発達障害用語集
発達障害に関する、基本的な用語を解説しています。
わからない用語が出てきたらここで探して、発達障害への理解を深めていきましょう。
発達障害 用語一覧
用 語 | 用語説明 |
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LD(学習障害) | 学習における技能に困難さがみられる発達障害の一つ。読むことやその内容を理解することの困難さ、書くことの困難さ、数の理解や計算をすることの困難さなど大きく3つの分類がある。これらの困難が、知的障害(知的発達症)によるものでないこと、経済的・環境的な要因によるものでないこと、神経疾患や視覚・聴覚の障害によるものではないこと、学習における面のみでの困難であること、という場合に限り診断される。 |
広汎性発達障害(PDD) | 以前は対人関係の困難、パターン化した行動や強いこだわりの症状がみられる障害の総称として「広汎性発達障害」が用いられていたが、アメリカ精神医学会発刊の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)では自閉的特徴を持つ疾患は包括され、2022年(日本語版は2023年)発刊の『DSM-5-TR』では「自閉スペクトラム症」という診断名になった。 |
障害 | 心身の発達の具合や疾患などによって社会において生きづらさを感じる時に障害があるという。社会生活を営む上での困難を基準にする定義以外にも各種手帳を持つことを基準とするなどはっきりとした定義をつけることは難しい。 |
衝動性 | ADHD(注意欠陥多動性障害)にみられる症状の1つ。他に、不注意(集中力がない)・多動性(じっとしていられない)がある。衝動性とは年齢や発達に 不釣り合いで、生活に支障の出る程度を指す。待つことが苦手で順番を守れない・せっかちですぐにイライラするという行動で表面に出ることが多い。 |
ASD(自閉スペクトラム症) | 「対人関係や社会的コミュニケーションの困難」と「特定のものや行動における反復性やこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻さ」などの特性が幼少期から見られる発達障害の一つ。知的障害(知的発達症)を伴うこともある。幼少期に気づかれることが多いといわれているが、症状のあらわれ方には個人差があるため就学期以降や成人期になってから社会生活において困難さを感じ、診断を受ける場合もある。 |
多動性 | ADHD(注意欠陥多動性障害)にみられる症状の1つ。他に、不注意(集中力がない)・衝動性(順番を待てない)がある。この場合の多動性とは極端に落ち着きのない状態をいい、とにかくじっとしていることがない・人の話を最後まで聞けないという行動で表面に出ることが多い。 |
ADHD(注意欠如多動症) | 不注意、多動性、衝動性などの特性がみられる発達障害の一つ。特性のあらわれ方によって多動・衝動性の傾向が強いタイプ、不注意の傾向が強いタイプ、多動・衝動性と不注意が混在しているタイプなど主に3つに分けられ、これらの症状が12歳になる前に出現する。特性の多くは幼い子どもにみられる特徴と区別することが難しいため、幼児期にADHD(注意欠如多動症)の診断することは難しく、就学期以降に診断されることが多いといわれている。また、個人差はありますが、年齢と共に多動性が弱まるなど、特性のあらわれ方が変化することもある。 |
ディスレクシア | 中枢神経になんらかの機能障害があると推定される学習障害、そのうち特に読み書きに困難を伴う場合が「ディスレクシア」。ギリシア語の「できない」 (dys)と「読む」(lexia)に由来。耳から入る情報、目から入る情報などを正確に自動的にすばやく処理できないことに起因。アメリカでは人口の10%が、日本では4.5%がディスレクシアとも言われています。 |
読字障害 | 文字が読み取りづらく、語句や行を抜かしたり、逆さ読みをしたり、音読が苦手な傾向がある障害。似た音を聞き間違えるなど耳から入る情報を上手く処理できないこともありますが、一般的に音声にすると文字と意味が繋がることが多いとされている。また読み書き両方が苦手なこともある。 |
DCD(発達性協調運動症) | 手足の動きなど身体の動きをコントロールして行う協調運動が年齢相応に行うことができず、日常生活に支障が出る場合に診断される。例えば、物をつかんだり、はさみや刃物などの道具を使うことが不正確である、書字に困難が生じるといったものが、日常生活に困難さを与えている状態。 |
小児期崩壊性障害 | 小児期崩壊性障害には、少なくとも2歳頃までは社会的コミュニケーションや対人関係、遊びや適応行動において発達的な遅れがみられなかったが、2歳以降(10歳まで)に獲得されたはずの発達期相応のスキルを失ってしまうという特徴がある。具体的には、話せていた言葉が話せなくなる、できていたはずのコミュニケーションをとれなくなる、トイレで排泄できていたのにできなくなる、おままごとなどのごっこ遊びのバリエーションが乏しくなる、運動能力の低下など。なお小児期崩壊性障害は、かつての診断基準であるDSM-Ⅳに記載されている診断名であり、「対人関係や社会的コミュニケーションの困難」および常同的な行動や、「特定のものや行動における反復性やこだわり」という特性を持つため、現在の診断基準であるDSM-5では「自閉スペクトラム症(ASD)」に包括されている。 |