集団活動や切り替えが苦手だった息子ー友だちから「遊ぼう」と声をかけてもらえるように!
2024年11月23日公開 | LITALICOジュニア編集部
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LITALICOジュニアの「小学校しっかり準備プログラム」を経て、小学校入学後もパーソナルコースで切り替えの練習などに取り組み、成功体験を積んでいった結果、1年生の終わりには学校の先生から「気になることはもう何もないです」と言われるまでに成長しました。
小学3年生の今は宿題をみずから進んでやり、友だちと遊びたいあまり、毎朝走って学校に行くようになったそうです。そんなSくんの成長の軌跡を、お母さまに伺いました。
目次
プロフィール
Sくん
年齢:小学3年生
困りごと
- 一斉指示が入りにくい
- 机の前に座っていることが難しい
- 集団活動が難しい
- 気持ちの切り替えが苦手
通ってからの変化
- 先生の話を聞けるようになった
- 席に座っていられるようになった
- 友だちから「遊ぼう」と声がかかるようになった
- 自分から進んで宿題をするようになった
- 気持ちの切り替えができるようになった
一斉指示が入りにくく、机の前に座っているのも難しかった
LITALICOジュニアに通うようになった経緯を教えてください。
息子は幼稚園の年少のときから、区が実施している療育に通っていました。幼稚園での様子や、療育でのグループ活動などの様子を見ていると一斉指示が入りにくく、自分が何をしたらいいのか分からない場面が結構ありました。
自分がやりたいことが優先で、集団活動が苦手な様子がみられたんです。小学校に入ると集団活動があるので、皆と同じようにできるのかが心配でした。
それに小学校に入るにあたって、事前にひらがなを覚えさせようと思ったのですが、まず「机の前に座る」ということが難しかったんです。
そこでインターネットで調べたら、LITALICOジュニアの「小学校しっかり準備プログラム」を見つけました。
「入学前に、小学校と同じような形で学校のルールを学ぶことができる」と書いてあったので、「これはいいんじゃないか」と思って問い合わせをしました。
初めて体験授業にいらした時のことは、覚えていますか?
息子は「おもちゃがたくさんあるから、ここは楽しい場所だ」ってすぐに分かったみたいです。もう行く前から、Webサイトで子どもがおもちゃで遊んでいる楽しそうな様子を見て「行きたい!」と言っていました。
「グループの中に入ってやったほうが身につくのかな」と思っていましたが、LITALICOジュニアの先生が「マンツーマンで授業を受けて成功体験を増やしていったほうが、それをグループに入った時に活かせる」とおっしゃったので、マンツーマンでお願いすることに決めました。
そこからお母さまが「通わせてみよう」と思われたのはなぜですか?
分析をしっかりしてくださったことです。
「目標を設定してやっていきましょう」とのことで、個人支援計画書を作成してくださったので、「どのくらいできているのか」が目で見て分かりました。それを幼稚園や学校にも共有できるので、いいなと思いました。
「小学校しっかり準備プログラム」に通ってくださって、小学校入学の準備はできたのでしょうか?
はい、息子は「学校ではきちんと座って先生の話を聞く」ということが分かったうえで、入学できたと思います。
また、LITALICOジュニアの先生から「可能であれば、入学式の前に学校の見学をしたほうがいい」とお聞きしたので、学校に連絡したら「できます」ということだったので、入学式の前日に息子と一緒に行って、担任の先生にもお会いしました。
それは安心できますね。小学校入学後も「続けてLITALICOジュニアに通おう」と思ったのはなぜですか?
LITALICOジュニアと学校と親とで、連携してやりとりができることです。
私一人で考えるよりも、LITALICOジュニアの先生と一緒に対策を考えてやっていったほうがいいと思いました。
成功体験を積むことで、「自分はできる」という認識に変わっていった!
LITALICOジュニアでは、どんなことに取り組まれましたか?
最初の頃は、机に座って何かをする練習や、先生の指示を聞く練習などをしていました。
切り替えの練習では、先生が「最初に、これをやるよ。2番目にはこれ、3番目はこれをやるよ」というのをボードに書いてくださり、タイマーで時間を測って、行動を切り替える練習をしました。
LITALICOジュニアでの取り組みを経て、Sくんに変化はありましたか?
切り替えの練習では、花丸をもらえるのがうれしいので頑張るようになり、徐々にできるようになっていきました。
家でもタイマーを使って切り替えの練習をしていましたが、なかなかゲームや遊びから宿題へと切り替えができなかったのが、LITALICOジュニアで練習してできるようになってからは家でも切り替えができるようになりました。
学校で授業中に離席してしまうことについては、LITALICOジュニアの先生のアドバイスで、スタンプカードをつくって、授業中にちゃんと座っていられたら花丸をもらえるような取り組みを、担任の先生にお願いしました。
すると「褒められるのがうれしいから、頑張って座っていよう」と息子の意識が変わっていき、小学1年生の終わりには、普通に座って先生の話を聞けるようになりました。すごく成長したなと思います。
学校の先生がその頃、「気になることはもう、何もないですね。みんなと同じようにやっていますよ」と言ってくださいました。
びっくりしたのは、今はもう、自分で宿題を進んでやれるようにまでなったことです。
やはり、成功体験を積んでいった結果だと思います。
息子もそれで自信がついて、今はもう「自分はできる」という認識になっています。
素晴らしいですね。成功体験はどのように積まれてきたのでしょう?
