中でも先生の話を聞くことや、友だちとの言葉でのやりとりを、どうしたら促せるでしょうか?」とお母さまに相談することもあったそうです。

そこで、言葉の発達や小学校に向けてのスキルアップを、より意識し始めてLITALICOジュニアに問い合わせて来ました。

ASD(自閉スペクトラム症)の子どもの特徴として言葉の遅れ(オウム返し)や、視線が合わない、先生の方を注目しないことなどがあります。
ひろくんにもこれらの特徴が見られたため、お母さまはソーシャルスキルトレーニングを希望されました。
お母さまの希望やひろくんの様子をふまえ、体験授業ではソーシャルスキルを伸ばすためのプログラムをおこなうことにしました。

幼児教室の体験授業での様子

ひろくんは乗り物が大好きなので、「〇〇貸して」→「どうぞ」→「ありがとう」などの物の貸し借りのやりとりを、乗り物のパズルを使って練習していきました。

ひろくんは「〇〇貸して」と言う前に、自分が欲しいものに手を伸ばしてしまいます。
そこで、「飛行機貸して!」と最初に、先生が言って、オウム返しでひろくんが「飛行機貸して!」と真似できたら、飛行機のピースを渡しました。
この時、ASD(自閉スペクトラム症)の子どもは視線が合わないと、自分に話しかけられているか気づかず言葉が伝わりにくいので、必ず目が合ってから話しかけます。

先生がピースを渡しても、「ありがとう」を言い忘れてしまうので、ピースを渡した後にも視線を合わせて、先生が「ありがとう」と言い、ひろくんがオウム返しで「ありがとう」を言う練習をしました。
「ありがとう」と言ってくれたら、ひろくんが大好きなシャボン玉を先生が吹いて、ひろくんの目を見て、「どういたしまして!」と満面の笑みで応えました。

そのやりとりを繰り返しながら、先生が先に言う言葉を、だんだん少なくしていきした。
ひろくんが、次に欲しい車のピースに手が伸びる前に、車のピースを指さして視線があった瞬間に、「く」とヒントを伝えると、ひろくんもその前のやりとりを思い出し、「くるま貸して」を言えました。
そしてまた視線を合わせて「あ」とヒントを伝えると、「ありがとう」が言えるようになり、プログラムの最後には、自分から「〇〇貸して」「ありがとう」を言えるようになりました。

こうやって、ひろくんは、自分がわざわざ手を伸ばして取りに行かなくても、言葉で「〇〇貸して」と伝えたら、自分の欲しいピースを取ってもらえる。
ありがとうと伝えると、大好きなシャボン玉と一緒に、笑顔で先生が「どういたしまして!」と言ってくれる。
そんな嬉しい体験をすることで、言葉ややりとりの習得の一歩を踏み出すことができたのです。

今までやってなかったことができるようになる。それにより、遊びの時間が、もっと楽しくなる、嬉しくなる。そんな体験をたくさん積むことが、ASD(自閉スペクトラム症)や発達障害がある子どもの成長には大切です。LITALICOジュニアではこれまで多くの発達障害があるお子さまの指導をしてきたことで培ったノウハウや仕掛けがあり、お子さまに合わせて工夫をしながら指導をおこなっていきます。お子さまの発達でお悩みの方はまずはお気軽にご相談ください。

発達障害の種類や症状など詳細はこちら言葉の遅れの原因やアドバイスをご紹介

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