定期的に受けていたWISCで、ワーキングメモリの数値が低く出ていたんです。
覚えたことも少し時間が経つと忘れてしまうので、LITALICOジュニアで相談したら、「繰り返しやっていくといい」と教えていただきました。
そこでインターネットでカラーテストを購入して、テスト前にひたすら、同じ問題を解かせました。そうすると時間が経っても忘れなくなってきて、テストで100点を取れるようになりました。
それが息子の自信になり、友だちからも認めてもらえるようになって、すべてがうまく回りはじめたように思います。
友だちから「遊ぼうよ」と声をかけてもらえるように
離席以外にもLITALICOジュニアの授業で練習されたことはありますか?
1年生当時の課題は授業中の離席でしたが、2年生になると、友だちと関わりたい気持ちが芽生えてきました。
ただ、余計なことを言ってしまって相手を怒らせてしまったり、しつこくしすぎてしまったりすることもありました。
LITALICOジュニアの先生は「Sくんは、セリフで覚えるとできる」ということを見つけてくれて、セリフをどんどんインプットしていきました。
先生と一緒に遊ぶとき、先生がわざとプラレールに当たって壊されるんです。
息子はすごく怒るんですが、そのときに「どう怒りを鎮めるのか」「こういうときはどう言えばいいか」ということを、セリフで覚えていきました。
そうすると、それらのセリフを実際に、学校でも活かせるようになったんです。
今では、友だちから「一緒に遊ぼうよ」と声をかけてもらえるようになりました。
以前は「なんで入ってくるの?」みたいに言われてしまったこともありましたが、今はみんな受け入れてくれていますね。
LITALICOジュニアに通う前と後で、親子関係に変化はありましたか?
学校での出来事を、たくさん話してくれるようになりました。
息子も、学校から帰ってきたら「話したい」という気持ちになるみたいですね。
「頼りにしてくれている」と感じます。
以前はうまく説明ができなかったようなことも、こと細かに話してくれるようになりました。
お母さまご自身には、変化はありましたか?
私一人で考えても答えが出ないようなことも、LITALICOジュニアではいろいろな視点からのアドバイスをいただけたことで助けられたことがたくさんあります。
以前通っていた療育でも相談はできたんですが、LITALICOジュニアでは毎週通うたびに相談ができるので、通わせていて本当によかったなと日々感じています。
LITALICOジュニアの先生に、特に「相談してよかった」「通わせていてよかった」ということはありますか?
例えばワーキングメモリなどは専門的で、具体的にどう高めていけばいいのか分からなかったんですが、「漢字は絵を描いて覚えると頭に入りやすい」などと、息子が得意なことを含めて考えてくださいました。
また、「感覚統合」の具体的なやり方を教えていただいたことも新しい発見でした。
「落ち着きのなさは、感覚を満たしてあげると減る」ということで、勉強をする前に回転椅子でいっぱい回して、感覚を満たしてあげるとか。
確かに普段から回ったりするのが好きで、大きい声を出したりしているなと思っていたのですが、そういう方法があるとは知らなかったんです。それで、集中して取り組めるようになったということもありました。
今は学校での困りごとがなくなったからか、息子は学校を楽しみにしているんです。毎日「早く友だちと遊びたい」と言って、走って学校に行くんですよ。
以前は友だちと関わるよりも、一人で自由帳に絵を描いていたいような様子もありましたが、今は「友だちと遊びたい」というふうに変わってきました。
LITALICOジュニアでやりとりの仕方を学んで、うまく付き合えるようになったから楽しいんだろうなと思います。
LITALICOジュニアは楽しく学べて、認めてもらえる場所
Sくんやお母さまにとって、LITALICOジュニアはどんな場所ですか?
息子にとっては、自分のやりたいことをやらせてもらえて、認めてもらえる場所なのかなと思います。
息子が好きなものを聞き出して、そのキャラクターで塗り絵やゲームをつくってくださったりするので、すごく楽しいようです。ほかではやってもらえないことで、マンツーマン授業だからこそできることなのだと思いますね。
遊びの中で楽しんでやりとりを学べるので、息子も嫌がらずにできる点がよかったなと思います。
私にとってはLITALICOジュニアはなんでも相談できて、的確なアドバイスがもらえる、安心できる場所です。
最後に、先生にメッセージをお願いいたします。
もう息子が毎週「LITALICOに行きたい」と楽しみにしていて、先生のことをすごく信頼しています。
私もやはり、先生に話しやすい雰囲気があります。
今までに、4人ぐらいの先生に担当していただきました。息子も人懐っこい性格ではありますが、どの先生もすごく親しみやすく、息子もすぐに打ち解けて楽しく過ごすことができました。
以前の先生方にも、息子の今の成長した姿をぜひ見ていただきたいなと思います。
先生からのコメント
「自分がやりたいこと」から、次の「やるべきこと」への切り替えが難しかったSくん。
「切り替えたくない理由」を言葉で伝えることができれば、周りも「そういう理由だったんだね。じゃあこうしようね」と説明できるので、授業では気持ちを言語化する練習や、ストレスを発散することで気持ちを別の行動に置き換える練習などをおこないました。
今では、自分の思い通りでない場面でもいったん話を聞いてくれたり、気持ちを言葉で伝えてくれたりすることがすごく上手になりました。
通ってくださっている間に何度か先生が変わったのですが、Sくんは応用力が高いので、前の先生と築いていた信頼関係をもとに、私とも好きなホラー系コンテンツや遊びなどを介して打ち解けていってくれました。
「いろんな先生と仲良くなれた」ということもSくんの成功体験になり、LITALICOジュニア以外の場所でも成功体験を積めるようになっていったと思います。
通ってくださっている間には、Sくんもお母さまもしんどい場面もあったかもしれませんが、LITALICOジュニアですごく練習を積んでくださり、相談もたくさんしてくださったおかげで、ご一緒に伴走していくことができたと思います。
貴重なお時間をLITALICOジュニアの週1回の授業で使わせていただいて、感謝の気持ちでいっぱいです。